幼馴染が私を殺そうとしてきます

幼馴染が私を殺そうとしてきます【78話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼馴染が私を殺そうとしてきます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼馴染が私を殺そうとしてきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

78話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 予想もしていない再会

一方、最初の場所に戻っていくレリアとグリフィスの後ろ姿を見つめている人がいた。

ルートだった。

「……」

彼は緊張した人のように唇を噛みしめた。

妙に心が不安で、気が狂いそうだった。

この不安感は少し前、皇后が突然ロミオとカーリクスを呼んだという話を聞いてから生じたものだった。

実は皇后は、数日前のティーパーティーに招待していた貴婦人たちの前でこう言ったという。

ユリアナ皇女に最高の新郎候補を探してやると。

そこでその噂を聞いた皇后によく見られようとする男の貴族たちがあふれていた。

「チッ….」

ルートはユリアナ皇女と直接約束までしておいたが、それでも心が落ち着かなかった。

他の者たちはせいぜいミダリレベルで簡単にあしらえるが、ロミオやカーリクスのような連中は無視できなかった。

彼らは同じ男の自分から見てもハンサムな者たちだったのだから。

とにかく、その話を聞いて苛立ち、皇城のあちこちをぶらぶらしていた。

もしかしたら皇子たちから助言を得られるかもしれないと思い、皇子宮へ向かった。

すると奇妙な場面を目撃した。レイモンド卿を前に、皇子たちが2対1の対決をしているのを。

「な、なんだあれは…!」

とても不愉快な出来事だった。

レイモンド卿はどう見ても顔色が青ざめており、争いになるとは思っていなかったことが明らかだった。

『そんな人物を連れて二人で一緒に攻撃するなんて……』

皇子たちに好印象を与えることも大事だが、レイモンド卿との友情を無視することはできなかった。

ルートは我慢できず止めに出ようとした。

そのとき、突然グリフィスが現れた。

ルートの心臓はドキリと音を立てた。

『よりによってこんな場面でグリフィスまで現れるとは……』

グリフィスこそ、皇后が強く望んだ最高の花婿候補の一人。

ルートの頭の中は混乱でいっぱいになった。

ありとあらゆる妄想が浮かんできた。

グリフィス、ロミオ、カーリクス、そして今はアウラリアにいないオスカーまでも。

みんなユリアナ皇女の愛を巡って自分と競い合うという妄想だった。

グリフィスについて行った先は処刑場の前だった。

「グリフィスも皇城に滞在してるのか?」

尋ねようとしたその時、グリフィスはロミオの部屋にすっと入ってしまった。

ついて入ろうとしたが、鼻先で容赦なくバン!と扉が閉まり、それ以上はどうすることもできなかった。

結局ここに来るまでの間、ぼんやりしてはいたが、一言も話しかけられずにいた。

グリフィスは最初からレリアに話しかけるつもりなどなかったようだった。

「……」

レリアは気まずそうにドアの前に立った。

グリフィスに再会できて嬉しかったし、助けてくれたこともありがたかった。

『ありがとうって言えなかったな……』

正直に言えば、グリフィスが代わりに皇子たちを殴ってくれたときは胸がすっとした。

血を流すことになった彼らを見て、申し訳なく思いながらも内心すっきりしたなんて、母が知ったら悲しむことだろう。

でもどうしようもなかった。

血がつながっていると思うと、すべてが家族のように感じられて切なかった。

『それにしても、グリフィスって奴は神聖力を持ってるくせに、ただ殴り合いばっかしてたのか?』

剣術でもないのに、なんであんなに拳での戦いが上手いんだ?

