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外伝12話




 

こんにちは、ピッコです。

今回は12をまとめました。

 

 

 

 

 

ネタバレありの紹介となっております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

各話リンク こんにちは、ピッコです。 ネタバレありの紹介となっております。 ...

 




 

12話

外伝11話 こんにちは、ピッコです。 今回は11話をまとめました。 ネタバレ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • レムドラゴン騎士団

最初の対決に比べて決勝戦はあっけなく簡単に終わってしまった。

リプタンは優勝者となって、教皇が位置した演壇の上に上がる。

長いひげを垂らした気品のある風貌の老人が上座に座っており、その左右には七国の王族と高位貴族が位置していた。

リプタンはすぐにその中からクロイソ公爵を見つけることができた。

ずいぶん前に遠くから掠めるように何度か見たのが全てだったが、公爵領の支配者が漂った独特で陰惨な雰囲気をはっきりと記憶していたのだ。

男は体格がそれほど大きくなかったが、スリムで優雅な体つきをしていて、信じられないほど贅沢な服装をしている。

濃い赤褐色の髪は数年ぶりに灰色で漏れていたが、冷酷な雰囲気が漂う厳粛な顔はそのままだった。

リプタンは彼を注意深く観察し、その左右に目を通す。

どこにも幼い少女の姿は見当たらない。

派手な服装の貴婦人たちが何人か近くに座ってはいたが、彼女と言うにはみんな年を取りすぎていた。

(・・・来てないのかな?)

こんな席に参加するにはまだ若すぎるのかもしれない。

リプタンは失望を隠しながら首をかしげた。

「ひざまずいて礼を尽くせ!」

6段を前にして足を止めると、聖騎士の1人が厳粛に叫んだ。

リプタンはゆっくりと片膝をついて頭を下げる。

座中に敬虔な沈黙が流れることをしばらく、手厚い声が聞こえてきた。

「顔を上げよ」

リプタンは命令に従ってゆっくりと頭を持ち上げた。

正面から見た法王は、意外にも背が高く、風采が威風堂々としていた。

年齢を推し量りにくい顔は薄い金色が流れる白い髪の毛で覆われており、髪の毛の多い眉毛の下に位置した濃い緑色の瞳は強烈な威圧感を噴き出している。

彼が隣にいる聖騎士に手招きすると、2人の若い騎士が長剣を持って彼の前に近づいてきた。

「驚くべき武威でライバルたちを退け、この場に立った君に、約束通り『騎士の剣』を授ける」

教皇は無情な声で厳粛に宣言する。

この剣は最初の騎士の一人であるカーン・ミゲル卿が使用した宝剣で、鞘はワイバーンの皮で作ったもので、その剣身はウムリ一族の職人が鋼鉄にアダマントを混ぜて作ったと伝えられている

リプタンはゆっくりと両手を伸ばしてそれを受け入れた。

装飾一つないごつい鞘を少し剥がすと、古代に製作されたものとは信じられないほど鋭い刃が姿を現す。

それを感嘆の目で見下ろすと、頭上に厳重な警告が落ちた。

「今すぐ剣を入れろ!」

聖騎士が彼に剣先を向けながら冷たい視線を送ってきた。

リプタンは剣の鞘の中に素直に押し込んだ。

ようやく法王の単調な声が続いた。

「今回の剣術大会は、その剣の持ち主を決める意味深い行事だったね。この場に君が立つようになったこともまた神の志だろう。「騎士の剣」という名が汚れないように、名誉あることに使ってほしい」

