こんにちは、ピッコです。
「悪女の姉を救う勇敢なわんこです」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
51話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 閉ざされた影の扉
「えっ? お嬢様が見当たらないんですか?」
それから、ほんの五分後のことだった。ココ付きの侍女が、慌てた様子でクロエの別邸を訪ねてきた。玄関先で応対した別邸の侍女は、不思議そうに首をかしげる。
「ええ。お嬢様なら、つい先ほどクロエ様のお部屋に入っていかれましたよ」
「もう、私ったら……いつもお嬢様を見失って遅くなってしまいますね。もう一度お迎えに参ります」
ココ付きの侍女は小さくため息をついた。ココはあまりにも自由奔放で、侍女が小言を言ってもどこ吹く風。時には「ついて来ちゃダメですよ」と、小さな手でぴしゃりと制されることすらあった。
そのため、当主であるアルドス公爵からも「ココをこっそり見守っていてくれ。あまりにも自由に歩き回りすぎるからな」と直々に注意を受けたことがあるほどだ。
それでも、ココの行動範囲はいつも決まっていたため、本来はそれほど手のかかる主人ではなかった。何しろ、毎回こうしてお姉ちゃんであるクロエの別邸へやって来るだけだったからだ。
ところが――。
ココ付きの侍女が寝室の扉を開け、中へ身を乗り出した時、その楽観は打ち砕かれた。
「お嬢様、失礼いたしま……あれ?」
開け放たれた寝室のなかに、ココの姿はなかった。
いや――それどころか、人の気配すら完全に消え失せていた。
一瞬にして不吉な予感が胸をよぎり、彼女は慌てて部屋の中を見回した。カーテンの裏、クローゼットの隙間、ベッドの下。どこにもいない。
「えっ? 嘘でしょう、どこへ行ったの……?」
たまらず部屋を飛び出すと、ちょうどクロエの寝室の近くを通路を掃除していた別の侍女の姿が目に入った。
「あの! お嬢様はほかのお部屋へ行かれましたか!? それとも、お嬢様を見かけませんでしたか!?」
詰め寄られた侍女は、持っていた箒を止めて驚いたように答えた。
「いいえ。お嬢様が寝室へお入りになってからは、一度も出ていらっしゃいませんよ。私はずっとこの廊下を掃除しておりましたから、お嬢様がお越しになったときから今まで、ずっとここに目を光らせておりましたもの」
「それなら、どうして……!」
背筋に冷たいものが走る。
帝国一安全だと言われるアルドス公爵家、しかもその堅牢な公爵邸の中で、直系の血族である令嬢が忽然と姿を消すなんて――! 誰一人として想像すらしたことのない、前代未聞の事態だった。
「いったい、どちらへ行かれたのでしょう……」
「他の部屋も探してみましょうか? ひょっとすると、別のお部屋で隠れてお休みになっているのかも!」
「いえ、ひとまず上の者へ即刻報告しなければ。行ってまいります!」
別邸がにわかに蜂の巣をつついたような騒ぎになる中、人間たちよりも激しく慌てふためいている存在が別にいた。
それは、クロエの別邸の廊下の隅にある、小さなネズミ穴に住む住人。チーズが大好きなエンペラー・ハツカネズミ――生チュウだった。
「み、見失っちゃった! あの白い子犬め……なんて恐ろしいやつだ! まさか、あの『闇の空間』に入り込んでしまうなんて!」
生チュウはネズミ穴の中で小さな両手で頭を抱えた。
その真っ暗な場所は、クロエの強大な闇の能力によって生み出された隔離空間だ。動物なら本能的に危険を察知し、決して近づこうとはしない禍々しい場所。
「やっぱり、人間(元子犬)になったばかりだから怖さなんて分からなかったんだ……。まったく、正気の沙汰じゃない!」
だが、いくら高貴なエンペラー・ハツカネズミとはいえ、小さなネズミ一匹の力ではココをそこから助け出すことなど到底不可能だった。