レリアはそんなことを笑いながら、自分の部屋へと向かった。

 



 

少し時間が経ったあと。

レリアは着替えを終え、ロミオの部屋の前に立った。

ノックしようかどうか迷っていたその時だった。

「そこで何してるの?」

廊下の端からロミオが歩いてくるのが見えた。

その後ろには、カツカツと音を立てて歩くカーリクスもいた。

レリアは二人を見つけると、すぐに彼らのもとへ駆け寄った。

「お二人とも、どこへ行ってたんですか? さっきから探してたんですよ……」

「マリアン皇后が使いをよこしたんだ。俺たちに話があるってさ。」

「…皇后陛下が?なぜですか?」

「それは分からない。呼びつけておいて特に変なことは言わなかったけど。」

疑っていたレリアはその言葉にうなずいた。

今はそれが重要ではなかった。

「今、ロミオ様の部屋の中にグリフィス様が……」

「聞いたよ。ペルセウス皇帝に挨拶して、こっちに来たらしいな。」

ロミオは口の端を上げて部屋のドアを勢いよく開けた。

レリアはカーリクスと一緒にその後ろについて入っていった。

しかしレリアはすぐに目のやり場に困った。

グリフィスは応接室のソファに座り、テーブルの上に足を投げ出していた。

上着を脱いだままである。

さらにはその姿勢で酒まで飲んでいた。

どう見ても強そうな酒を、まるで何でもないようにぐいっと飲み干しながら、ロミオとカーリクスを見つめていた。

「思ったより遅かったな。」

ロミオはそう言いながら、グリフィスの向かいに座った。

カーリクスもその隣に座っていた。

レリアだけがどうすればいいのか分からず、戸惑ってぼんやり立っていた。

するとカーリクスが手で斜め方向のソファを指して、座れという意味を示した。

今の状況では誰よりもカーリクスの好感度が大事だったので、レリアは彼の言葉に従った。

「………」

しかしグリフィスの方を向くのは気まずくて、目をそらしてばかりいた。

そもそもなぜ服を脱いでいるのか。

しかもシャワーを浴びて間もないのか、髪の先が濡れていた。

幼い頃に仲の良かった友人たちが「大人の男性」になったと実感したときの気持ちは、なんとも妙だ。

なんだか落ち着かないし、不便だし、緊張もするし……まさに今がそうだった。

そんな中、三人は何度か言葉を交わした。

レリアには到底理解できない、皇帝に関する話だった。

「それにしても、あいつなんであんなにくっついてるの?なんであんなに皇子たちにまとわりついてたの?」

そのとき、グリフィスが酒の杯を持った手でレリアの顔を隠しながら問いかけてきた。

出発するときまではドレス姿だったレリアが、皇城で男装していることを怪しんだようだった。

──それにしても、どうやって自分だってわかったんだろう?

そんなにバレバレだった?

レリアは戸惑いながら自分の頬をそっと触った。

「誰が誰に殴りかかったって?」

「アイツ。セドリックとデミアンの二人に。」

カーリクスが尋ねると、グリフィスは親切に一つひとつ説明してくれた。

「殴り合いになっていたんだ。」

「え?殴り合い?」

カーリクスは呆れたように大きく息をつき、レリアを見つめた。

「その小さな拳で殴り合いなんてできるの? 君、巻き込まれて帰ってきたんじゃないの?顔がぽかんとして見えるけど?」

カーリクスがくすくす笑うと、グリフィスはその様子をじっと見ていた目をロミオへと向けた。

何があったのか説明が必要だった。

ロミオは肩をすくめた。

「実の兄妹みたいに思われてるんだってさ。『レオ』の弟だから。」

「…弟?何の冗談だ?」

グリフィスの眉間にしわが寄った。

レリアは自分がレオと親しかった“妹”だとはっきり言ったはずだった。

なのにどうして“弟”なんだ?

