こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は253話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
253話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 治療
「気を緩めるなって!私がタダでおかないと言ったじゃない!」
レンを抱きしめたエレナが喉が裂けるほど泣いたが、彼は微動だにしなかった。
僅かながら呼吸はしているが、それだけだ。
「恩人、まずは身を避けなければなりません」
「お嬢様、レン公子は私たちがお迎えしますので、早く別館に・・・」
「・・・」
今は静かだが、いつまた矢が飛んできてエレナを狙うか分からない状況だ。
レンの命も重要だったが、メイとエミリオにとってはエレナが怪我をしないことが何よりも重要だった。
「レンが先です!このままにしておくと死んでしまいます!」
エレナは切羽詰まっていた。
他の人でもなく自分を守るためにレンが犠牲になったのだ。
時間が経つほど脈拍が弱くなり出血量が増えるのを見ると、レンが死ぬかもしれないという恐怖が押し寄せてきた。
「公子は私がお連れします」
見知らぬ声にエレナは緊張して顔を上げる。
人の気配もなく現れた男を見て、メイとエミリオが警戒した。
「遅滞する時間がありません。今すぐ治療を受けないと危険な状況です」
落ち着いたように見えるが、口の中がカラカラに乾いている男の正体はメルだ。
風のように飛び出したレンを追いかけてきたが、彼が到着した時にはすでに遅かった。
エレナはレンをチラリと見てメルを見る。
メルは黙ってマジェスティの所属であることを象徴する腕のタトゥーを見せた。
「いいえ、許せません」
「L!」
思いもよらない拒絶にメルが顔を顰める。
時間を無駄にするエレナに腹が立ったのだ。
「あなたも、私も同じ考えでしょう。レンを助けなければならない」
「だから私が連れて行くと・・・」
「私に任せてください。最高の医師に治療を任せることができます」
メルは、エレナが最高の医者を連れてくると言って立ち止まる。
急いでレンを助けなければならないという考えだけで、どの医者の元に連れて行くかまでは考えていなかったのだ。
そんな中でもエレナは落ち着いて誰に治療を任せるべきかまで考えが伸びていた。
「レンは私のせいでこうなりました。私はレンの死ぬ姿は死んでも見ることができません」
「・・・」
「だから、別館で治療を受けさせてください。どうか」
かえってエレナの話し方が切実になる。
そんな中でもレンは死にかけていた。
寸刻を争う状況の中で遅滞する暇はない。
「分かりました」
葛藤していたメルが頷く。
優れた実力を持つ医師からの治療を受けた方が良いと判断したのだ。
「今すぐレンを別館に移してください」
「はい」
「そしてメイ、今すぐ行ってネヴィルさんを連れてきて。早く!」
「分かりました!」
不幸中の幸いといえば、天才外科医ネヴィルが今日の討論会に出席し、首都に滞在していた。
またエレナが後援した人物の一人でもある。
(ネヴィルさんならレンを生かせる。できるはず)
メルがレンを別館に移す渦中にも、エレナの視線は一時もレンから離れなかった。
白くなった顔色のレンを見ると、胸が張り裂ける。
「約束します。どうにか生かすと。だから少しだけ耐えてください」
エレナは必死にガイア女神に祈った。
「どうか、レンが無事でありますように」
サロン別館の最上階にある接待用寝室にレンを寝かせたエレナは心配していた。
彼女にできることは、レンの額に溜まった冷や汗を拭いてあげるのが精一杯だった。
「歯を食いしばって耐えてください」
レンに命を託された。
サロンの火災に神経が集中していたため、狙撃を予想できなかった。
レンがいなかったら、今頃エレナはガイア女神の胸で眠っていたかもしれない。
「そうしてこそ私がこの借金を返すじゃないですか。本当に死んだら、タダではおきませんよ」
エレナは本当にレンが死んだらどうしようという不安感に耐えず話しかけ続ける。
「あなたに問い詰めることが多いです。私を虐めたことをちゃんと謝らなかったし」
レンの体が震える。
まるでエレナの指摘にビクッとしたかのように。
しかし、現実は背中に刺さった矢じりが招いた苦痛に身を委ねることだった。
「恩人」
レンの枕元を離れないエレナに、しばらく席を外していたエミリオが声をかける。
「本館側の炎の鎮火に成功したようです」
「被害は?」
「思ったより大きくないと思います。まもなくランドール様が到着するそうですので、把握してから措置いたします」
エレナはレンから視線を離すことができず、うなずいて返事をした。
サロンがどれだけ大切だと言っても修理すればいい。
最悪の場合、建て直せばいい。
しかし、人は死んだら再び生かすことはできない。
それがレンの犠牲に彼女がイライラしている理由だった。
レンの容態が心配ですね。
早くネヴィル医師は到着しないのでしょうか?
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