こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は282話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
282話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 目覚め③
「お体の調子はいかがですか?動きにくくはないですか?記憶がぼやけるとか、そういう症状は?」
エレナはしつこくレンの健康状態を尋ねる。
最近、早い好転を見せ、一人で動くことができるほど良くなったが、長時間意識不明の状態にあっただけに、後遺症を無視することができなかった。
その点がエレナはしきりに気にかかり、サロンの業務を見ていても時間がある時にはレンを訪ねて健康をチェックしていたのだ。
「そんな気もするし、違うような気もするし」
「変なこと言わないで。目眩はありませんか?」
「見た通り元気だよ」
レンは別館の最上階の応接室でリハビリに専念している。
世間にはレンが死んだと知られているだけに、外部への露出を避けるためだった。
「それで結構です。食事に特に気を使うように言ったので欠かさず全部召し上がってください。私の話、分かりましたか?」
「エレナ」
「なんですか?」
今度の討論会に参加するために応接室を出ようとしたエレナをレンが呼び止める。
「お前の小言は中毒性がある」
「何ですか、それ」
エレナは馬鹿げているのか、思わずそら笑いをしてしまった。
このような状況であんなことを言うレンの精神状態が本当に大丈夫なのか、そうでないのか見分けがつかない。
「時間があればまた来ます。よく食べて休みながらリハビリしましょう」
ドアノブを握ったエレナがちょうど応接室を出ようとした時。
ノックの音がしてドアを開き、ほっそりした男が入ってきた。
メルだった。.
レンが意識を取り戻したという知らせを聞くやいなや走ってきた彼の瞳に安堵感が流れる。
「公子様」
「泣かないで。男が泣くのは大嫌いだ」
レンは冗談交じりにニヤリと笑う。
その微笑を見ていると、これまでの心の苦労が嘘のように溶けてしまい、メルは安堵することができた。
「私はこれで失礼します。お二人でお話しください」
エレナは2人が気楽に会話できるように席を外そうとする。
「一緒にいてください。折り入って申し上げたいことがあります」
メルはそんなエレナの足を止める。
レンが目覚めた事実に喜びもつかの間、深刻になった彼の表情にエレナが振り向いた。
レンも何か尋常でない事態を感じたのか、表情が固まる。
3人がソファに座るとすぐにメルは話し始めた。
「主君にお目にかかってまいりました」
「いかがでしたか?」
エレナは不安を抑えようとして噛み締めながら尋ねる。
おおよその顛末を聞いたレンは、黙ってメルの言葉を待った。
平気なふりをしているが、彼の目つきはどこか不安そうに見えた。
「洗脳されました。そして・・・」
メルはスペンサー子爵の見たことを全て話す。
理知を失ったまま、人形のようにバスタージュ家をフランチェ大公に渡すようにという言葉だけを繰り返すことを・・・。
そして生気を失って死んでいく姿まで。
「どうしてそんなことを・・・」
しばらくの間、エレナは耐え難い怒りを感じた。
メルが言ったことに基づくと、大公家は意図的にスペンサー子爵の精神を崩壊させた。
そして、バスタージュ家を渡すよう洗脳したのだろう。
当然の話だが、その過程でスペンサー子爵の身体も急激に壊れた可能性が大きかった。
「レン」
レンが心配で、振り返ったエレナがびっくりする。
過去の人生から今まで少なくない歳月、彼を見てきたが、今日のように恐ろしい表情の彼は初めてだ。
「今日、お父さんにお会いしないと」
長い時間沈黙していたレンの唇が落ちるやいなや、メルとエレナが反発した。
「しかし、公子の家門はすでに・・・」
「レン、あなたが今どんな気持ちか分かります。でも我慢してください。その体では無理です!」
しかし、すでに決心を固めたレンは、意を曲げなかった。
「憎くても父親だ。私がお伺いするのが正しい。メル、準備して」
「・・・分かりました、公子様」
簡単ではないだろうが、メルはそうすると言った。
主従関係を離れ、バスタージュ家に仕える家臣としてスペンサー子爵を放置することはできない。
「レン、ちょっと落ち着いて。私に時間をくだされば、スペンサー子爵をお連れする方法を講じます」
エレナが熱心に説得する。
まだ体がまともでない状況で、半ば大公家に掌握されたバスタージュ家に入ってスペンサー子爵に会うということは、危険負担があまりにも大きいためだ。
「いや、お前は自分のすべきことをしなさい。これは私の仕事だ」
「私が策を用意してみせます!だから私を信じて少しだけ待ってください。私の話、分かりましたか?レン、お願いします」
レンは彼女の懇願にもかかわらず意を決して曲げず、かえって特有の図々しい笑みを浮かべて見せる。
満身創療でありながらエレナが心配するのではないかと、彼はいつものように笑う。
「ごめん。私は元々あなたの言うことをよく聞かないじゃないか」
レンのリハビリも順調ですが、この状態でバスタージュ家に潜入するのは危険ですよね・・・。
何か作戦があるのでしょうか?
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