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外伝11話




 

こんにちは、ピッコです。

今回は11をまとめました。

 

 

 

 

 

ネタバレありの紹介となっております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

各話リンク こんにちは、ピッコです。 ネタバレありの紹介となっております。 ...

 




 

11話

外伝10話 こんにちは、ピッコです。 今回は10話をまとめました。 ネタバレ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 剣術大会②

剣術大会はそれから1週間後に始まった。

これまでリバドンとドリスタン、アレックスの貴族たちが大量に抜本的に訪ねてきている。

騎士団の行進を見物する人々で街はいつも賑わっていたし、広場では行軍とラッパの音が鳴り響いていた。

このような騒々しい雰囲気が続いているため、平民の関心も剣術大会に集中している。

大会当日は、人々をあちこち押さずには道を通れないほどの人山だった。

「すごい人出ですね」

ルースが人ごみをかきわけて呟く。

リプタンは体を張って円形競技場に向かってのろのろと歩いた。

砂の光の雄大な建築物の前は、屋台を並べた商人たちと賭け事をする賭博師たち、そして試合を観覧するために訪れた数千人の人々でごった返している。

その間をどうにか突き抜けると、アーチ型の出入り口を守って立った兵士たちの姿が見えた。

リプタンは彼らに出場表を見せて建物の中に入る。

当然のようにその後を追おうとしたルースは、兵士たちに肩をつかまれてしまった。

「おい、あなたも大会参加者か?出場表を見せてくれ」

「あの、私はあの方のお連れ様で・・・」

ルースが背後で必死に彼の名前を呼んだ。

リプタンは間こえないふりをして大股で歩いた。

兵士の案内に従って濃い陰が垂れ下がった長い通路を通過すると、丈夫な体格の男たちがうようよと集まっている広い控え室が出てきた。

一瞬、みんなの視線が彼に向かって飛んできた。

リプタンは、彼らが鋭い目で自分の実力を見計らっているのが感じられた。

彼もフードの下でライバルたちを注意深く観察する。

部屋の左側には約30人ほどの傭兵が集まっており、右側には従者を従えた騎士たちが武器と防具を手入れをしていた。

彼らにざっと目を通し、隅に歩いて座り込むと、傭兵たちの関心はすぐに去っいく。

「今回の大会には各国の実力のある騎士が大勢参加したそうだ」

「賞品が賞品だから、前回の大会より競争が激しいのだろう」

「チッ、対戦表見た?私たちはおまけ扱いだよ。騎士たちを輝かせてくれる余興というものだ」

リプタンは,傭兵たちがブツブツという声を聞きながら窓の外を眺める。

競技場を取り囲む観客席には数千人の人々がぎっしりと詰め込まれていた。

もしかすると、その中で彼女の姿を発見できるのではないかと目をあちこち転がしているが、司祭と見える人が警護兵を連れて控室の中に入った。

「もうすぐ大会が始まる予定です。試合を始める前に、いくつかの注意事項をお伝えします。この大会は各国の貴族の方々と法王聖下が着席した中で行われる崇高な行事です。そのため、対決は正々堂々と行われるべきで、相手が降伏した際には直ちに攻撃を中止しなければなりません。また、魔法や魔導具を使用することは許されませんし、意識を失ったり、深刻な負傷を負って戦闘不能状態に置かれた人に攻撃を加えて命を奪っていく行為も許されません。無防備な相手に奇襲を加えることも許されず、過度な残酷行為も控えてください。この大会は、ウィグルと12騎士の精神を称えるためのもの、すべて武芸を崇める気持ちで敬虔に臨んでください」

司祭が厳粛な口調で注意事項を並べた後、対戦表を壁に貼って外に出る。

リプタンは自分の順番を確認した後、窓際に腰掛けた。

自分の番は5番目だ。

傭兵たちの対決が終わった後、騎士たちの対決が続く予定であり、そのため貴族たちは正午を過ぎている。

「最初の試合を始める!カイル・セボン!デルメッド・イーデン!入場!」

兵士が大声で名前を呼ぶと、二人の傭兵が頭上に兜をかぶって競技場とつながった入口に歩いていった。

しばらくして、耳を突く歓声が空気中に響き、応援をする声が聞こえ始める。

リプタンは壁に頭をもたげて、ぼんやりと順番を待つ。

(・・・私は一体こんな所で何をしているんだ?)

