こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は234話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
234話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 嵐の前触れ②
日が昇って日が変わった。
明け方まで小雨が降ったため、地面にはしっとりとした水気が染み込んでいた。
昨日の早期終結の公聴会は今日の午後に再開される予定だ。
ノエルは今日も一人で部屋に閉じこもっている。
昨日の乱暴な行動のために彼の部屋のドアの前に立った人の数は増えた。
事実聴聞会以後、ノエルがニックスを探して部屋を抜け出そうと試みたことが数回あったためでもある。
決まった時間になると、彼の部屋に昼食が届けられた。
しかし、ノエルはそこに少しも手をつけなかった。
いらいらして爪をかみちぎると、パチパチという音が静かな部屋の中に小さく響く。
「ニックス・・・」
ノエルの焦りは昨日、大会議場でニックスを見てからピークに達した。
聴聞会のようなものは、昔も今も依然として彼の眼中にない。
「ニックスに会わなければならない。それなのに、どうして・・・、なんで邪魔するんだろう」
ニックスは私のものなのに。
ダンテを生かすためにはニックスが必要だ。
そもそもそうするために、このユグドラシルに来たんだけど。
しかし、すでに奪われたニックスを再び手に入れるのはダンテの言葉通り簡単ではなかった。
そのため、ダンテも生きている時、あれこれ対策を準備したのではないか。
もちろんそれはダンテが死んでから全て失敗に終わってしまい、ノエルは当時ニックスとルナの空席に傷心して泣くためにダンテの言葉を全て間き流し、彼が計画したことが何なのか分からなかった。
ただ、自分がノエル・ベルティウムだからこそできることはある。
しかし、これが得意なことなのかは確信がなく、ベルティウムを離れてからノエルは日々苛立たしくなった。
しかし、彼によくやったと褒めてくれる人も、これが何の変哲もないことだと非難する人も、今はそばにいなかった。
ノエルはボロボロになった爪を再びかみちぎる。
「ダンテ・・・、ニックス・・・・」
そうだ・・・、とりあえずニックスだけ手に入れればいい。
今はそれ以外には何も重要ではなかった。
血が滲んだ指をくわえたノエルの目に狂気と似た薄暗い光が広がる。
昨日の大会議場での出来事で、ユグドラシルに集まった人々の雰囲気は一層騒然となった。
その中心にあるのは当然アグリッチェ。
人々はアグリチェの人々の姿が見える時には、彼ら同士で頭を突き合わせて何かささやいた。
彼らが目に入らない時も同じ。
当然、他の家門でアグリチェに対する態度が一日で大きく変わったわけではないので、人々は依然としてアグリチェに先に生半可に近寄らなかった。
しかし、以前のように露骨に反感を示し、排斥する雰囲気はやや薄くなった状態だった。
そんな中、アグリチェの「ア」の字が出るだけでも、特に顔色が悪くなる3人がいた。
彼らの共通点は、この前アグリッチェの兄妹たちと賭け事をしてカード遊びをしたフィペリオンの人たちだという点。
あれ以来、彼らは神経質になっていた。
他人に話しにくい奇妙なことが彼らに毎日のように繰り返されていたためだ。
それはいつも彼らが眠っている間に起こったので、朝になるたびに緊張して周りを見回すのが日課になった。
最初は部屋の中にある物の位置や状態が巧妙に変わった。
朝、目を覚ましたら、確かに昨夜は、何ともなく壁にかかっていた燭台のろうそくが、腰からばっさりと割れて床に落ちていたり、花瓶におとなしく刺さっていた花が、夜のうちに全部剥がれているなどのことが何度も繰り返された。
寝る前にベッドの横に脱いでおいた室内用の靴が、なぜか手や足に挟まっている時も。
最初は本当に些細で小さいと言えるということだったので、自らの物忘れを疑った。
だが、そのような異常現象が日々繰り返され、またますます距離を縮めてくると、それが偶然ではないという事実に気づくほかはなかった。
単体で夢遊病でも発生したのでない限り、寝ている間に爪に色とりどりの染料を塗っておくことはあり得ないのではないか?