リプタンは、彼が皮肉な意味でそのようなことを言うのではないかと疑って頭を上げた。

しかし、法王の目は、限りなく静かで静かだった。

人の形をした古木に向き合った気分だ。

彼は杖を両手で握りしめ、立ち上がって敬虔に口を開く。

「運命があなたと共にありますように」

観客席から歓声が沸き起こった。

リプタンは彼の言葉が頭の中で妙な響きを醸し出すのを感じながら、再び剣を見下ろした。

これまで欲しがるものではないと言って、これを食いしばっていた人々の心情が理解できた。

賤民出身の傭兵の手に落ちるには、あまりにも重い意味を持つ物だった。

リプタンは不快な気持ちで席から立ち上がる。

上座に座った貴族たちがまるで珍しい動物でも見物するような興味津々な覗線を送ってきた。

彼は好奇心に満ちた視線を無視して、聖騎士の指示に従って階段を降りる。

道の左右に集まった人々が、彼が通り過ぎる途中に花びらを散らした。

リプタンは盛大な声援の後、濃い影が垂れ下がった通路の中に足を踏み入れる。

その日、優勝者には貴族たちの宴会に参加できる栄光が与えられたが、リプタンは不参加の意思を示した。

そんな場に着て出かける衣服もない上、見せ物に転落したくもなかったからだ。

ひょっとして宴会場にはあの女の子が出てくるかも知れないという考えがふと頭の中をよぎったが、これ以上自分を滑稽にしたくもなかった。

リプタンは宿屋に戻り一晩休んだ後、荷物を持って部屋を出る。

すると、階段の前にしゃがんでいたルースが、待っていたかのように飛び上がり、彼の前に走ってきた。

「やあ!おはようございます、カリプスさん!旅に出るには最適な天気ですね!」

リプタンは廊下の窓の外を眺める。

空は灰色で、道には霧が立ち込めていた。

彼は鼻を軽く鳴らし、階段を駆け下りる。

魔法使いが自然についてきて、軽快におしゃべりをした。

「昨日、私が賭けの場をほとんど掃いたということをご存知ですか?あ!心配しないでください。約束した通り、カリプスさんにもしっかりーロ差し上げます。もちろんです!このままさっと口を洗ってしまう恥知らずなことはしません」

今日だけはどんな言葉でも魔法使いの気分を台無しにすることはできないようだ。

リプタンはため息をつきながら宿屋の外に出た。

ひんやりした空気が全身を包み込む。

彼は目を刺すような前髪を取り除き、白い霧の中を眺めた。

これからどこに行けばいいのだろうか。

漠然とした目で四方を見回していると、ふと、誰かが自分に向かって猛烈に走ってくるのが感じられた。

リプタンは素早く剣を抜く。

それとほぼ同時に重い一撃が飛んできた。

「さすが、感覚が優れているね」

リプタンは目を細めた。

彼と準決勝戦で対決した騎士だった。

気持ちよく引き下がるかと思ったら次の日奇襲とは・・・。

リプタンは冷笑を浮かべながら騎士に剣を向ける。

「奇襲は騎士道に反する行為ではないのか?」

「そうだっけ?」

騎士がにやりと口角を伸ばした。

「私が叙任をしたばかりのひよこだから、何度も忘れるんだ」

「・・・残念だね」

リプタンは彼と少し距離を置き、剣の柄を両手でしっかりとつかんだ。

「大会で唯一気に入った相手だったのに」

その言葉が終わるやいなや、リプタンは地面を蹴る。

騎士が風のように飛んでくる剣をぎりぎりで防いだ。

地面がくぼみ、彼の体は2、3歩後ろに押し出された。

たちまち男のゆったりとした顔が殺伐とゆがんだ。

「手加減しながらやったのか?」

「相手を殺そうとしなかっただけだ」

リプタンは姿勢を正した。

彼が身につけた剣術は、急所を突いて、その場で相手を即死させること。

一気に敵の息の根を止めなければならないという強迫観念を意識的に抑えながら剣を振り回すことが、彼にとっては最も厄介なことだった。

リプタンは恐ろしいスピードで飛んでくる大剣を跳ね返し、男の首に向かって躊躇なく剣を振り回す。

その瞬間、鎖が飛んできて彼の腕を縛った。

ギリギリで首が切れるのを避けた騎士があっという間に彼と距離を広げる。

リプタンは素早く反対側の手で剣を移し、鎖が飛んできたところに視線を向けた。

ほっそりとした体格の少年と待合室で彼に声をかけていた中年の男が霧の中から出てきた。

「話をしてみようと思っていたのに、どうして戦っているんだ?」

「ちょっと面白くしようと思ったんです。昨日のは満足できなかったんですよ」

奇襲を敢行してきた騎士が、危うく首を切りそうになった首を撫でながら、ぶつぶつ言った。

どうやら仲間同士のようだ。

リプタンは鋭い目つきで状況を察し、腕に縛られた鎖を乱暴に引っ張る。

突然の力でほっそりした体格の少年がバランスを崩した。

リプタンはその隙を逃さず飛びかかり、剣を振り回した。

しかし、中年の男がその間に割り込んで攻撃を防いだ。

リプタンは歯を食いしばった。

この男も相当な実力者だ。

 