その間、カーリクスはレリアのあごをつかみ、頬を左、右と動かしながら傷がないか確認した。

「ケガはないな?お前、ちゃんと殴れるんだな?それにしても、どうやってあいつらと対等に戦ったんだ?根性だけはあるな?まったく、お前ってやつは…」

ケガをしていないことを確認して安心したのか、カーリクスはレリアの背中を軽く叩きながらくすくす笑った。

おかしいと感じている様子だった。

グリフィスはその様子を呆れたように見てから、口を開いた。

「セドリック、デミアン、あの二人と2対1でやり合ってたんだ。殴られそうになってたから治療してあげて、代わりに俺が二人まとめてぶっ飛ばしてやった。」

「なにっ?」

カーリクスはその言葉を聞くや否や、勢いよく立ち上がった。

「正気じゃないのか?どこでそんな卑怯なことを!おい、その野郎たちはどこだ! よくも俺の弟を殴りやがって!」

「俺に殴られたくて行ったんだろ。」

なんだかんだと気の抜けた会話に、レリアは少し緊張がほぐれてきたようだった。

グリフィスもあまりに変わってしまっていて、最初はよそよそしく感じられたが、こうして話してみると、昔の面影がまだ残っていた。

カーリクスはその言葉にさえも怒ったようにぶつぶつ言っていた。

ロミオがその腕を引っ張って座らせた。

「もちろん治療はしてくれたんだろうな?」

ロミオが目を細めて聞いた。

これ以上騒ぎを起こすなという合図だった。

グリフィスは当然だと言わんばかりに、つまみをいじりながらうなずいた。

レリアは、親しげに見える三人を見て、羨ましいと感じた。

『私にも実力があって、友達と一緒に光龍特別隊に参加していたら、今ごろこの三人のように親しくなれていたかもしれないのに。』

そして同時に、幼かった頃の思い出が蘇り、胸が締めつけられるような気持ちになった。

グリフィスが尋ねた。

「妹とか弟って、それって一体何の冗談だ?ロミオの親戚の弟だって話を皇城で聞いたけど、それに合わせて話をでっち上げてるってことか?」

どうやら状況をある程度は聞きかじっていたようだった。

レリアは心の中でつまみをいじりながら納得した。

その言葉に、さっきまでブツブツ文句を言っていたカーリクスが急に表情を変え、口を開いた。

とても楽しそうな顔だった。

「俺、見たんだ!こいつ、本当に男だぞ!」

「……っ!」

レリアは驚いて目を大きく見開いた。

その言葉に、グリフィスの眉がピクリと動いた。

ついさっきまで“女”だったはずの子が、いきなり“男”だって?本当に男?

たちまち冷たい表情に変わったグリフィスの視線がレリアに向けられた。

その目には疑いと不信が満ちていた。

レリアは弁明すらできなかった。

そんな中、カーリクスは興奮気味に自分の前腕を差し出した。

レリアは思わず目をぱちぱちさせた。

一体何の話をしようとしているのか、どうして腕を差し出すのか?

「俺がさ…見たんだ。これくらい?俺とちょっと似てる。男の中の男だよ。」

カーリクスの言葉に、グリフィスは呆れたように鋭い視線を送った。

レリアは言葉を失った。

今カーリクスが言ってるのは、たぶんあれ…その…あれのことだよね?

とんでもない話だった。

自分にはそんなものないのに、カーリクスの前腕ほどの大きさだなんて?

最初から無理じゃない?

カーリクス、頭おかしいの?

レリアはぱっと何かを思い出した。

ペルセウス皇帝に使用されたあの薬!