私が身につけた技術のほとんどは魔物を狩るためのものであり、正面対決のためのものではない。

何度か喧嘩を売ってくる騎士たちと剣を交わしたことはあるが、リフタンは地形の利点を最大限利用して攻撃を加え、必要ならば奇襲を試みたり、背後から相手を斬ることも躊躇しなかった。

鎖や短剣、鉤とロープなとあらゆる武器を使って敵の息の根を止めておくことと、純粋な剣術対決は違うだろう。

似合わない場所に来たような不快な気持ちはなかなか消えなかった。

「リプタン・カリプス!セドリック・ゲイロン!入場!」

1時間半ほど経っただろうか、ついに彼の番が来た。

リプタンは立ち上がり、頭の上に兜をかぶる。

彼の対戦相手は、黒っぽい鋼鉄の鎧で重武装をした巨漢だった。

リプタンは背中の重い大剣をちらりと見て目を細める。

男が並んで入口に向かって歩きながら、彼に向かって威嚇的に黄色い歯を表わした。

「これはこれは、綺麗なやつだな。よりによってこのゲイロン様が最初の相手だなんて、貴様も運が悪いね。でも心配しすぎないで。少なくとも四肢はつけておくから」

リプタンはトンネルの端にある競技場を無関心な目で見つめる。

観客席のあちこちには家門と所属を象徴する旗が力強くはためいて、競技場の周辺にはラッパと太鼓の音が鳴り響いていた。

1万人は優に超えて見える大人数が一斉に叫ぶ。

リプタンは失笑を漏らした。

ウィグルと12騎士の精神を称えるための行事だと言っていなかったか?