 

(厄介なことになったな)

ちっ、と舌打ちをしながら再攻撃する隙を狙うと、男が急いで話を続けた。

「おい!喧嘩のために来たんじゃないよ。落ち着いて」

「おかしいな。戦う気のない人間が奇襲してくるのか?」

男の顔に深い狼狽感が浮かんだ。

彼はゆっくりと後ろに下がり、丁寧に言った。

「私の部下の無礼はお詫びする。気が狂った戦闘狂だから、自分より強い人間を見ると、くっ付いて見ることができず、やきもきするんだ」

リプタンは細目で彼の穏やかな顔を見て、隣の人に目を向ける。

彼に鎖を投げた少年はもちろん、奇襲をしてきた騎士もこれ以上攻撃する意思がないようだった。

それでも油断するわけにはいかなかった。

リプタンは彼らと距離を置き、冷たく口を開く。

「私に何の用だ?」

「君に騎士団入団を勧めに来たんだ」

男が物静かに話した。

リプタンはそら笑いをする。

「私が受けた中で最悪の勧誘方法だね」

「あいつのせいで話を始める前に、憎らしい顔をさせてしまったな」

彼が騎士に向かって厳しい視線を送り、ため息をついて話を続けた。

「まず正式に私の紹介からしよう。私の名前はエヴァン・トライドン、ウェデン王室に忠誠を誓った騎士であり、レムドラゴン騎士団を率いる騎士団長だ。あそこのあの雷のように暴れるやつはヘバロン・ニルタ、私のそばに立つガベラクシオン。二人ともレムドラゴン所属の騎士だよ」

「・・・レムドラゴン?」

初めて聞いた名前だった。

片方の眉をつり上げると、男がゆったりとした笑みを浮かべながら素直に告白する。

「そんなに名の知れた騎士団ではない。私たちは主にウェデン南部で活動してきた。王室への忠誠を誓ったものの、事実上、自由騎士団に近い。独自の活動をすることが多く、名を馳せる機会があまりなかった」

「それとも大したことがないからとか」

リプタンは冷笑的につぶやいた。

ガベルという名の少年がカッとなったように頭をもたげた。

しかし、男は少しも気分を害した様子もなく、高笑いをする。

「そう思ったなら残念だね。観察力があると思っていたが、イマイチのようだ」

「・・・」

リプタンは口を固く閉ざした。

確かに「ヘバロン」という名の騎士はもちろん、第一撃を軽く阻止した「この騎士団長」という男もやはりすごい実力者だった。

選手として出回った騎士たちとは比べ物にならないほどに。

リプタンは警戒心を緩めず、固く吐き出した。

「悪いけど、私は貴族の後始末には興味がない。他のところに行ってくれ」

「私たちが仕える者は貴族ではなく、国王陛下たった一人だ」

「何が違うのか分からない」

「天と地の差だ。レムドラゴンはひたすらルーベン3世の命令にだけ従う。我らに命令を下すことができる人は、ウェデンの君主、たった一人だけだということだ。他の貴族に仕えることはないだろう」

リプタンは鼻で笑った。

「私には貴族も王族も別段違いはない。何より、ウェデンの君主ぐらいになる者が、果たして卑賤な傭兵なんかを喜ばせるかも疑わしいな」

「その点に関しては心配しなくてもいいよ。陛下は君が気に入ったようだね。君に入団勧誘をするよう命じたのも陛下だ」

意外な言葉にリプタンは目を見開いた。

これまで多くの領主から何度も正規軍に入るよう勧められたが、王族の目をに入ったのは初めてのことだったからだ。

何か魂胆があるのではないかという疑いの色を込めて眠みつけると、しばらく蒸らしていた男が落ち着いて話を続ける。

「そしてレムドラゴン騎士団の3割は傭兵出身だ。あの、君が二度も頭を飛ばしてしまうところだったヘバロン・ニルタもやはり過去には傭兵だった。もちろん、私を含めて貴族出身の騎士も相当数存在する。しかし、身分による差別はない。徹底的に実力だけで序列を決めるのがレムドラゴンの絶対的なルールだ」

