幼い旦那様の黒幕妻です

幼い旦那様の黒幕妻です【48話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「幼い旦那様の黒幕妻です」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【幼い旦那様の黒幕妻です】まとめ こんにちは、ピッコです。 「幼い旦那様の黒幕妻です」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっ...

 




 

48話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 世界最強の保護者と、幼き天使

私はもじもじしながら、キブリンの手をそっと握った。

「公子様、私は怖くありません」

「そ、それなら私が……」

「あなたのことも怖くありません」

ようやくキブリンの表情がぱっと明るくなった。

こんなに可愛いキブリンの前世が「災厄」だなんて……。あ、いや、まだ詳しい事情は分かっていないじゃない! 何かやむを得ない理由があったのかもしれない。

そのとき、近くのどこかからフクロウの鳴き声が聞こえてきた。私は一つずつ、慎重に周囲の状況を探っていくことにした。

「でも、封印術が解けなくても、私が公子様の傷を治すことはできますか?」

答えを慎重に選ぶように、キブリンはもう片方の手で私の首筋をそっとなでた。

「ぼ、僕が保管していたものの一部は、いまチェリア様のもとに戻っています。封印術が解けたときに……。そ、それに、それは僕の力そのもの……ではなく、現状を維持することしかできません」

私に戻ってきた? 現状維持しかできない?

――つまり、その現状維持だけでも続けたいなら、できるだけ神殿には近づかず、怪我もせず、そして「殺したい」と思う相手も作らないようにしなければならない、ということだった。

よく考えれば、かなり厳しい条件だ。私は身震いしながら尋ねた。

「じゃあ、私に殺したい相手ができたら?」

「一緒に……もっと良い場所へ行きませんか……?」

キブリンは、まるで先回りして私の冥福まで祈ってくれるような口ぶりで答えた。うわあ!