「今すぐ、あいつをあの闇から引きずり出せる強い奴を連れてこなきゃ……! けれど、人間どもは私の言葉を理解できない!」
まさに絶体絶命。小さな生チュウの脳細胞がフル回転する。
その時、いつもココのそばにぴったりと付いて回っていた、ある少年の顔が浮かんだ。彼は以前、こんなことを口にしていたはずだ。
『……私が英霊に伝えれば、その英霊が契約者に大まかな事情を伝えてくれるんじゃない?』
少年の名はカリゴ。そして、彼のそばにいる英霊とは――あの巨大な黒虎のアミウスだった。
「ひ、光栄だけど……怖くて死にそうだ……っ!」
ネズミの身で、食物連鎖の頂点に立つ猛獣に会いに行かなければならないなんて。一瞬、小さな足取りはひどく重くなったが、生チュウはぐっと涙をこらえた。「……背に腹は代えられない! 今回の仕事は、チーズ五十切れ分の価値があるんだからな、ココ!」
* * *
その頃、カリゴは滞在している別館の前庭で、愛馬のサンダー、そしてアミウスと共にいた。
「今回の狩猟祭が全部終わったら、改めてココとゆっくり話をしてみたいんだ」
カリゴは少し気恥ずかしそうに黒虎の頭をかきながら、ぶつぶつとつぶやいた。
「ココと俺は友達だからな。俺の影の能力で、またあいつの力になれることはないかって、ちゃんと聞いておきたいんだ。……あいつってさ、なんだか放っておけなくなるんだよな」
本人は、自分がまるで人懐っこい子犬(あるいは子猫)みたいに無防備に甘えてきていることに、これっぽっちも気づいていないのだが――カリゴはそんな彼女の様子を思い浮かべながら、独りごちていた。
その時だった。
カリゴの別邸の前庭へ、一羽の大きな鳥が力強く羽ばたきながら飛んできた。よく見ると、その鳥の背には小さなネズミがしがみついている。
「……おい、あれは何だ?」
あまりにも奇妙な組み合わせに、カリゴは思わず目を奪われた。飛んできたのは、賢さで知られるチュンチュン園長だった。鳥は芝生の上に優雅に舞い降りると、背中に乗せていた生チュウをそっと地面に降ろした。
巨大な黒虎アミウスの姿を見るなり、生まれたての小鹿のようにぶるぶると震え始めた生チュウは、長い尻尾をくるくると回しながら、おずおずと虎の足元へ近づいていく。
その時、アミウスが低く長く鳴き声を上げた。その威圧感に驚いたネズミが仰向けにひっくり返ると、チュンチュン園長が慌てて翼を伸ばし、包み込むように抱き上げた。
アミウスはカリゴの手元へ大きな顔を近づけると、器用に前足の爪を使い、地面の土へ滑らかな文字を書き記し始めた。
【ココ、とても危険】
まだアミウスの文字を完璧に読み取ることは難しかったが、カリゴの心臓はドクリと跳ね上がった。それは明確な、そして差し迫った『警告』の合図だった。
驚いて取り乱す生チュウの様子と、アミウスのただならぬ鳴き声。
「どうしたんだアミウス!? 何か危険なことでも起きたのか? ……まさか、ココの身に何かあったのか!?」
カリゴが問いかけると、アミウスは肯定するように激しく地面を引っ掻いた。カリゴはそれがココに関する重大な危機だと直感した。
「ココなんだな。よし、案内しろ、行こう!」
カリゴの鋭い合図を受け、アミウスは走り出した。チュンチュン園長もまた、生チュウを背に乗せたまま、力強く空へと飛び立った。
* * *
「ココお嬢様が姿を消した」という衝撃的な知らせは、瞬く間にアルドス邸全体へと広まった。
ルースお兄ちゃんとアルドス公爵が即座に人員を動員したため、広大な公爵邸内は、血相を変えて走り回る私兵や使用人たちで溢れかえり、混沌を極めていた。
「そちらにお嬢様はいらっしゃいますか!?」
「いいえ、こちらには! 庭園のほうも探してください!」
「お嬢様は一体どちらへ行かれたのだ……!」
屋敷の隅々まで捜し回る大人たちに混じって走りながら、カリゴは荒い息を吐き出した。
(クソッ……公爵邸の外なら、俺の影の能力を広げてココの痕跡を簡単に追えるのに、この敷地内は結界や他の魔力が強すぎて追いきれない……!)