群衆の頭の中にそんな崇高な目的なんて存在しないように見える。

彼らが高い観覧料を払ってここを訪れた理由は単純だ。

刺激的な余興を見るため。

敬虔さとは程遠い光景にリプタンは緊張をほぐした。

「それぞれの位置に!」

大会進行役の兵士が競技場の真ん中を指差して叫んだ。

リプタンはゆっくりとそこに.歩いて行き、対戦相手と向かい合って立った。

緊張した空気が流れる中、兵士たちが対決の始まりを知らせる旗を高く持ち上げる。

リプタンは合図に従って腰につけた剣を抜いた。

男が彼の古びたバスタードソードをあざ笑うように派手に鼻を鳴らし、背中から剣を取り出す。

剣刃の長さだけでもほぼ6クベット(約180センチ)に逹するものすごい大剣だった。

オシリア内でかなり名声が高い奴のように、あちこちで奴の名前を叫ぶ声が聞こえてきた。

「ゲイロン!ゲイロン!ゲイロン! 」

男がその歓声を全身で吸い込むように胸を広くして深く息を吸う。

「聞こえる?私はこの大会の優勝候補だ。あらゆる戦場を乗り越えてきた本当の傭兵なんだよ。貴族たちに媚びるのに忙しい騎士たちも、私の相手にはならない」

「・・・」

「棄権宣言をすれは大目に見ようしたが、だめだ。あの期待に応えるためにも、派手に一発やらないと。かかってこい。特別に先攻する機会を与えてあげよう」

「それじゃ遠慮なく」

リプタンはためらわずに走り去った。

男の顔色が一瞬で変わる。

恐ろしいスピードで頭に向かって飛んでくる剣を見て危機感を感じたようで、ゲイロンが直ちに大剣を振り回した。

リプタンは自分の剣の数倍はあるような重いクレイモアをまるで木の枝のように弾く。

男の顔に驚愕の色があるのがはっきり見えた。

彼は素早く姿勢を正そうとしたが、次の攻撃に対応するには遅すぎた。

リプタンは彼の腕が上に跳ね上がった隙を逃さず、脇腹に容赦なく剣を突き刺す。

鎧の隙間をかき分けて入った刃が肉と筋肉を突き抜けて入り、背中の後ろに鋭く突き出た。

「おおお・・・!」

男が激しく息を切らしながら目を見開いた。

リプタンはすぐに剣を抜く。

鎧の間から赤黒い血がだらだら流れ落ちた。

男が後ろに下がって安全距離を確保しようとしたが、リプタンはしばらくの暇も与えない。

眼球にナイフを突きつけると、片手でわき腹を握ったままよろめいたゲイロンが結局ひざまずいて叫んだ。

「はあ、降伏・・・、降参だ!」

旗が掲揚されてから3分も経たないうちに起きたことだった。

ぼんやりと立っていた兵士たちがやっと試合の終わりを知らせるラッパを吹く。

四方からものすごい歓声が沸き起こる。

リプタンは無味乾燥な目つきで、神官たちが敗北者に治癒魔法をかける光景を見て、目をそらして大会場を見回した。

観客席の最上階、ウェデン王室の旗がなびいている席の横にクロイソ公爵家の旗が見える。

しかし、かなり距離が遠いうえに、あまりにも多くの人が集まっていて、顔をいちいち確認するのが難しかった。

女性たちは皆、頭にベールを巻いたり、冠をかぶっている。

リプタンは目を細め、すぐに諦めて視線を落とした。

傭兵たちの言葉のように、まだ高位貴族たちは参加していない可能性もある。

彼は競技場を退場した。

 



 

