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26話




 

こんにちは、ピッコです。

今回は26をまとめました。

 

 

 

 

 

ネタバレありの紹介となっております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

各話リンク こんにちは、ピッコです。 ネタバレありの紹介となっております。 ...

 




 

26話

25話 こんにちは、ピッコです。 今回は25話をまとめました。 ネタバレ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 女主人の役目⑧

犯人たちの顔があっという間に真っ青になる。

ロブ・ミダハスという名の騎士が慌てて剣を下ろして叫んだ。

「私はリバドンのカイサを支配する領主ロブ・ミダハスだぞ!」

「・・・領主?」

リプタンは立ち止まり、真っ黒な眉をつり上げる。

その反応に鼓舞されたようにロブが勢いよくあごを上げた。

「彼らが私の身分に疑問を投げかけ、出入りを拒否する無礼を犯した!その過程で軽い摩擦が起こったに過ぎない!」

「軽い摩擦・・・」

彼は負傷して倒れている衛兵たちと粉々になった域門を注意深く見て不吉に言葉を濁した。

ロブの顔は目に見えてこわばる。

「火、火を持て余して、過度に行動したことは謝罪する。だから・・・、もっと、覆って通り過ぎませんか?あ、あなたも・・・、問題を大きくしたくはないはずだから・・・」

「戦争だな」

彼の淡々とした声が座中に重く沈んだ。

リプタンがこれを表わすかのように荒々しく笑いながら、ロブ・ミダハスの前にゆっくりと馬を走らせて近づく。

他の騎士たちがこっそりと退いて道を開いた。

敵陣に入りながらも、リプタンの顔には躊躇や警戒心などは微塵も見られない。

彼は単調にも感じられる落ち着いた声でゆっくりと話し続けた。

「軍人を率いて城門を攻撃した。これより明らかな宣戦布告はない。その報いとして、奴の首を切った後、奴の地に駆けつけ、城壁を壊し、目に見える全てのものを廃墟にしてやる」

「な、七国協定を破るということか!そ、そんなことをしたらリバドンの君主があなたを許さないぞ!」

「私の門を壊した時点で、あなたは和平協定の保護を受けることができなくなった」

マックは自分の体にまで鳥肌が立つのを感じ、腕を抱きしめる。

リプタンの顔は奇妙に感じられるほと落ち着いていた。

その平穏さがまるで嵐の前夜のようにぞっとした。

口ブという男も同様の恐怖心を感じたのか、青ざめた顔で急いで後ろに下がった。

しかし、すぐ後ろにはオバロンが凶悪な大剣を持って立ちはだかっていたため、逃げ道がなかった。

彼は窮地に追い込まれた人のように怒鳴りつける。

「力、カイサには私に忠誠を誓った何百人もの騎士がいる!私を殺したら本当に
戦争だよ!」

「それは楽しみだね」

「カリプス卿!」

淡々とした顔で剣を振りかざすリプタンのそばにルースが素早く走り出た。

リプタンの乾いた視線が彼の方に向けられる。

「この者が本当にリバドンの貴族なら、ここで殺してはいけません。身柄を確保した上でリバドンに連絡を取って処分を決めることが・・・」

「あえて私の決定に反論するのか?」

「戦争は損失をもたらすだけです。それよりも手続きを踏んで賠償金を受け取ったほうがいいです」

「棄却だ」

リプタンは冷ややかに答えた。

「地面に突っ込んでいるものを全部掻いてくればいい」

目の前に武装している30人の騎士やカイサにいるという数百人の騎士などは、何の問題もないという口調だ。

ルースは小さなため息をつく。

「そうすると、本当にリバドンとも摩擦が起こる可能性があります。そして・・・」

言葉じりを濁していたルースがふと、衛兵に助けられ、後ろに身を隠していたマックを回り見た。

「貴婦人の目を、ここでもっと汚してはいけないのでは?騎士道精神を発揮してください」

何の話かと眉をひそめていたリプタンがみっともなく床に座り込んでいるマックを発見し、目を大きく開ける。

次の瞬間、彼の顔に先ほどとは比べ物にならないほど殺伐とした表情が浮かんだ。

彼はルースを激しくにらみつけ,うなり声を上げるように言った。

「どうして私の妻がこんな所にいる?」

「領内に問題が生じれば貴婦人が領主に代わって紛争を調整しなければならないじゃないですか」

騎士たちを凍りつかせるほどの凶暴な勢いにもかかわらず、ルースは平然としていた。

リプタンは稲妻のような速さでロブの首のすぐ下に剣を押し込んだ。

「武器を捨てて馬から降りてこい。反抗しないなら首はつけておく」

「わ、私をそのまま行かせてください!す、すぐにこの地を離れ、二度と・・・」

「私の領地を攻撃しておいて、そのまま送ってくれって?」

リプタンは激しく言葉を遮る。

「ここで死ぬか、投降するかのどちらかを選べ」

ロブの目は状況を把握しようとするかのように素早くあたりを見回した。

彼の騎士はレムドラゴンの騎士に完全に囲まれている。

ロブは剣を投げつけ、勝ち目がないことに気づいたかのように馬から降りた。

彼の後を追って、他の騎士たちも剣を地面に投げつける。

リプタンは衛兵に目配せをした。

「全員を捕縛して地下牢に入れろ」

マックは安堵感に深いため息をつき、肩をすくめる。

彼が来て数分ですべての状況があっという間に整理されたとは信じられなかった。

 



 