どれだけ大人数がくまなく探しても、ココの足取りは全く掴めない。カリゴは自身の影を四方八方へ懸命に伸ばしながら、思考を巡らせた。
(落ち着け。ココが一番行きそうな場所はどこだ? あいつが最も執着して、最も安心する場所といえば――)
行き着く答えは一つしかなかった。姿を消した現場である、クロエの寝室だ。
カリゴがクロエの別邸へと引き返すと、案の定、そこは最大の騒ぎの中心地となっていた。アルドス公爵自らが別邸の前に立ち、地響きのような大声を張り上げている。
「直ちに邸内を隅々まで捜索しろ! 万が一にも外へ連れ出されていないか、公爵家の正門およびすべての通用門を完全封鎖せよ!」
「はっ、公爵閣下!」
カリゴは緊迫する公爵の前に進み出ると、軽く頭を下げた。
「閣下」
「おお、カリゴ大公子か」
「ココは……お嬢様はまだですか」
「ああ、まだ見つかっていない。間もなくクロエが狩猟場から戻ってくるはずだから……危険だ、お前はその場を空けておいてくれ」
「いえ、私にもお嬢様の屋敷の中へ入って探す許可をください。心当たりがあります」
少しの間、カリゴの真剣な眼差しを見つめていたアルドス公爵は、重々しく頷いた。
許可を得るや否や、カリゴは騎士たちが血眼になって捜索している二階へと一気に駆け上がった。しかし、百戦錬磨の騎士たちですら、やはり部屋の中で立ち尽くし、手がかりを掴めずにいた。
その時――。
カリゴの肩を、くちばしでコンコンとつついたチュンチュン園長が、勇ましく前へ躍り出た。
「どうした、園長?」
賢利な瞳をした鳥は、クロエのベッドの横にある、何もないはずの壁際へと飛び、そこをくちばしで規則正しく叩いた。
すると、まるでその壁の向こうに異空間が存在することを示すかのように、小さな黒い魔力の渦が一瞬だけ揺らめき、すぐに掻き消えた。
「何だ……? ここに何かあるのか?」
カリゴには、鳥のさえずりの正確な意味までは分からなかった。だが、アミウスと意思疎通を重ねてきたおかげで、動物たちの『意図』を察する能力は人一倍鋭くなっていた。
彼は瞬時に自身の足元から小さな影の塊を作り出すと、先ほど渦が現れた壁の隙間へと滑り込ませた。
そして、自分が放った影の視界と同調し、その暗闇の奥を確認した、まさにその瞬間――。
(――見つけた!)