「だ、大丈夫です。そんなことにならないようにします」

キブリンはほっとしたように微笑み、私を安心させた。もう私に嘘をつかなくてもよくなったからか、その表情は不思議なほど晴れやかだった。

私は、私たちが気兼ねなく話せるよう、少し離れて歩いているローズとセジャルのほうへ目を向けた。

「私が“デル”だということは頭では理解しているんですけど、実感が湧かないんです。世界最強とは思えないほど体力がありませんし」

『悪女はお金でなければ動かない』の内容を思い出す前は、私はメイオル伯爵家で肩身の狭い思いをしながら暮らしていたのだから。

うーん、整理してみると、今回の人生は2周目ではなく、3周目ということになるのかな? そう考えると、私は1周目の人生を送っていた世界へ戻ってきたことになる。

私は首を少しかしげながら尋ねた。

「私がデルの記憶を取り戻したら、どうなるんですか?」

「そ、それでもチェリア様は、チェリア様のままです。僕と同じように」

その言葉に、私は少し安心した。チェリアの記憶ですら時々負担になるのだから、デルの記憶となればなおさら大変なはずだった。

キブリンはためらいがちに続けた。

「で、でも、今はお返しできません。僕が……預かっていたほうがいいんです」

「え? どうしてですか? 記憶を取り戻しても、私が私のままだって、さっき公子様が言っていたじゃないですか」

その瞬間、私の手を握るキブリンの手にぎゅっと力がこもった。

「デルは、本来は死なないんです。でも……死んでしまいました。そ、それに……たぶん、僕も同じです」

「……」

「わ、私もその部分は覚えていないんです……。だから、チェリア様も、あ……まだ知らないままでいてほしいんです。お願いします」

キブリンは珍しく真剣な表情でそう言った。断る理由もないお願いだったので、私は素直にうなずいた。

「分かりました」

「……ほ、本当にいいんですか?」

私がこんなにあっさり了承するとは思っていなかったようだ。キブリンは目を丸くした。

「難しいお願いじゃありませんから。それに、たとえ難しいことでも、公子様の頼みなら何でも聞きますよ」

私はキブリンの傷が治ることを願いながら、神聖力を集中させた。もちろん、相変わらず何の効果もなかったけれど。

「うーん……呪文みたいなものを唱えたほうがいいんでしょうか?」

しばらくの間、私はキブリンの手を握ったまま、あれこれと試していた。すると、近くの茂みがガサガサと揺れる音がして、私の注意を引いた。

草むらから、動物の耳がぴょこんと飛び出す。

「ウサギ? すごく可愛い――きゃっ」

感嘆する間もなく、突然足元の力が抜けてよろめいた私を、キブリンがすかさず支えてくれた。

セジャルがランタンを地面へ向け、ローズは片眉をひそめた。

「妙だな。どうしてこの辺りの地面はこんなに荒れ果てているんだ?」

私は姿勢を立て直し、ローズの視線を追って地面を見た。

水分を完全に失った乾いた土は、あちこちが大きくひび割れていた。ウサギが飛び出してきた草むらは、まるで毒に侵されたかのように葉がすべて黒ずんでいる。近くの木々も、すっかり枯れ果てて死んでから、かなりの時間が経っているようだった。かなり前に枯れてしまったのだろう。

セジャルも眉をひそめながら、ランタンの明るさを最大まで上げた。

「去年までは何ともなかったのだが……」

「たった一年で、こんな状態になったというのか? 魔物が駆け回っても、一、二日で元通りになる黒月の森が?」

ローズは信じられないという表情を浮かべた。

「ここまで通ってきた場所には異常はありませんでした。どうして侯爵領の近くだけ、こんなことになっているのでしょう?」

二人が不思議がっている間に、ウサギはトコトコとキブリンのもとへ駆け寄ってきた。それだけでなく、小鳥が三羽、キブリンの肩へふわりと舞い降りた。

……まるで白雪姫みたい。

キブリンは特に気にする様子もなく、止まっていた足を再び動かした。キブリンが私の手を離さなかったので、私もそのまま一緒に歩き出した。

私はキブリンに引っ張られるまま、ウサギを無視するしかなかった。しかし、動物たちは簡単にキブリンを諦める気はないようだった。数分後には、子狼を連れたオオカミの群れが現れ、キブリンに向かって低く鳴いた。まるで、何かを必死に伝えようとしているようだった。

セジャルは以前にも何度か見たことがあるのか、さほど驚いた様子はない。ローズは「不衛生だから近寄るな」とぶつぶつ言いながら尋ねた。

「どうしたんだ? この一帯だけがこんな状態になった理由でも、そいつらが教えてくれるのか?」

「興味ありません」

キブリンは無表情のまま、冷淡に答えた。関わりたくないという気持ちが、その言葉にはっきり表れていた。するとローズも彼なりにその事情を察したのか、それ以上は口を挟まなかった。

うーん、どうしよう。みんな栄養状態が悪そうだな。

特に、さっきキブリンの肩に止まっていた鳥たちは、追い払われたあとも弱々しく、まともに飛ぶことさえできていなかった。私の体調を気遣って料理長が作ってくれた手作りビスケットでも置いていこうかと思ったが、キブリンが慌てて引き止めた。

「チェリア様も、き、気にしないでください。一度餌をあげると、き、きりがありませんから」

「……」

私はじっとキブリンを見つめた。キブリンは私にだけ聞こえるほど小さな声で言った。

「ぼ、僕は取引しかしません。一方的に助けたりは、しません」

その言葉を理解したかのように、動物たちは一匹、また一匹と静かに立ち去っていった。

「分かりました」

私はそれだけ答えた。私が頼めば、キブリンはきっと動物たちを助けてしまうだろうから。

それでも、キブリンの手はわずかに震えていた。まだ私に嫌われるのではないか、恐れられる存在になるのではないかと、不安そうに私の様子をうかがっている。それでも、もう言い訳をしたり、それらしい理由でごまかしたりはしなかった。

取引なら応じると言っていたのだから、変わった形の石でも拾ってきて交換すればいい。どうしても駄目なら、住みかを移すことだってできるはずだ。広大な黒月の森の中で、侯爵領に隣接するこの一帯はごく一部に過ぎないのだから。

ローズは頬をかきながら口を開いた。

「何にせよ、黒月の森に根を張って生きているものだ。そう簡単には全滅しないさ」

彼なりに、私を安心させようとしてくれているようだった。私は、まるで命を失ってしまったような森の景色を、静かに見渡した。

まさか侯爵家と関係があるのだろうか? でも、原作ではこんな出来事はなかった。……もっとも、原作のチェリアがこの時期に侯爵領を訪れること自体、なかったはずだけれど。

混乱していた頭が、すっと冷えていった。

そもそも『悪女はお金でなければ動かない』では、この年頃のキブリンはまだ蛇の穴に閉じ込められていた。ウィンターもメネリクも、神殿との契約によって首都から出ることはできなかった。公爵が密かに何かを企んでいてもおかしくない時期だったのだ。

おっ、この展開は、頼れるチェリア様の出番かな?