リプタンはその日だけで4回の試合を行った。

そしてそのすべての試合が5分だけに終わったため、「一撃必殺のカリプス」という変なニックネームが付けられることに。

翌日、競技場の入口に集まった人々が自分に向かってそのダサい称号を叫ぶのを聞いたリプタンは顔を大きくしかめた。

雑種から竜使いまでありとあらゆるニックネームが付けられたが、精一杯おしゃれをしたようなそのくすぐったいニックネームが一番最悪だった。

「お前、リバドンで有名な勇者だったというのは本当か?」

控え室に入ると、前日より激しい牽制の視線が飛んでくる。

彼らの敵対的な視線を無視して待機席に座っていると、顔を黒く日焼けした中年の男が突然近づいてきて声をかけてきた。

リプタンは眉をひそめる。

綺麗な服装をしているが、騎士としてはどこか洗練されていない雰囲気を漂わせる男だ。

男は満面の笑みを浮かべて彼の隣の席に座る。

「昨日飲み屋に行ったら、君の話で騒いでいたよ。一人で盤龍10匹も、大雑把に捕まえる、とんでもない魔物ハンターだったと、早くも噂が広まっている」

「・・・用件は?」

無愛想な話し方に少し驚いたように瞬きをしていた男が平然と話を続けた。

「騒がしいので、どんな人物なのか気になって訪ねてみた。遠くから見た時はかなり図体があって20代半ばくらいだと思ったのに顔を見ると思ったより若いね。何歳かな?」

リプタンは何の関係もないかのように彼を睨みつける。

男は何が面白いのか、きちんと整えられたあごひげを撫でながら、にっこりと笑った。

「愛想は良くないようだね。団体生活をしていると問題をたくさん起こしそうだ」

「・・・」

「騎馬術はどう?傭兵生活がかなり長いようだから戦場には出たことがあるだろう?馬は多少は乗れるのかな?」

「・・・用件がなければむやみに話しかけないでほしいね。いきなり親しいふりをする人が私はあまり好きではない」

リプタンは不愉快な様子を隠さず、冷ややかに答える。

男が薄笑いして肩をすくめて席から立ち上がった。

「これは対決を控えた人に失礼したようだ。これからも活躍を期待するという応援の意味で考えてほしい」

「・・・」

「じゃあ、またね」

男が選手たちが集まっているところに向かって歩いていく。

リプタンは彼が試合に出場する騎士たをと話を交わす姿を見て眉をひそめた。

大会出場者のようではなかった。

仲間を励ますために来て、一度刺してみたのだろうか。

「・・・つまらない牽制をするんだね」

リプタンは鼻を軽く鳴らし、男から視線をそらす。

折よく兵士が彼の名前を呼んだ。

リプタンは剣を手にして席を立つ。

最初の対戦相手はアレックスの王室の騎士だった。

彼が競技場に向かって歩き、嫌悪感のこもった目を送ってくる。

異教徒の血が混じった雑種が自分の相手だというのが侮辱的なようだ。

リプタンはその冷たい視線をかき回し、頭に兜をかぶる。

少し狭くなった視野に光で囲まれた競技場が埋まった。

その真ん中に立ってクロイソ公爵家の旗を探して首を回すと、好戦的な声が間こえてきた。

「お前、まさか本気で『騎士の剣』を狙っているんじゃないよね?」

リプタンは視線を落とす。

騎士が軽蔑しているかのように目元にしわを寄せて言った。

「あれは騎士たちのものだ。傭兵などが欲しがるものではない」

とんでもない話だと眉をひそめていたリプタンは、法王が位置した上座に目を向ける。

神聖騎士団が取り囲んでいる祭壇の前には、一本の剣が刺さっていた。

そういえば、あの剣が優勝賞品として出てきたので、各国の騎士が大量に参加したというね。

リプタンは剣を抜いて唇をひねる。

「傭兵なんかに優勝賞品を奪われるのではないか、焦ってるみたいだね?」

「まさか・・・!」

「問答無用。言いたいことがあれば実力で言え」

騎士は冷たく顔をこわばらせて剣を抜いた。

「いいだろう!剣で聞き取れるように説明してくれ!」

リプタンはバスタードを持ち上げて、飛び込む攻撃を防いだ。

彼らの剣がぶつかり合い、空中から火花が飛び散った。

男の顔が歪む。

正面から腕力で勝負すれば不利だと思ったのか、騎士がすぐに一歩後ろに下がる。

しかし、リプタンは彼が再攻撃する機会を与えなかった。

「馬鹿な奴、剣を振り回す機会を何度もくれると思ったのか」

退けば、その瞬間死ぬのだ。

リプタンは男の重心が少し後ろに傾いた瞬間を逃さず、無慈悲に剣を押し付けた。

男の顔に狼狽の色がよぎる。

リプタンは勢いに乗って剣の柄で彼の顔を容赦なく押しつぶした。

そこで止まらず、リプタンはそのまま剣の方向を変え、男の腕に向かって振り回す。

真っ青に光る刃が鎧を突き破って入り、騎士の太い腕に半分ほど刺さった。

男の口から鋭いうめき声が沸き起こる。

「・・・片腕の身になりたいのでなければ降伏宣言をしろ」

騎士がゆがんだ顔で怒りを露わにすると、リプタンは刃をさらに深く押し込んだ。

すると悲鳴を飲み込むように唇をつついていた騎士が噛みつくように叫んだ。

「負けだ・・・、私の負けだ!」

リプタンは剣を抜いて姿勢を正す。

まもなく四方から「一撃必殺のカリプス」と叫ぶ声が響き渡った。

リプタンは顔をしかめる。

誰があのようなニックネームを付けたのか分かれば、顔を殴ってやるつもりだった。

対決相手が騎士に変わっても彼の連戦連勝は続いた。

これにはリフタン自らも驚いている。

前から正規の軍人といっても大したことないと思って来たが、自分の実力がここまで圧倒的だとは思わなかったのだ。

「当然の結果です!ドレイクも倒したカリプスさんが、人間なんかに負けるはずがありませんか?」

ルースはエールをがぶがぶ飲み、意気揚々と叫んだ。

あと2回の対戦を経て勝利すれば、優勝は彼のものだった。

とてつもない賭け金を手にするようになった魔法使いは、耳に口元が引っかかるようになった。

「カリプスさんは天下無敵です!私はこれからもずっと、カリプスさんについていきます!」

背筋が縮こまる宣言に、リプタンはバタンという音がするほと荒々しくグラスを置いた。

しかし、ルースは気にせず居酒屋に集まった人々にエールを送りながら、喜々喜々としている。

その姿を細目でにらんでいたリプタンは、ため息をついて席から立ち上がった。

そのまま宿の部屋に上がろうとしたが、酒に酔った男の一人がいきなり彼の肩の上に手をかけ、大声でからからと笑う。

「あなた、本当によく喧嘩したね!今、大騒ぎだよ。数十年ぶりに平民の中で優勝者が出るかも知れないと、都市全体が騒いでいるんだよ。有名人になった気分はどう?」

リプタンは眉をひそめて男の腕を冷たく振り払おうとした。

その時、居酒屋の片隅で険悪な声が響き渡る。

「なんてこった!異邦人の血が混じった雑種が私たちの宝物を占めるようになったが、何が良くて大騒ぎなんだ!」

急に水でも差したように四方が静かになった。

リプタンは叫び声が聞こえた場所に向かって首をかしげる。

衛兵とみられる服装をした男3人が小さなテーブルを囲んで酒を飲んでいた。

そのうちの1人が顔を赤く染めて、彼に向かって指を指す。

「今回の優勝賞品は、ダリの中の12人の騎士のうちの1人が使っていた宝剣だよ!西大陸の英雄の宝物が砂漠の雑神や仕える異教徒の手に渡ることになったところに笑いが出るか?」