ようやく、ずっと捜し続けていたココの姿が視界に飛び込んできた。
しかし、ココは助けを求めて外へ飛び出してこようとはしなかった。暗闇の最奥で、膝を抱えて小さく丸まり、ブルブルと激しく震えている。
影が近づく気配を察したココは、ぎゅっと頭をうつむけたまま、拒絶するように小さな声を絞り出した。
「こ、来ないで……!」
「ココ」
カリゴの声が影を通じて響くと、ココは本能的に、彼が自分を見つけ出したのだと気づいたようだった。
「ねえ、私……どうして見つけられたの……?」
「ただ、迎えに来たんだ。早くそこから出よう。ここは暗すぎる、君の顔もよく見えないじゃないか」
しかし、ココは頑なに首を横に振った。
「でも、外に出たら……」
「どうして躊躇するんだ? 何か問題でもあるのか? 誰かに何か酷いことを言われたのか?」
「ううん、そうじゃなくて……。私、今すごく醜いの……」
「……え?」
「こんな顔……お姉ちゃんにも、誰にも見せたくない……」
ココは小さな人間の手を伸ばし、カリゴの影をそっと押し返した。その拒絶の仕方は、病気にかかった野生の動物が、自分の弱った姿を周囲から必死に隠そうとして巣穴にこもる痛々しい姿、そのものだった。
そのあまりに壊れそうな拒絶に気圧され、カリゴはそれ以上、影をココへ近づけることができなくなってしまった。
ココはただうつむき、涙を流しながら体をさらに小さく丸める。
「ねえ……あと10分だけ……あと10分だけ、ここにいさせて……」
その消え入りそうな懇願を聞いたカリゴは、どうしても強引に踏み込むことができなかった。今無理に引っ張り出せば、彼女の心が完全に壊れてしまう気がしたからだ。カリゴは闇の渦の中へ入ることもできず、ただ茫然と、冷たい壁を見つめることしかできなかった。
* * *
その頃――。
物音ひとつしない、静まり返った広大な平原。
クロエは空へ向かって細い手をかざし、いくつかの精緻な視界探知の魔法陣を描いていた。
すると、それまで青く澄み渡っていた高い空に、彼女の魔力に応じるようにしてどす黒い闇が立ち込めた。まるで突如として現れた巨大な暗雲のようだ。今日の模擬狩猟の訓練は、ついに周囲の視界を完全に遮断するレベルにまで達していた。
皇宮舞踏会での暴走の危機をようやく乗り越えたからだろうか、強大な力を使う感覚には、まだわずかにぎこちなさが残っている。
(闇を塊のまま放つのは簡単だけれど、それを鋭利な槍の形へと変形させて正確に攻撃するのはまだ難しいわね……)
能力を行使するたび、体の内側がむずむずと疼くような特異な感覚がある。それでも、このまま練習を続ければ確実に上達できるという手応えはあった。
(この調子なら、悪くないわ)
クロエは満足そうに小さく頷いた。
「……けれど、しばらくは体に無理をさせないようにしないとね」
今日の過酷な訓練はこれで終わりだった。彼女は溢れる魔力を収束させると、足早にお屋敷へと戻る帰路についた。
(疲れたわ……。あの子は今日も、自分の別館で無邪気に遊んでいるかしら)
そんなココの愛らしい笑顔を思い浮かべながら本館の中へ入ろうとした、その時だった。顔を真っ青にした使用人の一人が、狂ったように走ってきてクロエの前で深く頭を下げた。
「ク、クロエ様! もしや、ココお嬢様とご一緒でしたか!? あるいは今日、お嬢様をお見かけになりませんでしたか!?」
「いいえ、見ていないけれど」
「そ、そそれじゃあ……!」
軽く返事をして立ち去ろうとしたクロエだったが、使用人の尋常ではない怯え方に、ぴたりと足を止めた。
「どうしたの?」
「そ、その……お嬢様が確かに別邸の中へ入られたのを複数の侍女が確認しているのですが、そ、その後、忽然と姿を消してしまって……どこを探してもいらっしゃらないのです!」
「……何? 誰がいなくなったって?」
心臓が冷水に浸されたように冷たくなる。
彼女の別邸の寝室には、自身の闇魔法で作られた『秘密の通路』がある。もし、あの幼くて無防備な子が、誤ってその危険な通路の隙間に入り込んでしまったのだとしたら――。
(危ない……!)