侯爵家は原作でも悪事を働いて摘発されていたし、今調べてもいろいろと証拠が出てきそうだ。

私は先ほどよりも注意深く森を観察した。目を凝らし、特に傷んでいる木々や、まだ比較的無事な木、そして真っ黒に変色した草を一つひとつ見比べていった。

黒月の森は公爵家の管理下にある。問題が起きれば、ウィンターの仕事が増えてしまう。逆に、数日でも早く異変を見つけられれば、その分だけウィンターの負担を減らせるかもしれない。

そこまで考える、とますますやる気が湧いてきた。私がお母様を一日でも早くゆっくり眠らせてあげるんだ!

周囲を見回していると、ローズと目が合った。すると突然、ローズが息をのんだ。

「チェリア? お前、目の色が変わってるぞ」

「え?」

私は目の周りを触ってみた。痛みもなければ、何か付いている感じもしない。

「何ともないけど?」

確かめようとキブリンのほうを振り向くと、キブリンは穏やかに微笑み返すだけだった。

私はセジャルにも自分の目を見せた。セジャルは何か言いかけたが、キブリンの反応を気にしたのか、結局は黙ってしまった。

それでもローズは難しい顔をしたまま、私とキブリンを見比べて言った。

「とりあえず、俺におぶわれろ。急がないとな」

……取り憑かれたわけじゃなくて、ただの推測みたいだけど。

私たちが森を抜けるころには、すっかり日が暮れていた。

遠くに侯爵家の旗が見えてくると、ローズは私とキブリンを地面へ降ろした。少しすると、侯爵家の衛兵たちの姿が見え始めた。魔物たちが騒ぎ回っていたせいか、衛兵の数はかなり多かった。

ローズはセジャルに向かって顎で合図を送った。セジャルが先に行って事情を説明している間、私は服についた土埃を払っていた。

うう……道の半分以上はローズに抱えてもらっていたのに、それでも疲れた。

「私、今日はぐっすり眠れそうです」

私はキブリンに小声でつぶやいた。

そのとき、セジャルの周囲から驚きの声が上がった。

「その距離を走って来られたのですか!?」

「さすが公爵家の騎士ですね」

衛兵たちは突然現れた私たちを警戒するよりも、感心した様子だった。侯爵家が公爵家と対立していることを考えると、少し皮肉な反応だった。

まあ、さっきのローズはものすごい勢いで走っていたからなあ。いったい公爵領からどれほど離れていたんだろう? あれだけ周囲が驚くくらいなら、セジャルに引けを取らないローズの体力も相当なものなんじゃないだろうか。

みんなはローズを落ちこぼれだと思っているけれど、実はかなり実力のある落ちこぼれなのかも?

そんなことを考えながら、ローズの評価を少し見直していたそのとき、冷たい風が吹き抜け、鼻がむずむずした。

「へ……へっくしゅん!」

思わずくしゃみが出た。

キブリンは慌てて自分のマフラーを外し、私の首に優しく巻いてくれた。ローズは自分のコートを私にかけると、侯爵家の騎士たちに向かって声を張り上げた。

「手伝う気があるなら早く来い! 公女様を凍え死にさせるつもりか!?」

ローズの一喝に、衛兵たちは慌てて動き始めた。おかげで私は焚き火の前に座って暖を取ることができた。これじゃ、誰が見てもローズが私の保護者みたいだ。

……えっ、ちょっと待って!

私がデルなら、ローズの保護者も私ってことになるの!? じゃ、じゃあローズとキブリンの関係ってどうなるの?