「何だって!?」

ルースは息を切らしながら席から立ち上がる。

「カリプスさんは異教徒じゃない!1年以上追いかけたけど、一度も教理に反することをするのを見たことがない!何を根拠にそんなことを言うの?」

「根拠をつける必要は何があるの?あいつの顔に異教徒って書いてあるのに!」

男が片手を振り回して大声で鼻を鳴らした。

「そもそも魔物商売のような不正なことをしていたやつが、あえて法王の前に立つなんてとんでもないことだろ?」

「おい、俺たちが魔物を売って生きているのに、何か不満があるのかい?」

一方で酒を飲んでいた傭兵たちが、これを露にしていがみ合った。

喧嘩を売っていた衛兵が肩を動かして再び頭を上げる。

「私が何か間違ったことを言った?」

「なんでこんなやつが酒の味を悪くするんだ?」

荒々しい傭兵がエール杯を投げつけた。

雰囲気が険悪になると、彼の隣に座った衛兵たちが引き止めるように肘でわき腹をつく。

その時やっと、大きなことを言っていた男が、少し気がついたように周囲を見回した。

その姿を静かに見守っていたリプタンが口を開く。

「私が優勝することに不満があるらしいが、阻止する機会を与える。自分の体に小さな傷でもつけたら、明日の大会では棄権する。それでも挑戦するか?」

男は肩をすくめて彼の腰の剣をちらりと見た。

公に侮辱を浴びせたくせに彼と正面から立ち向かう勇気はないのか、男が口をぎゅっと閉じる。

リプタンはそんな男をあざ笑うように見下ろし、さっと身を乗り出して階段を上った。

ルースがぐずぐずしながらその後を追いかけてこようとしたが、リプタンは鋭い視線で振り払う。

慰めてきた方が、何倍もプライドが傷ついた。

あんな悪口に腹を立てたこと自体が恥ずかしいことだった。

リプタンはやや荒っぽくドアを閉め、防具を脱いで隅に放り投げる。

窓から青みがかった月の光が差し込んできた。

窓辺で爪のような月を見上げていたリプタンは、ベッドの上にごろごろと横になった。

突然、胸の中にかすかな不安感が湧き出る。

ひょっとして、あの子もそう思っているのではないだろうか。

あのような嘲弄にはうんざりしていたが、彼女が自分のことをそんなふうに考えたら耐えられない。

彼はぎくしゃくする胸をこすりつけ、汚い気持ちを振り払うように目を閉じた。

 



 

翌日、競技場には前日よりさらに多くの人が集まる。

一方、控え室にはリフタンを含めて4人の参加者と騎士たちに仕えるためについてきた6人の従者しか残っていなかった。

リプタンは彼らの視線を無視して待合室の隅に座り、剣の手入れをしていた。

しばらくして、兵士が彼の名前を呼ぶ。

彼は兜を頭にかぶって競技場に続く通路をぶらぶらしながら入った。

彼の対戦相手は、大会初日に対戦した「ゲーロン」という名の傭兵と同じくらい勇壮な体格の男。

リプタンは横目で彼に目を通す。

南部地域民特有の赤みが混じったオレンジ色のくせ毛に北部人の血統が目立つ太い骨組み、そして荒々しい図体に似合わない静かな目つきを持った若い騎士だった。

彼はリプタンを見下ろし、にっこりと微笑んだ。

「兄さん、実力がすごかったよ?初日から戦いたくてむずむずしたって」

騎士らしくない軽薄な話し方に、リプタンは片方の眉をつり上げた。

男が背中に背負った大剣を片手でとんとんと叩きながら言った。

「前もって言っておくが、俺とこいつは兄さんと同じくらい過激だ。久しぶりにしっかり楽しんでみたいから、緊張していてね。油断していてつまらなく終わることは望まないから」