「お、奥様、大丈夫ですか?どこか怪我をしたところでも・・・」

「どういうつもりでここに出てきたの?」

そばに立っていた衛兵に支えられて立ち上がっていたマックは、背中を固く固めた。

頭を上げると、太陽の光に背を向けて馬の上にそびえ立つ彼の姿が見える。

暗い逆光に包まれていたにもかかわらず、彼女は彼の顔に浮かんだ怒りをはっきりと読むことができた。

マックは恐怖で肩をすくめてどもった。

「も、問題が漏れてしまったということで・・・」

「あなたに何ができるというんだ?」

一瞬、全身の血がひんやりと冷えるような気分だった。

マックはショックで青ざめた顔を隠すために慌てて頭を下げる。

去る直前までは、そのように優しく接してくれた人が見せる冷たい視線に、肺からすべての空気が抜けたように息が詰まってきた。

「わ、私は・・・」

自分を守るための言葉を必死に探し回ったが、何も浮かんでこない。

彼の言う通り、自分にできることは何もなかったのだ。

マックは顔を赤らめ,唇をかみしめる。

すると枕元から荒々しい悪口が聞こえてきて、突然彼女の体がさっと空中に浮び上がった。

マックは悲鳴を上げた。

彼女の腰をひったくるように抱き上げ、自分の前に座らせたリプタンが後ろを向いて叫んだ。

「まず城に行く。綺麗に整理しておいて」

それから返事も間かず、雷のように馬を走らせた。

遠く離れた場所に集まって見物していた領地民たちが慌てて道を開ける。

マックは馬の鞍にしがみついて目を閉じた。

腕甲に囲まれた冷たい腕が痛くなるように腰を引き締めてきた。

自分があまりにも前に出てきて、腹が立ったのだろうか。

恐怖心で体が震えてくる。

怒る男は怖い。

大柄な男性が怒りに捕らわれて威嚇すれば、すぐにでも気絶しそうな気がした。

しかし、今彼女が感じる恐怖は、単に暴力に対する恐怖だけではなかった。

あれほど優しく接してくれた人が冷たく急変してしまった姿に、まるで主人の足に蹴られた子犬のように哀れな悲しみが押し寄せた。

自分を嫌わないでほしいという哀願が喉元まで上がった。

マックはマントにぶら下がるように握り締める。

 



 

「降りて」

いつの間にか城の中に入ってきたリプタンが馬から降りてきて手を差し出した。

マックはためらいながら彼の手を握る。

彼は彼女の体を引き寄せて抱き上げ、大またに庭を横切った。

あたふたと飛び出した使用人たちが慌てて彼の前に頭を下げたが、リプタンは彼らには視線も与えなかった。

「タロンを馬小屋に入れろ」

彼は1人の使用人に冷ややかな口調で命令を下し、グレートホールに大股で足を踏み入れる。

マックは頭を上げて彼の表情を見た。

リプタンはここ数週間、凝ったホールをきちんと見回さずに素早く歩いていた。

やっばり頭のてっぺんまで怒ってるんだ。

彼女は乾いた唾を飲み込み、かろうじて口を開いた。

「リ、リプタン・・・、じ、自分の足でい、行きますから・・・」

「黙ってろ」

彼は冷たく吐き出し、じゅうたんの敷かれた階段を上った。

重い鎧を着て長い道のりを走ってきたにもかかわらず、彼からは少しも疲れた様子は見られない。

息の音一つ乱れることなく、あっという間に階段2階を上ったリプタンが部屋の中に入って彼女を降ろした。

マックは不安そうな目で彼を見上げる。

もしかして、自分を体罰しようとしているのだろうか。

しかし、自分は領主の妻として問題を解決しようとしただけだった。

彼女がそのように抗議しようとしたとき、開いた口の中に何かが突然入ってくる。

「・・・っ」

彼女は目を大きく開けた。

鉄製の手袋に包まれた冷たい指が、髪の毛をしっかりと包み込んで、自分の方に傾いた。

彼の不機嫌な唇が彼女の柔らかい唇の上に激しくこすりつけ、口の中に濡れた舌を押し込んだ。

マックは彼の腕をしっかりと掴む。

膨らんだ胸が彼のよろいの上に崩れ、荒々しいあごが口元を痛めるように掃いた。

マックは息を切らしながら震える目で彼を見上げる。

「私が間に合わなかったらどうするつもりなの?」

彼は彼女の頬を両手で庇うように掴んだ。

冷たい金具の感触にマックは首を縮める。

「きゅ、急に・・・、じょ、城門を壊すとは・・・」

「最初からそこに出るべきではなかった!」

彼の声がいっそう荒くなった。

「何があっても、絶対に!絶対に!君の足が危険なところに歩いて出てはいけない。分かった?」

彼女は急いでうなずいた。

その姿に少し落ち着いたのか、彼が肩から力を抜いて長く息を吐く。

リプタンは疲れたようにまっすぐな額を彼女の額にもたれた。

彼の髪はかすかな草の葉の匂いがする。

昨夜、草むらの上で寝ていたのだろうか。

「あなたがそこに座り込んでいるのを見た瞬間、全身の毛が逆さまに立っているようだった・・・」

「ご、ごめんなさい・・・」

ブツブツ言っていた男が再び真剣に眉をひそめる。

「私が急いで走ってこなかったら、もっと大変なことになっていただろう。くそっ・・・」

「お、驚かせて・・・、ほ、本当に・・・、ごめんなさい・・・、ごめんなさい・・・」

リプタンはじっと彼女を見下ろし、腕の内側の結び目のひもをほどき、腕甲とガントレットを脱いで床に投げつけた。

それから彼女の顔を引き寄せてくまなく調べる。

 



 

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