「見栄っ張りな話だ」

リプタンは冷ややかに一蹴する。

「実力さえ立証すれば、賤民が貴族の上に立つあり得るということか?そんな噂に惑わされると思ったら、人違いだよ」

「私が君に嘘をつく理由は何がある?」

男が本気で怪認そうに首をかしげた。

リプタンは口元のひねくれた笑顔を消した。

彼の言葉通り、貴族である彼が賤民などをだます理由がなかった。

嘘が幅を利かせる世界に身を置いているため、誰の言葉も額面通りに受け取れなく
なったのかもしれない。

リプタンはそっと顔を赤らめる。

何でもなったかように鼻を高くした自分の姿がおかしいのではないか。

 



 

悪口を吐きながら投げつけておいたカバンを拾っていたが、男が近づいてきて親しみやすい口調で催促してきた。

「傭兵団を出たと聞いたが、どこか行くところでもあるのか?」

「別に」

リフタンの態度が和らいだことが分かったのか、騎士団長がにっこり笑って鎧に刻まれた文章を指差す。

「一人で歩き回るよりは、どこかに新しく身を寄せるのも悪くない話じゃないか。傭兵団に入団するのと騎士団に入団するのとでは根本的な違いはない」

「報酬が違うじゃないか」

生意気な返事にも男は笑みを絶やさなかった。

「君のような一流の魔物狩人なら、龍狩りの方が稼ぎがいいかもしれない。しかし、騎士になれば名誉が後に続く。功を立てて自分だけの土地と城を得ることも可能だ」

リプタンは立ち止まり、彼を睨みつける。

男は憎らしいほど真剣な表情をしていた。

彼の目には自分がドジに見えるのか。

自分だけの城と土地を所有できるのは、騎士の中でもごく少数。

貴族の生まれだとしても相続権から押し出されると、平騎士に止まる場合が多いが、異民族の血が混じった賤民などが領主になれるはずがないのではないか。

彼はかばんを肩に担いで鼻で笑う。

「何度も言うけど、私は興味ない」

「では、何のために剣術大会に出た?」

男が理解できないというように眉をひそめる。

リプタンは頬骨のあたりの熱が若いのを感じた。

ただ思い出の中の女の子を見るために、あの大騒ぎをしたと言えるはずがなかった。

彼は何の関係があるかと言わんばかりに男を眠みつけ、さっと身を引き返した。

すると、静かに行き来する対話を間いていた朱色の頭の騎士が前を遮る。

「プライドのために身分上昇の機会を蹴飛ばしてしまうとしたら、兄さんは天下の黒幕だよ」

「・・・外さなければ斬る」

「どうして意地を張るのか分からないな。私たちのような傭兵の端っこを正式団員として受け入れてくれる騎士団が世の中に散らばっていると思う?たとえあったとしても、汚らわしいことを押し付けて、好きなように利用して食べてしまえば終わりだろう」

「あなたたちではないということか?」

冷笑的に皮肉ると、騎士が何か怒鳴りつけようとするかのように口を開けようとしたが、ちっ、と舌打ちした。

「いくら騒いでも何の意味もない。直接入って確認してみたらいいじゃない。どうせ行くところもないんだって?兄さんは傭兵として過ごした方が儲かる方がいいと大口をたたいたが、それは傭兵団に属していた時の話だ。流れ者の剣術師に巨額の依頼を任せる気の抜けた人間がいるはずがないじゃないか」

傭兵出身という言葉は嘘ではないようで、騎士がすらすらと吐き出した。

「他の傭兵団に入らない限り、どうせまともな金儲けは難しい。それよりはむしろ騎士団に入ってきた方がましじゃないか。一旦入って過ごしてみると、兄さんもここが気に入るはずだよ」

「私がどうしていきなり攻撃してきた人間の話を聞かなければならない?」

リプタンは冷ややかに打ち上げた。

騎士は恥ずかしがる様子もなくにやにやする。

「ずいぶん後腐れが長いね。見た実力を確認してみたかっただけだ。兄さんも騎士たちの戦い方は性格に合わないように見えるからね」

「奇襲も私の好みではない」

「次は注意しておこう」

次はない。

リプタンは神経が尖っているのを感じながら、別の方向に目を向けた。

しかし、霧のかかった灰色の街が覗野に入ってくると、自分が一体何を回避しようとしているのか疑問が押し寄せた。

躊躇する様子を読んだのか、静かに考え込んだ目で彼を眺めていた騎士団長が口を開いた。

「あまりにも突然だったのかもしれない」

彼は一歩下がった。

「こうするのはどうか?まずレムドラゴン騎士団で3ヶ月だけ過ごすんだよ。気に入らなければいつでも騎士団を出てもいい。どうせ叙任をするなら、従者生活と、いくらかの訓練期間を経なけれはならないのだから、その間は臨時団員であることにしておこう」

