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16話




 

こんにちは、ピッコです。

今回は16をまとめました。

 

 

 

 

 

ネタバレありの紹介となっております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

各話リンク こんにちは、ピッコです。 ネタバレありの紹介となっております。 ...

 




 

16話

15話 こんにちは、ピッコです。 今回は15話をまとめました。 ネタバレ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 露呈

食事を終えて外に出た騎士たちが馬に乗る。

マックは城の中の召使いを全員連れて中庭に出てリフタンを見送った。

巨大な黒馬の上に優雅にバランスを取って座ったリプタンが、ゆっくりと馬の頭を回して彼女を見下ろす。

「行ってくるよ」

「き、気をつけて・・・、い、行ってらっしゃい」

小さくぶつぶつ言う言葉をよく間き分け、彼はそっと微笑んだ。

彼は馬から落ちる寸前までかがんで彼女の顔を掴む。

使用人たちが見ている状況だったにもかかわらず、到底拒否することができなかった。

マックはつま先立ちで彼のキスに応じる。

軽く重なった唇がべたべたとくっ付いてきた。

優しく舌を押し込み、彼女の口の中を通していた男が、すぐに体をまっすぐにして何事もなかったかのように平然と黒馬を引いて先頭に立つ。

あきれた顔で口を大きく開けていた騎士たちが、ため息を吐きながらその後を追う。

マックは真っ赤な顔で遠ざかる彼らを見送った。

騎士団が城門を通って長い列をなして堀を渡ると、城壁の上に上がった衛兵たちがコッペルを力強く吹く。

ドゥウン、と空を鳴らす鈍い騒音の中に馬のひづめの音がけたたましく混じっていた。

マックは彼らの姿が見えなくなっても、しばらくその場を離れることができなかった。

 



 

リフタンが去った後、マックは丸2日間病気になった。

この数日間、吹き荒れるように起きたことによって蓄積された疲労で堤防が崩れたように全身を襲ってきたのだ。

ひどく体調を崩した彼女のために、下女たちが薬草スープを作ってくれて、おしぼりで湿布をして熱を冷やしてくれた。

彼らの心のこもった看護のおかげで、翌日は一段と好転した状態で目を覚ますことができた。

彼女はルディスにお風呂に入るように頼んだ。

汗で湿った体をさわやかに洗い流せば、いっそう軽くなりそうだから。

「本当に神官を呼ばなくてもいいのかですか?」

メイドたちと一緒に湯気がゆらゆら上がってくる浴槽を持ってきたルディスが尋ねる。

彼女は寝巻きを脱いで首を横に振り、体を押し込んだ。

「も、もう・・・、よ、良くなりました」

「魔法使いさんからもらった薬草だけで大丈夫なのかわかりません。今からでも治療術師を呼んで・・・」

「ほ、本当に大丈夫ですから」

彼女はわざと笑顔を見せた。

気力がまだ完全に回復したわけではないが、熱は下がっている。

今日ー日よく食べて、体を適度に動かして活力を取り戻せば、明日からは身軽だろう。

彼女は裁縫師が新しく作ったドレスを着て厚手のショールをかけて庭に出た。

数日の間に気温はめっきり下がっていた。

冷たい風に驚いた表情をすると、一緒に外に出てきたルディスが微笑んだ。

「秋の大雨が過ぎると、このように気温がぐんと下がるそうです」

「す、すぐにでも冬がき、来そうです・・・」

「他の地域に比べてアナトールの冬はそんなに寒くありません。南海が近いせいか、真冬でも雪が降ることが珍しいですよ。雪が降ってもみぞれぐらいでやみます」

マックは少し残念そうな顔をした。

父親の領地も気候が温暖な南東側に位置していたので、彼女は一度も雪が積もったのを見たことがなかったのだ。

首都ドラキウムには世界中を覆って残るほどたくさんの雪が降るそうだが・・・、彼が到着する頃には雪が降り始めるのかな?

「回復したばかりだから、あまり長く出ないでください」

「ちょ、ちょっと散歩し、します」

ルディスの言葉に彼女は微笑みながらきびきびと足を運んだ。

静かで必要な言葉以外はあまり言わないこの物静かな下女は、いつからか少しずつお姉さんのようなおせっかいをしてきた。

それでも線を越えない限り、心配そうな一言を言うくらい。

ただ、それだけでも心が温かくなった。

(もう本当に・・・、ここが私の家だよ)