「もしかして、私が廃位を申し出たときにこっそり見たんですか?」

「うん?うん。朝のドアが開いていたし、ちょっと気になることがあって見ただけ。」

「………」

レリアの目の前が暗くなった。

まさか、そうだとしたら――

『ペルセウス皇帝が見た幻も同じものだったんじゃ…?』

その薬は幻を見せ、相手を錯覚させる薬だった。

もしカーリクスが見た幻を皇帝も見ていたとしたら――

『女だと疑われて、ズボンを下ろして見せたって話だけど。皇帝の前で……。』

ペルセウス皇帝の蒼白だった顔が思い浮かぶと、頭が痛くなった。

カーリクスは気の毒そうにレリアの背中をポンポンと叩いた。

「わかるよ。そういうこともあるさ。どれだけ心が辛かったか。だけどお前さ…それって急に生えたのか?それとも最初から男だったのをお母さんが隠してたのか?」

カーリクスは一人で想像を膨らませながら、レリアを見つめた。

レリアは何を言われているのか分からず戸惑っていたが、すぐに理解した。

『…今からでもきちんと言わなきゃいけないの?』

だが、そんな薬があり、それを使ったと知られたら、ロミオやグリフィスは間違いなく怪しむに違いない。

髪や瞳の色を変えたのとはレベルが違う問題だ。

ゲームのアイテムだと言っても、説明できるわけがないし…。

レリアは結局、つまみをいじり続けることにした。

いずれ禁呪を解いた後、誤解を解いて一緒に話せばいい。

今はこの場をうまく切り抜けよう。

「…はい、弟のほうです。」

どう考えても妹のほうでは…無理がある。

その言葉にカリクスは短く乱暴な悪態をついた。

「おい…マジでお前…すげぇな。じゃあそれつけたままドレス着て女のふりしてたってわけかよ。あれか? どれだけ不便だったんだ?その大きさならかなり不便だっただろうに。いや、むしろ楽だった?スカートがふわっとしてたから?」