「その3ヶ月間、何を頼むつもりだ?」

「世の中にこんなに疑い深い人は初めて見ました!」

ほっそりした体格の少年騎士が辛抱を失い、声を荒げた。

騎士団長が彼を制止するように片手を上げて言った。

「正式な騎士になるまで君に任務が与えられることはないだろう。私の提案を承諾すれば、3ヶ月間、あなたは私の従者生活をしながら騎馬術を身につけ、戦術の基礎を学ぶことになるだろう。ほとんどの見習い騎士は、そのような訓練過程を経て騎士になる」

「・・・」

「もちろん、3ヶ月を満たさなくてもいいよ。性に合わないと思ったらいつでも辞めて出て行ってもいいし、正式団員になりたいならずっと残っていればいい。君としては損することはないじゃないか」

「・・・なんでそこまで俺を入団させようとするんだ?」

「君の並々ならぬ技量がとても欲しいと言っておこう」

彼は整然とした濃いあごひげを.なでながら、口元にゆったりとした笑みを浮かべた。

「私が君のことをとても気に入っているのも一つの理由だね。君は珍しい逸材だよ。まともに訓練さえ受ければ、きっと偉大な騎士になるだろう。わが君主は、他の国の騎士になる前に、あらかじめ手を打っておいた方がいいと判断されたようだね」

リプタンは男の目をじっと見つめる。

そうすれば、男の本当の魂胆を覗けるかのように。

しかし、霧に包まれたように不確実な感情だけが押し寄せてきた。

リプタンは口元をこわばらせて引き締める。

自分がなぜ臆病者のように神経をとがらせるのか理解できなかった。

この男の言うとおり、彼としては損のない提案だった。

どうせ抜本的に去るつもりではなかったのか。

レムドラゴンか何かが気に入らなければ、すぐに飛び出してくればいい。

「・・・分かった。あなたの提案を受け入れるよ」

男の口元に満足そうな笑みが浮かんだ。

「よく考えたね」

ちょうど雲から差し込む太陽の光に霧が次第に薄れていく。

男が大神殿に向かって振り向きながら言った。

「それでは他の団員を紹介しようか。私たちが泊まっている宿に行こう。」

リプタンは彼の背中を見てゆっくりと歩いた。

すると、遠く離れて状況を見守っていた魔法使いが、ちょろちょろと後をついてきた。

その時になってようやく騎士たちの視線がルースに移る。

「君の仲間か?」

「そうです。私はカリプスさんの魔法使いです」

ルースが頭をこわばらせて言った。

リプタンは呆れたように彼をにらみつける。

このヒルがいつから自分の魔法使いになったのか。

容赦なく彼を振り払おうとしたが、突然魔法使いの顔の上にかすかに不安感が通り過ぎるのが見えた。

リプタンは口を固く閉ざした。

自分がどうしてこんなにもやもやした気分を感じなければならないのか。

「ちっ・・・」

彼は荒々しく頭をかき上げる。

そうだよ、少なくとも浮雲をつかむような話を並べ立てる人たちよりは、こいつの方が信じられるのではないか。

リプタンは躊躇った末、無愛想に吐き出した。

「ああ、私の魔法使いだ」

「よかったね。ちょうど魔法使いを探していたんだ。一緒に過ごせるように配慮しよう」

男の楽しさが若い声の後に、魔法使いの長々とした自分の自慢が始まる。

自分がどれほと優れた魔法使いなのか、すらすら説明するルースの声を聞きながら、彼はとぼとぼと歩き出す。

雲が次第に晴れて金色の太陽が四方に淡い光を散らした。

リプタンはどうか良い兆候であることを祈る。

 



 

ここでレムドラゴン騎士団に入団するのですね!

残念ながらマックとの再会はありませんでしたが、ここからリフタンがどう活躍するのか楽しみです。

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