こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は173話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
173話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side リアブリック③
皇居近衛隊員が礼を尽くして執務室を退出する。
リアブリックはアディールとルミナスを呼んで今の話を伝え、皇室に植えた密偵を利用してシアンを監視するように指示を出した。
「学術院の剣術祭優勝の時からずっと気になっていました。万年最下位だった方がレン公子を破って優勝したということ自体が偶然の勝利ではないでしょうから」
「皇太子妃選出式も何かおかしいです。ほんの少し前までは皇室に急ぐそぶりは見られませんでした。目的があるのは確かです」
リアブリックは込み上げてくる頭痛で額を抑える。
ただでさえ処理すべき事案が多いのに、皇室とシアンの行動まで気にしなければならないのだから。
「皇室のことはルミナスに委任するわ。変な気配を見つけたら、すぐに報告をしなさい」
「分かりました」
リアブリックの視線がアディールの方へ。
「調査の結果は?」
「学術院在学中ずっと仲が良くなかったそうです。レン公子が一方的に喧嘩を持ちかけ、公女殿下も対抗しましたが、やられる事も多かったそうです」
リアブリックの目つきが変わる。
何か糸口を掴んだような気がした。
「そうなの?」
「はい、ある種の関係があると思うにはどうも・・・」
アディールは陰口を飲み込む。
状況上は疑わしいが、レンとエレナが特別な関係だと考えるには困難が伴うのが事実。
しかし、リアブリックはそうは思わなかった。
(いい加減に断定することではないわ)
しばらく悩んでいたリアブリックが椅子から立ち上がる。
内心で引っかかることがあったのだ。
「公女に確かめることがあるわ」
執務室を出たリアブリックが応接室に向かう。
ドアを開けて入るとテラスに座ってティータイムを楽しんでいるエレナが見えた。
「リブ!」
エレナが声をかけると、リアブリックは軽く頭を下げて、その後椅子に座る。
「1次競合の結果は出ましたか?さっき皇室から人が訪れていたようですが・・・」
「ええ、出ましたよ」
「ど、どうなりましたか?」
リアブリックが焦燥感に満ちた表情を浮かべるエレナを観察する。
緊張している彼女を見ていると、彼女がどれほど皇太子妃にかける期待が大きいのか見当がついた。
「はい、2次競合に進出しました。それも首席で」
「首席?本当ですか?」
エレナは胸に手を置き深呼吸をする。
目つきと表情から胸いっぱいの感動がそのまま感じられた。
「緊張を解かずに2回目の競合の準備をしてくださいね」
「心配しないで、リブ。あなたを失望させることがないようにします」
エレナを見るリアブリックの目つきが薄れていく。
実際、この反応は当然なのかもしれない。
皇太子妃になれなかったら、彼女の両親の面倒を見る理由がないという雰囲気を密かに漂わせたからだ。
それを考えると、エレナは言うことを忠実に聞く人形に過ぎない。
何かを計画する度胸も頭もなさそうに見えた。
「そういえば公女と長く話を交わしていない気がします。お茶をいただけますか?」
「嬉しいです。リブと頻繁に会えなくて残念だと思っていたところでしたから」
リアブリックはこれまでの安否を尋ねながら余談を交わした。
雰囲気がある程度熟していくと、エレナを訪ねてきた本題を取り出すことに。
「晩餐の時もですし、レン公子のせいで大変困りましたよね?」
「いいえ、私が足りないからです」
エレナは苦笑いを浮かべる、作り笑いの。
「学術院ではどうでしたか?たびたび出くわしたでしょう?」
「学術院ですか?」
反問するエレナの頭の中はいつにも増して冷たく理性的に変わる。
彼女の五感が危険信号を送ったからだ。
(私とレンの関係を疑っている?)
リアブリックは意味のない言葉を無駄に吐き出す性格ではない。
彼女の余談は何かを突き止めるための誘導質問の可能性が高い。
「・・・正直に言ってもいいのですか?」
「もちろん。私に率直でなければ誰に率直に言うのですか?」
リアブリックは慈愛に満ちた笑みを浮かべる。
憎たらしくて鼻持ちならない微笑。
「大陸史の授業を一緒に受けました」
「静かに過ごすのは簡単ではなかったでしょうね」
「正直、大変でした。少し、いや、たくさん・・・」
「どうして私に言わなかったのですか?レン公子といっても公女に無闇に手を出してはいけない立場なのに。私に言ってくれれば___」
「リブに頼りきりでしたから。私も上手に立ち回れることを見せたくて・・・」
エレナは膝の上で両手をギュッと握りしめて、うつむいた。
自分がやられた苦しみと悲しみを間接的に見せる演技だ。
リアブリックはそんなエレナのそばに来て、彼女の手をしっかりと握る。
「本当に大変でしたね?ごめんなさい、公女。役に立てなくて」
「私が足りないからです。リブのせいではありません」
本心を隠して実の姉妹のように寄り添う。
異質感が全く感じられない行動の向こうには、お互いの本心を把握しようとする熾烈な神経戦があった。
直接エレナの元に向かうリアブリック。
レンとの関係を疑われているエレナですが、この場面をどうやって切り抜けるのでしょうか?
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