カーリクスは一人でぶつぶつと喋り続けていた。

そして「大変だったな」と言いながらレリアの後頭部を撫でた。

手つきが荒くて叩いているのか撫でているのか分からなかったが…。

そんなカーリクスとは対照的に、グリフィスは無表情だった。

レリアはグリフィスの表情をうかがいながら言った。

「その…さっきは助けてくださって、ありがとうございました。」

「…別に。」

そっけない返事が返ってきたが、レリアはどうしても気になっていたことを聞こうと思った。

どうして自分が皇宮にいることを知っていたのか、ということだ。

しかし、レリアが尋ねる前にロミオが口を開いた。

「ってか、お前どうやってあいつがそこにいるってわかったんだ?」

「…道を間違えて。」

グリフィスは平然と答えた。

ロミオはそんなことだろうと思ったように鼻で笑った。

「侍従たちは?」

「案内すると言ってきたけど、断った。」

そういえば、子供の頃からグリフィスは道を覚えるのが少し苦手だった気がする。

レリアは吹き出しそうになるのを必死にこらえた。

「神殿の件は?うまく解決できたの?」

ロミオがもう一度尋ねると、グリフィスはこくりとうなずいて立ち上がった。

レリアは奥の部屋に向かうグリフィスを目で追いかけた。

そして驚いた。

グリフィスの広い背中には、思わず息をのむほどの筋肉が浮かび上がっていた。

しかし驚いたのはそれが理由ではなかった。

グリフィスの背中には奇妙な刺青が刻まれていたのだ。

『何の海賊でもないのに、なぜあんな刺青が……?』

驚いてロミオとカーリクスを見ると、カーリクスは「それか」と言って説明した。

「アイツな、戦闘で背中に大きな傷を負ったんだ。その傷を隠すために刺青を入れたんだよ。塔の上で紋章を刻めるやつがいたらしい。」

「…あ。」

レリアは呆れたように、つまみをいじった。

グリフィスと紋章だなんて。

それも、海賊か魔術で刻んだような無骨で荒々しい感じの紋章だった。

神聖力を持つ彼とはまったく結びつかない印象だった。

実のところ、グリフィスは幼い頃からそうだった。

いつも真面目で模範的なイメージ。

明るい栗色の髪に、いつも冷静で、声や表情にも節度があり、神聖力の影響か、どこか神々しさすら感じられた。

──でも、大人になって再会したグリフィスは少し違っていた。

並外れた格闘の実力に、毒まで使いこなすというのだから。

酒に、刺青まで。

まるで真面目な使徒がヤクザにでもなった姿を目撃したような気分だった。

変な気持ちでそわそわしていたところ、部屋に入っていたグリフィスが何かを手にして出てきた。

『服、着てよ……』

彼はまだ上着を脱いだままだった。

文句を言いたかったが、ぐっと我慢して視線を落とした。

どうせカーリクスの前腕くらいのものを見せられた今、男として見てしまった以上、気まずさをどうしようもなかった。

テーブルの前にやってきたグリフィスは、手に持っていた何かをトンと置いて、再び席に着いた。

「はっ!」

レリアは彼がテーブルの上に置いたものを見て、驚いて口を手でふさいだ。

「これが何か分かるか?」

レリアの反応に、カーリクスが不思議そうに尋ねた。

「…あ、いえ。ただちょっと驚いただけ。」

「お、剣に驚いたのか?お前、家の中のやつのくせに、なんでそんなに臆病なんだ?レオとは違ってさ。」

カーリクスはレリアの背中を冗談めかしくぽんと叩いた。

「……」

たぶん明日には背中にアザができるに違いない。

でも今はそんなことはどうでもよかった。

グリフィスがテーブルの上に無造作に置いたもの──それは間違いなく……

『クロイツの聖剣に違いない。』

白と金で装飾されたその剣は、ひと目見ただけでも神聖な雰囲気を放っていた。

剣を知らない者でも、あれがとても古くて立派な聖剣であることは直感できるだろう。

レリアは祖父からいろいろと学んだとき、神殿に関することも習ったことがあった。

だから、本で絵として見たことのある聖剣を識別できたのだ。

『もちろん原作のおかげで、グリフィスが聖剣の主人になることは知っていたけど……。』

クロイツの聖剣は、神殿における最大の宝物の一つだった。

女神ヘルナの加護を受けた特別な聖皇が持つ剣であり、それを超えるほどの神聖さを持つ者だけが抜くことができると伝えられていた。

そして歴代の聖皇の中で、その聖剣を抜いた者は一人もいなかった。

レリアは感嘆の眼差しでグリフィスを見つめた。

とんでもないことを成し遂げた友人が誇らしく、尊敬の気持ちでいっぱいだった。

だが、グリフィスの表情はひどく暗かった。

「これは偽物だ。」

「やっぱり。」

ロミオは予想していたというように言った。

レリアが困惑して目をパチパチさせると、ロミオが優しく説明してくれた。

「神殿はこの剣を次の聖皇として立てるための道具にしたいんだ。だから本物は隠して、偽物の聖剣を渡して、“次の聖剣の持ち主が現れた”って思わせたってわけ。」

ロミオの言葉に、グリフィスは冷ややかな態度で口をはさんだ。

「アイツにそこまで説明しなきゃならないのか?」

「…カーリクスが、これからは自分の弟だって言ってるじゃないか。」

レリアは唇を噛みしめた。今さら口を挟みたかったけど、そうすることはできなかった。

『グリフィスは私のこと、好きじゃないみたいね。』

そんなふうに突き放すような雰囲気を隠そうともしていない態度だった。

『じゃあ、さっき助けてくれたのって、レオの妹だと思ったから?』

妹だと思ってたときは平気だったのに、弟だと思った瞬間に急に嫌いになったってこと?

レリアがあれこれ頭をめぐらせているうちに、三人は神殿に関する話を始めていた。

広域の反乱が終わった後、神殿は各帝国に影響力を及ぼすために、このような裏の工作を進めていた。

レリアは黙って話を聞きながら、口をしっかり閉じていた。

そして会話の最後の話題は「オスカー」に移った。

「ところで、オスカーはいつ来るの?」

「それが、連絡がないんだ。」

ロミオは、どういうわけかしばらく前からオスカーと連絡が取れないと心配そうに言った。

その言葉に、レリアの顔にも不安が広がった。

『オスカーと連絡が取れないなんて。』

レリアの脳裏には、まだ雨を怖がっていた頃の幼いオスカーの姿が浮かんだ。

もちろん最後に会った時は……とても怖かった。

でも、かつては可愛くて綺麗だったオスカーが、あんなふうに変わるとは想像もしなかった。

もちろん今でも驚くほど美しい容姿ではあったが、冷たすぎるのが問題だった。

まあ、祖国に戻った後も皇帝に虐げられていたのなら、仕方のないことではある。

オスカーのことを思うと、胸がひりひりと痛んだ。

『でも、もうグリフィスまで来たんだから、オスカーもすぐ来るだろう。』

オスカーが到着すれば、またしばらく別れとなる。

すでに胸がぽっかりと寂しかった。

『領地の仕事を片付けて、必ずまた会いに行こう。』

レリアはそう心に誓った。

──しかし、思ったよりも早く、オスカーとの再会は訪れた。

しかも、まったく予想もしていなかった形で。

 



 

 

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