「・・・私の実力がどうだと騒ぐ人にしてはまともな人を見なかった」

「私は無駄に重さを取る人間たちが、そんなに見たくないんだ」

男が負けずに応酬する。

彼らが喧嘩をしている最中、入場を知らせる大きなラッパの音が鳴り響いた。

二人は競技場の真ん中に歩いて入り、適当な距離を置いて向かい合う。

口だけの男ではないように、彼の勢いがあっという間に変わった。

リプタンは体を引き締める。

まもなく対決の始まりを知らせる旗が高く上がり、観客席から雷のような歓声が沸き起こった。

男は騎士だからといって先攻を譲る蛮勇をふるわなかった。

彼が自分の背丈ほどの大剣を片手で振り回し、ものすごいスピードで駆けつけると、リプタンはそれに対抗して剣を振り回す。

骨の節が嗚るような重い衝撃が肩まで伝わった。

まるで飛んでくる砲弾を正面から打たれたような。

「すごいね。私の攻撃を正面から防ぐなんて・・・」

男が剣を突き合わせたまま歯ぎしりをするような声を出す。

心から感嘆するような声だった。

驚いたのはリプタンも同じだった。

男を後ろへ押し進めようとしたが、びくともしなかったのだ。

16歳になってから、自分の力とほぼ互角に立ち向かう人に初めて会ったのだった。

リプタンは歯を食いしばって両足で地面を力強く押した。

男がきりきりと歯ぎしりしながら彼に立ち向かう。

ほんの少しの隙間だけ見ても、その場で決着がつくことをお互いがよく知っていた。

そのように微細に刃の方向をひねりながらお互いを圧迫することがいくらなのか、男がぴんと張った弓弦のように全身を緊張させ、突然姿勢を変える。

筋肉質の巨体が披露されるとは思いもよらなかった速度だった。

リプタンはいきなり下から飛んでくる剣をぎりぎりで食い止める。

しかし、男は隙を見せず、すぐに別の方向から剣を振り回した。

姿勢の変換があまりにも変化に富んでいて、素早く攻撃する隙を見つけるのが難しい。

剣刃がぶつかり合って火花が飛び上がり、鋭い鉄の音が鼓膜を引き裂くように響き渡った。

(これ以上引いたら危険だ)

刃の響きが尋常ではなかった。

奴の攻撃を正面から受け続けては自分の剣が耐えられない。

リプタンは怒涛のような勢いで飛んでくる大剣を防ぎながら、鋭い目つきで隙を探す。

相手の剣は彼の剣より長くて厚かった。

致命傷を.負わせるには危険を甘受するしかない。

リプタンは恐ろしい速度で飛んでくる彼の攻撃を横流しして体勢を変えた。

男もすぐに姿勢を正し、全身の重さを乗せて彼の頭の上に大剣を振り回す。

リプタンは彼に向かって大きく下から上に剣を引いた。

青く光る刃が厚さの2倍以上の大剣をぎりぎりで跳ね返す。

彼は騎士の腕が少し浮かんだ瞬間を逃さなかった。

そのまま押し込んで頭を攻撃すると、男が急いで剣を握りしめる。

しかし、完璧に防御するには少し遅れた。

リフタンのバスタードは、男の大剣を側面から叩きつける。

男がきりぎりで阻止し、致命傷を負わせることには失敗したが、姿勢を崩すことに成功した。

リプタンは躊躇わずにそのまま持ち手で男の手の甲を殴り、剣を兜の下に突き刺す。

四方に重い沈黙が降り注いだ。

男が自分の喉ぼとけのすぐ下を狙っている刃を見下ろしながら、ため息をついて宣言した。

「・・・私の負けだ」

すると、観客席から大きな歓声が上がる。

リプタンはゆっくりと後ろに下がって剣を回収した。

「4本のエールを飲んだ時よりも頭がズキズキするね。ほら、私がもう少し防御が遅れていたら、頭蓋骨がちくちくしていただろう。殺すつもりだったの?」

リプタンは息を整えて剣を再び鞘の中に押し込んだ。

「お互いさまではないか。あんなものにまともに当たったら、私の体も切断されただろう」

リプタンは彼のおびただしいクレイモアをあごで指差して生意気に答えた。

男は肩をすくめる。

「余裕を持って5分以内に終わってしまったら、それが何の恥だよ。一撃で相手を終わらせてしまうという兄さんの名声には、しっかりと傷をつけないと」

騎士は傭兵に敗北したという事実があまり恥ずかしくないようだった。

悔しさの色はちらりと見えたが、怒りの色は見当たらない。

「私に勝ったのだから、負けるなよ」

リプタンは騎士の変わった態度に薄い好奇心を感じながら、彼の鎧に刻まれた紋章を調べる。

翼で身を包んだドラゴンの紋様。

どの騎士団の象徴なのだろうか?

目を細めるのをしばらくの間、リプタンは「どうでもいい」と言って控え室に足を
運んだ。

 



 

無事に決勝進出!

決勝の相手は、これ以上の強者なのでしょうか?

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