彼女は改めてカリプス城を見回した。

心の付け所もなかったクロイソ城での生活が思い浮かんだ。

あの時とは全く違う、新しいもので人生を満たすことができるかもしれない。

切ない希望に胸が締め付けられた。

本当に以前とは違う人生を生きることができるだろうか。

クロイソ城を離れたからといって、自分が完全に別人になるわけではなかった。

彼女は依然として愚かな吃音の女。

いつかは、リプタンも私が何の役にも立たない人だということに気づくだろう。

そうすれば、すべてが変わるかもしれない。

彼の情熱的で優しい手や熱い視線を失うという考えだけで血が冷たく冷めるようだった。

彼がある日、父のように急変して私を憎んだら・・・。

「奥様?やっばり体の調子が悪いのでは・・・」

不安そうな表情が現れたのか、ルディスはじっと見つめながら言った。

マックは.否定的な考えを振り払いながら首を横に振る。

「だ、大丈夫です。あ、温かいお茶を一杯・・・、の、飲みたいです」

「すぐにご用意いたします」

彼女は体を回して気を引き締めた。

私が変わればいい。

貴婦人のように行動するんだよ。

立派な女主人になって彼の役に立つんだ。

翌日、健康を完全に回復したマックは、商人のアデロンの訪問を受けた。

マックは真剣に彼の説明を間く。

そして、しばらく悩んだ末、グレートホールの宴会場の床にかすかな翡翠の色がする白い大理石を敷いて、窓を全て美しい窓ガラスに変えることに決めた。

商人は翌日からギルドに所属している石エたちを連れてきて作業に着手すると言って立ち去っていく。

彼女はアデロンからもらった取引明細書を持って図書館に行き,いくつかの本を探し回ったと帳簿を整理しようと努めた。

ロドリゴがした方式を真似して物品項目を書いて購買金額を記録することを中途半端に終えたら、いつのまにか窓の外が暗くなっている。

何日もそのような慌ただしい時間が続いた。

城には手入れしなけれはならないところが多く、必要な物は限りもない。

彼女は早朝からアデロンに会い、域の改装に必要な作業についての説明を間き,さらに数種類の追加の造園品を購入した後、労働者が床から石板を剥がすのを見守った。

午後にはアデロンが斡旋してくれた造園家に会って庭の作り方について話し、職人に会って手すりや窓枠に入れる文様に関する話を交わした。

そのように忙しい1日の日課を終えた後は、ごちゃごちゃ混じりの内訳書を持って夜遅くまで戦わなければならなかった。

「奥様、かなりお疲れのようですが、少しお休みになった方が・・・ 」

「いいえ、大丈夫です」

マックは心配そうな覗線を送るルディスにうわの空で返事をし、商団から入ってくる物を確認するために1階に降りる。

アデロンは決まった時間に労働者たちと一緒に大きな馬車を引いて城に入ってきた。

その前に近づくと、アデロンは荷馬車の上にあった皮布を反らして積んできた品物を見せてくれた。

「作業に必要な道具と大理石の板の一部です」

「ま、窓は・・・」

「アナトールの上部の支部には、それだけのガラスありません。良い品質のガラスを持ってくるためには首都やリバドンから注文をしてこなければなりません。とりあえず、近くの支部でガラスを大量に購入できるかどうか、電報を打ってみます」

気前がいいような話し方に彼女はもう少しでありがとうと言い返すところだった。

マックは根深い自分の卑屈な性格にため息をつきながら彼を応接間に連れて行く。

精力的で元気な商人は、下女が車を出す前に作業するのにかかる時間と費用に関することを説明し始めた。

彼女は欠かさず覚えておこうと努める。

しかし、アデロンがそうでなくても慣れない貨幣の名称を混ぜて話し始めると、頭の中はますますごちゃごちゃになった。

マックは汗を流しながら計算についていこうとした。

ソルデム一枚がリラムニ十枚で、リラム二十枚がデルハムニ枚、デルハムニ枚、デルハム二枚はデナール十二様だから、デナール三十枚は・・・。

「ああ、興奮しすぎましたね。どうかお許しください」

頭が爆発する直前になってようやく商人が言葉を止めた。

彼女はやっとのことで微笑んだ。

「そ、そんなことないですよ」

「偉大なカリプス卿の城のリニューアルに貢献していると思うと、まったく落ち着きませんね」

「そ、そうか、考えてくれると・・・、ああ、ありがたいですね」

アデロンはいくつかの説明が書かれた羊皮紙を置いて席から立ち上がった。

マックは彼が戻るとすぐに図書館に駆けつける。

労働者に支払うべき賃金と大理石の費用を帳簿に記録するのに何時間もかかった。

 



 

自らが情けないとため息をつくと、ふと背後から人の気配が感じられた。

マックはびっくりして振り向くと、図書館の隅にある本の山の中で、一人の男が身を起こしていた。

「ル、ルース卿・・・」

男は薄い灰色の髪をかきながら、ぼんやりとした目で彼女を振り返った。

マックはどう反応すればいいのか分からず、ぼんやりと眺めている。

いつからあんなところに横たわっていたのだろうか。

男は貴重な蔵書を敷いて座っていた。

「ここ数日間どうしてこんなにうるさいんですか?」

図書館の床で寝ている途中、女主人と出会うことになった状況に対する恥ずかしさは少しも感じられないのか、魔法使いがいきなり眉をひそめて問い詰める。

マックは彼の堂々とした態度に戸惑いどもった。

「し、城を改装中なので・・・」

「私が今尋ねているのはカリプス夫人のことです」

「わ、私ですか・・・?」

「ここ数日、図書館でずっと弱音を立てていらっしゃるんじゃないですか。夫人が私の熟睡の大きな妨げになっているのをご存知ですか?」

彼女はぼんやりと口を開いた。

頭をかきむしってくよくよし、ため息をついていた自分の情けない行動を誰かが見守っていたという事実に対する羞恥心、人の気配もなく黙っていたことに対する怒り、盗人猛々しい態度で責めてくることに対する呆れ・・・、何に反応すればいいのか分からなかった。

