影の皇妃

影の皇妃【34話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「影の皇妃」を紹介させていただきます。

今回は34をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。

皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。

そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!

自分を陥れた大公家への復讐を誓い…

エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。

リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。

フランツェ大公:ベロニカの父親。

クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。

イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。

レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。

フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。

ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。

アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。

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34話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 私の朝

「全員、入ってちょうだい」

ルナリン、ジェシー、アン、メイが一列に並んだ。

「アンとメイは私と一緒に学術院に行くことになったわ。それを承知しておいてね」

アンは喜びを隠そうとして唇をピクピク動かしていた。

メイは複雑な表情を浮かべているが、彼女が何を考えているかまでは分からない。

「皆出ていって。メイはここに残ってちょうだい」

3人の侍女を追い出すと、部屋の中にはエレナとメイだけに。

重い静寂を打ち破ったのはエレナ。

「まだ決めていないの?」

「・・・」

黙っているメイを見て大きく笑う。

あの日、彼女は選択出来なかった。

常識や偏見を破るエレナの提案に正常な判断を下すことが出来なかったのだ。

エレナは考える時間を与えると言って、彼女を部屋から追い出した。

メイは部屋を出てから、ようやく父親を殺そうとした人物をその娘が協力するという事を実感する。

それは受け入れ難い衝撃だった。

なぜ親を殺そうとする者を放置するのだろうか?

むしろ・・・。

(公女殿下の口ぶりには憎悪が込められていたわ)

メイはエレナと自分の会話を何度も繰り返した。

そして、今日はこれまでの悩みに対する答えを聞くはずだったのに・・・。

「まだ決断できていないようね。分かったわ、一緒に学術院に行くことになったから返事はゆっくり待つことにするわね」

「・・・」

「でも、これだけは刻んでおいてね。私が抱いている憎悪は、決してあなたに劣らないという事を。出て行ってちょうだい」

外に出ろと言ったにもかかわらず、メイはその場から動かなかった。

「・・・さっぱり分かりません。公女殿下がどのような人なのか。何故こんな事を言うのか。なぜ私をそばに置いているのか」

彼女の口から溢れた言葉には、彼女の混乱した心情がそのまま込められていた。

エレナはメイに負担をかけないように優しく微笑む。

「焦る必要はないわ。あなたは、あなたの目で私を判断すればいいだけよ」

急かせるよりも、彼女が自ら近づいてくれるのを待つ。

学術院ではやるべき事が多い。

自分の手足になってくれる人物が不可欠なのだ。

時間をかけてでも、自分がメイの数少ない同志だという事をしっかりと認識し、差し出した手を握るのを待った。

選択できなかったメイは挨拶をしてから部屋を出る。

エレナは窓際に座り、窓を開けて満月の光を見上げる。

「あの月が暮れたら・・・」

手を伸ばし、月光を掴むように拳を握りしめる。

「私の朝が来るわ」

 



 

  • 前世の想い

大公家本館前。

学術院に向かうエレナを見送るために、家族全員が集まった。

互いに優しい親子関係を演じる二人に、何も知らない侍女たちは目頭を熱くする。

「リブ、行ってきます」

「いっそう知的なレディーとして生まれ変わることを期待しております、公女殿下」

「ご期待に添うよう努力します」

帝国の首都外部に位置する学術院まで約2時間。

エレナは学術院での事を思い浮かべる。

一番最初に思い浮かべる人物はレンだった。

どのような形であれ、彼とは絡み合う可能性が高いだろう。

彼はベロニカを虐めることを人生の楽しみと考えている人なのだから。

そして・・・。

「シアン」

一時、自分の命よりも愛した皇帝であり、夫。

出来れば彼には会いたくなかった。

彼を見るということ自体が傷が暴くのだから。

(けれど、私の思い通りにはならないだろう)

偶然に遭遇しても知らないふりをする。

お互いに傷つけ合うのは前世だけでいい。

 



 

  • メイへの仕事依頼

エレナが決心した頃、馬車は学術院に到着した。

見慣れた光景。

寮に到着すると、待機していたヒュレルバードの手を取って馬車を降りる。

二人の侍女が荷物を運び始め、ヒュレルバードは周辺の環境を把握していた。

エレナは気になる箇所を整理して2階の寝室に上がった。

「近いうちにお客様が大勢来るでしょう。おもてなしに落ち度がないようにしてね。アンは特に茶葉に気を使いなさい。先輩のあなたが模範を見せれば、メイも上手に真似できるのではないかしら?」

「もちろんです。私だけを信じてください、お嬢様」

アンは模範という言葉を聞いて明るくなる。

エレナは自分の手を使わずにアンを鍛えるつもりだ。

メイを利用して。

今は息を殺しているが、彼女は猛毒を抱えた毒蛇。

「アン、1階に降りて部屋を片付けなさい」

「はい!公女殿下!」

アンが寝室を出た後、エレナは引き出しの宝石箱を取り出す。

「メイ、あなたにはお使いを任せるわ」

エメラルドのブローチを差し出す。

「学館に行って考古学部の1年生のルシアという学生が在学中なのか調べなさい。もし在学中であるなら、これを渡してちょうだい」

「公女殿下・・・?」

「もう一つ覚えておいて。これはアンには絶対に気付かれないように。これからもずっと。分かった?」

メイは言葉なくうなずいた。

少しずつ素顔が見えてきた。

彼女を外に出すと、エレナは寝そべるようにベッドに横になる。

「ちょっと休憩」

馬車に乗って移動中に溜まった疲労感のためか、すぐに眠りに落ちた。

 



 

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