キブリンの前世は、ローズのことをものすごく嫌っていた。「鳥頭」なんて悪口まで言っていたくらいだ。でも、ローズが人嫌いなのに無理やり公爵家に留まっていることも、不死鳥になったことも、全部私のせいだったのだ。

わ、私が保護者としてローズの面倒を見ないと……!

キブリンが、私とつないでいた手を軽く揺らした。

「な、何を考えているんですか……?」

私はローズを見つめながらつぶやいた。

「私、ローズの面倒を見てあげなきゃって思ったんです」

どうりでローズが、放っておけない子どもみたいに見えたわけだ。これも、私がデルなら納得がいく。

キブリンは嬉しそうに笑った。

「ぼ、僕も一緒に頑張ります。何をすることになっても」

「公子様……」

胸がじんと熱くなった。キブリンって天使なの? 前世でも今世でも、私は人を見る目だけは本当にないみたいだ。

私がデルだという事実も、一人だったら受け止めきれなかっただろう。でも、私にはキブリンがいる。それに、良いこともある。デルはものすごく強いと言っていたよね? つまり、このチェリア様は世界最強クラスということだ。

……もっとも、今は幼い夫の傷ひとつ治せないし、体力も壊滅的だけど……。

私のころころ変わる表情を見ていたキブリンは、とうとう小さく笑い声を漏らした。

キブリンが衛兵から温かい飲み物を受け取り、それを私と分け合って体を温めているうちに、セジャルたちの状況整理も終わったようだった。

一番人当たりの良さそうな衛兵が手を挙げた。

「閣下は隣の駐屯地におられます。私が行って報告してまいります」

セジャルはうなずいた。

「お願いします。それと、侯爵領近くの森だけ、やけに状態が悪かったのですが、何かご存じありませんか?」

ウィンターの仕事が増えてしまうかもしれない話題だったので、私は思わず耳をそばだてた。

衛兵たちは互いに顔を見合わせた。人の良さそうな衛兵が口を開く。

「いえ、それはあの辺りだけの話ではありません。実は侯爵領全体が……」

別の衛兵も話そうとしたが、一番口数の少ない衛兵がその脇腹を肘で小突いた。

「おい、余計なことを言うな」

……ものすごく怪しい!

一瞬、気まずい沈黙が流れた。人の良さそうな衛兵は肩をすくめ、一歩下がった。

「報告してまいります」

しかし、セジャルがそれを制した。

「いえ、もうその必要はなさそうです」

騎馬の一団がこちらへ向かって来ていた。だが、その馬たちは勢いよく駆けることもできず、ふらついていた。

「馬の様子がおかしくありませんか? どこか具合が悪いのでしょうか?」

思わずそうつぶやくと、衛兵たちは一斉に私のほうを見た。そして慌てたように激しく手を振った。

「だ、駄目です! そんなことを口にしてはいけません!」

「え?」

一番年長の衛兵が慌てて説明した。

「申し訳ありません、公女様。今は幼いお二人だけではありません。この場では騎士団長でさえ、お二人を完全にお守りすることは難しいのです。今こそ、理不尽なことを見聞きしても耐える忍耐が必要な時なのです。ご理解いただけますね?」

……忍耐って、何のことですか?

衛兵の額には汗が浮かんでいた。緊張した様子で言葉を続ける。

「私どもが公女様たちに悪意を持っているわけではありません。現在、領地の状況が非常に悪く、侯爵様も大変神経質になっておられます。どうか余計なことはなさらず、ご無事にお帰りください」

「……分かりました」

私は戸惑いながらも、小さくうなずいた。

暴君に苦しめられながらも、少しでも被害者を減らそうと必死になっている部下たちのように見えた。

先頭を走っていた男が、私たちの目の前で荒々しく馬を止めた。相手を威圧しようという意図があまりにも露骨で、ローズは眉をひそめた。セジャルはこうした挑発には慣れているのか、落ち着いた様子で応じている。

私は衛兵たちが気まずそうにしている様子を見ていたが、やがて視線を前へ戻した。

その間に馬から降りた男は、わざとセジャルの肩を押しのけながらキブリンへ近づいた。

「これはキブリン公子ではありませんか」

あの男がイングラム侯爵なのね?