彼女の言い返す言葉が見つからず、口だけにっこり歩いている間、男が立ち上がって彼女の前に近づく。

「帳簿・・・、ですか?」

彼女は机の上に散らばっている紙切れをあたふたと持ち上げた。

男は隠そうとするのをすっかり無視して、羊皮紙を何枚か拾い上げてのぞき込んだ。

彼の眉がうごめいてかすかに震えた。

「いったい何箇所が計算違いなんですか?」

「か、返して・・・!」

奪おうと腕を伸ばすと、彼が体をさっと回して、手の届かないところまで羊皮紙を持ち上げて内容をのぞき込んだ。

男の口から低いうめき声が沸き起こる。

「どうして大理石の板一つが12リラムもするんですか!単位を書き間違えたんですよね?どうか書き間違えたと言ってください」

「い、今・・・、な、な、直そうとしていた途中でした・・・!」

彼女は泡を吹きかけそうになったルースに向かって必死に叫んだ。

目を細めて睨んでいた男は、彼女が後ろに隠していた帳簿を奪う。

その無礼な振る舞いに彼女は呆然とした。

紳士は絶対に貴婦人の物に許可なく手を出さないものだ。

貴婦人が隠したいものを強制的に奪っていくのは無頼控だった。

マックは顔を真っ赤に染めて彼の裾を引っ張る。

「か、返してください!ど、ど、どうしてこ、こんなに無、無、無礼なことを・・・!」

「ここ何日間いくら使ったんですか?」

彼女は身をすくめて慎重に彼を見上げた。

魔法使いの顔は恐ろしく歪んでいた。

その残酷な表情に心臓がドキとする。

何か間違っているのだろうか。

男が歯を食いしばって一字一字力を与えて尋ねる。

「いくらですか?」

「そ、そ、それは・・・」

冷や汗がだらだら流れた。

「リ、リプタンが・・・、お、お金はき、気にするなって・・・」

「それでもいくら使ったかぐらいはご存知ではないのですか?」

非難する口調に顔が火照っていく。

彼女は昔、家庭教師から発音を指摘された時のように萎縮し、目を丸くした。

「あの、あの、正確には・・・、あまり・・・」

「大体はご存じですか?」

ゆっくり首を振ると、男が頭が痛いというように激しくこめかみをこすった。

瞬間、なぜ自分がこの男に怒られているのかという疑問があったが、それよりは何かをしっかりと誤ったかもしれないという恐怖がより大きかった。

マックはしばらくためらった後、告白する。

「じ、じ、実は・・・、し、仕事には慣れていなくて・・・」

「よく分からなければ、助けを求めなければならないじゃないですか!」

あまりにも至当な言葉なので口が十個でも言うことがなかった。

マックは無邪気な気分で酷くうなだれる。

「そ、そんなに・・・、ま、間違っていますか?」

「まず帳簿の記録からして、めちゃくちゃです。あるものは法外に安く、あるものは途方もなく高く、計算も一つも合っていません。しかもこの購入項目!不要なものが多すぎるじゃないですか!カリプス卿がドラゴン討伐で莫大なお金を稼いだのは事実ですが、それでも大事にする時は大事にしないと!アナトールには、俸禄を受ける騎士も多く、衛兵も多いです。何より来年は港と町を結ぶ大きな道路を建てる予定なんですよ!冬になれば、できるだけ無駄を減らそうとする努力はしなければならないじゃないですか!」

相次ぐ指摘にマックはスッポンのように首をすくめた。

「わ、私は、し、知りませんでした・・・、そ、そういうことも、聞いてないのに・・・、自分の好きなようにしなさいと・・・」

つぶやく言葉にルースは深いため息をつく。

彼は力が抜けたように肩を垂らしながら話を続けた。

「城を飾ること自体を非難するのではありません。防備にだけ気を使うあまり、どこか軍事施設のようになったのも事実ですからね。しかし、程度が過ぎるんです。夫人がこんな勢いで出費するなら、カリプス卿は数年以内にドラゴンレアを払いに行かないといけません」

「そ、そんな・・・」

マックは倒れそうによろめきながら椅子をしっかりとつかんだ。

彼を喜ばせるためにお城を立派に飾ろうとしたのに・・・。

リプタンもこの男のように呆然として飛び跳ねるかも知れないと思うと、全身の血がすっかり消えたような気分だった。

 



 

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