そのような奇妙なことを毎日のように経験した3人は、当然背筋がぞっとするのを感じざるを得なかった。
使用人を駆り立てて何度も部屋を変えてもそんな変なことは疲れないで、いつも彼らについてくる。
部屋のドアを何重にも徹底的に閉めても同じ。
むしろからかうかのように、犯人はドアの鍵を開けて眠っている彼らのパジャマのポケットの中に入れておいて行くことまでした。
フィペリオンの3人は、そのようなことをするに値する人が誰なのか知っていた。
これはきっと腹黒いカラスのようなアグリッチェの仕業に違いない。
しかし、これまで毎日やられたことというのはどこは行って話すのも曖昧なことばかりであるうえに、また彼らが犯人だという物証もなかったために日々気をもんでいく実情だ。
そのため、彼らは皆、かなりの睡眠不足と心身疲労に苦しんでいた。
みんなの話題のベルティウムの人形と聴間会に関心を持つ余裕もなかった。
昨夜も3人は、いつあいつらが来るか分からないという圧迫感に目を覚まして夜を明かしたが、結局疲れに勝てず、うっかり居眠りしてしまった。
そうするうちに、ばっと目が覚めた後、まるで葬式でも行うようにベッドの上にたくさん散らばった白い花々を発見したことで鳥肌が立つ朝を迎える。
それで一人はこれ以上耐えられないとして最初から医務室に休息を取りに行った状態であり、残りの2人は自尊心のためにもアグリチェに屈しない姿を見せるために元気なふりをしてお茶会に参加した状況だった。
「ううっ・・・、お腹、お腹が・・・! 」
そうしているうちの1人が突然お腹をつかんで席から倒れる。
「デュラン・・・!」
当然、庭はすぐに騒がしくなった。
「えっ、どうしたんですか?」
「急に倒れました!早く医者を・・・!」
周囲にいた人々が驚いて押し寄せる。
そのうちの一人は特に近づいてきて倒れた人の安否を尋ねた。
「なんてことだ。大丈夫ですか!?」
よりによってそれはアグリチェの人であり、これまでやられたことがあるフィペリオンの三人組の一人は、目がひっくり返って前に手を伸ばしてくる人を厳しく押しのける。
「触るな!」
「あっ!」
他の人たちは、フィペリオンが見せた乱暴な姿に驚く。
「どうしたんですか?私はただ心配になってそうしただけなのに」
「嘘つくな!私たちを殺そうと車に毒を盛ったのはお前らじゃないか!」
「あらっ!それはどういうことですか?」
庭に響き渡るほど鋭い一喝に、少し前より一層当惑した反問が続いた。
しかし、フィペリオンの立場では憎らしいだけ。
この邪悪なアグリチェのやつらが今や毒殺まで試みたことは明らかだった。
そうでなければ、なぜデュランがこんなに急に苦痛を訴えて倒れる?
毒と言われた周りの他の人たちも驚いて息を吸い込んだ。
中には自分の前に置かれた茶碗を慌てて確認したり、すでに飲んだものを吐き出そうとする人も。
「とんでもない。どうしてそんな濡れ衣を着せられ・・・!」
「これまで毎日、私たちに理由もなく文句を言ってきただけでも足りないんですか?」
「本当にもう我慢できない!人を見くびっているのも程がある・・・!」
その場にいたアグリッチェの人々は、これ以上は我慢できないようにむっとして激しく持ち上げ起きた。
「最初に会った時からそんなに私たちを目の敵にして、事あるごとに横転していたのに、今度も私たちに濡れ衣を着せるために、フィペリオンで仕立てたことじゃないの?」
「え!?私たちがアグリチェだと思ってるの?」
「私たちが何をしたって!フィペリオンこそこの前もそうだったじゃないか!」
その時、庭の入り口の方から誰かの低い声が流れる。
「アグリチェがお茶に毒を入れたなんて」
医務室に行った使用人たちと医院を連れて現れたのは、冷たく固い顔をしたジェレミーだった。
「アグリチェの首長として、そんな発言は軽く聞き流すことはできないね」
フィペリオンの3人に嫌がらせをした人物は?
確実にアグリチェに恨みを持っている人物でしょう。
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