イングラム侯爵と顔を合わせてまだ数秒しか経っていないのに、その尊大な態度と鼻ひげだけで、もうあまり好きになれなかった。

「森で異変が起きていると聞いて、この遅い時間にまで足を運びましたが、おかげで大変ご高名な方にお会いできました」

「……」

イングラム侯爵は「ご高名な方」と言いながら口元をゆがめて笑った。その後ろで、先ほど私に忠告してくれた衛兵が、「どうか何も言わないでください」と必死に口をつぐむよう合図を送ってくる。

ローズは腕を組んだまま冷たく見つめ、異変を引き起こした張本人であるキブリンは何の反応も示さなかった。それを見て、イングラム侯爵は笑みを消し、冷めた表情で尋ねた。

「ところで、いつ首都へお戻りになるご予定ですかな?」

え? どうして公爵領の話じゃなくて首都の話になるの? また蛇穴へ戻れってこと? 何なの?

「戻りません。もちろん、私の両親もです」

何でもないことのように答えたその言葉に、イングラム侯爵の表情がぴくりと変わった。一瞬だけ眉をひそめたが、それもほんの一瞬で、すぐにまた慇懃無礼な態度へと戻った。

「このような寒い夜に、ご高名なお方を外でお待たせするわけにはまいりません。どうぞ私の城へお越しください。公子様を手厚くおもてなしすれば、公爵閣下も我が家への誤解を解いてくださるのではありませんか?」

さっきまでキブリンと義父母が公爵領に滞在することを快く思っていなかったようなのに、今度は誤解を解きたいと言い出した。もともと侯爵家を怪しいと思っていたので、疑いが深まるばかりだった。

キブリンは小さく首をかしげた。

「誤解なんて、ありませんけど」

「……」

「お金だけ受け取って何もしなかったんですから……誤解する余地もありません」

話の流れを変えようとしているのか、キブリンはわざとゆっくりと言葉を続けた。そのおかげで、イングラム侯爵の顔に浮かんでいた嘲笑は完全に消え失せた。

その瞬間、周囲の空気が急に冷え込み、衛兵たちは思わず身を震わせた。ようやく彼らも、私ではなくキブリンの口を塞ぐべきだったと気づいたようだ。教皇さえ脅したキブリンが、イングラム侯爵に遠慮するはずがないよね……。

イングラム侯爵は殺気を押し隠しながら尋ねた。

「その発言は聞き流せませんな。つまり、私の助けも不要だという意味ですかな?」

「必要です。でも、う、嘘はつけませんから」

キブリンは平然と答えた。

すると侯爵の後ろにいた人物が、これ以上の口論を制するように言った。

「閣下、長時間外にいらっしゃいました。どうかお戻りください」

侯爵は忌々しそうに舌打ちした。

「ついて来なさい。お前たちは公爵家の警備隊長に伝えろ。今すぐ公子様を連れて行くようにな」

どうやら、「ご高名なお方」などという建前は捨てて、力ずくで排除することに決めたらしい。

 



  1. 前世の絆と「世界最強」の自覚

    チェリアはキブリンへの恐怖を完全に拭い去り、自分が「デル」であるなら、不死鳥であるローズの保護者も自分だったのだと気づきます。自身の体力は崩壊しているものの、「自分は世界最強クラスなのだ」と自覚し、キブリンと共に歩む決意を固めます。

  2. イングラム侯爵領の深刻な異変

    目的地へ進むにつれ、植物の枯死だけでなく、動物の衰弱や馬の異常など、森から領地全体に及ぶ不穏な異変が発覚します。衛兵たちは「忍耐が必要だ」と怯えて口を閉ざし、原作小説の通り侯爵家が何らかの悪事に加担している疑惑が深まります。

  3. イングラム侯爵の傲慢とキブリンの毒舌

    現れたイングラム侯爵は、キブリンを首都へ追い返そうとしたり、慇懃無礼な態度で城へ連行しようと企みます。しかし、キブリンが「お金だけ受け取って何もしなかった」と平然と不正を暴露したため、激怒した侯爵は力ずくで一行を排除しようと動き出します。

 

幼い旦那様の黒幕妻です【49話】ネタバレ こんにちは、ピッコです。 「幼い旦那様の黒幕妻です」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっ...
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