かつて、魔力の扱いに慣れていない侍女が誤ってその通路へ入り込み、闇の迷宮に閉じ込められて危うく命を落としかけたことがあった。それでも、これまでココがその通路に入り込むようなことは、ただの一度もなかったのだ。
安全だと思い込んでいた自分の屋敷が、あの子にとって最も危険な檻に変わってしまったかもしれない。そう思った瞬間、クロエの口の中はカラカラに乾ききった。
「まずは屋敷の中の闇を確認しないと――!」
クロエは走りながら、空中に素早く闇の魔法陣を描いた。
『秘密の通路から確認しなければ』
そう強く念じた瞬間、彼女の意志に呼応して、屋敷全体に張り巡らされていた闇の残滓が一斉にうごめき始めた。さきほどまで大規模な闇魔法の訓練を終えたばかりだったため、許容量を超えた魔力の反動で、体の奥から強烈な吐き気が込み上げてくる。だが、クロエはその程度の苦痛など微塵も気に留めなかった。あの子の命に比べれば、己の身体などどうなってもよかった。
漆黒の闇は、まるで意思を持つ濁流のように屋敷中の影を駆け巡る。押し寄せる最悪の不安を振り払うように、クロエは闇を使って一階の隅々まで一瞬で捜索を終えると、急いで自室のある二階へと階段を駆け上がった。
そして――。
自身の寝室の扉を荒々しく開け放った瞬間、ベッドのすぐ前に、ぽつんと立ち尽くしている人影を見つけた。
「クロエ様!」
険しい表情で壁をじっと見つめていた少年――カリゴ大公と、クロエの視線が交錯する。
「……虎(アミウス)から、ココがいなくなったと聞いた。だから今、急いで駆けつけたところだ」
カリゴの額にはびっしょりと汗が浮かび、肩で荒い息を繰り返している。
「大人たちはみんな、屋敷の中にはもういないと思って外の敷地を捜索しているが……」
「カリゴ、ココはどこなの」
「……俺の感覚では、ココはこの屋敷の中にいる気がしたんだ。だから、影を伸ばして、静かに耳を澄ませてみた」
息詰まるような沈黙が部屋を支配した。
するとその時、微かではあったが、何もないはずの壁の隙間の奥から、小さく小さく鼻をすする、愛しい子の泣き声が漏れ聞こえてきた。
「……中に、いるみたいですね」カリゴが静かに言った。
「ええ。この壁の中に閉じ込められているわ……ココが……」
通路の奥から響く、小さなすすり泣き。その声を聞いた瞬間、クロエは胸が張り裂けそうになるほどの衝撃を受けた。大切な妹が、自分の作った闇の中で泣いている。
「すぐに通路を開きます」
クロエの指先から、焦燥を含んだ漆黒の闇がゆらゆらと立ち上った。今すぐ空間を抉り開けて救い出そうとした、その時。
壁を見つめていたカリゴが、苦しげに首を横に振ってそれを遮った。
「……待ってください。違うんだ、クロエ様。ココはさっき、影を通じて『中へ入ってくるな』って……そう言っていたんだ」
クロエは闇の魔力を灯した手を止めたまま、凍りついたように小さくつぶやいた。
「……何ですって?」
あの子が、私を拒絶している?
信じられない言葉に、クロエの冷徹な瞳が、生まれて初めて激しく動揺に揺れるのだった。
要点は以下の3点です。
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ココの失踪と公爵邸の大騒動
お姉ちゃんの寝室に入ったはずのココが忽然と姿を消し、帝国一安全とされるアルドス公爵邸は私兵や使用人を総動員した大捜索で大混乱に陥ります。ココの異変を察知した動物たち(ネズミの生チュウ、鳥の園長、馬のサンダー)も連携し、カリゴへと危機を伝えます。
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カリゴによる発見とココの拒絶
アミウスや鳥の園長の導きでクロエの寝室へたどり着いたカリゴは、自身の影を壁の隙間に送り込み、隠し部屋の中で膝を抱えて泣いているココを発見します。しかしココは「今の自分は醜いから見せたくない」と激しく怯え、カリゴの助け出そうとする影を押し返して暗闇に閉じこもり続けます。
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クロエの帰還と衝撃の事実
訓練を終えて戻り、ココの失踪を知ったクロエは、体への負担も顧みず闇魔法の濁流を屋敷中に巡らせて妹を探します。寝室の壁の奥から聞こえるすすり泣きに胸を痛め、すぐに空間を抉り開けようとしますが、カリゴから「ココが入ってくるなと言っている」と告げられ、初めて浴びる妹からの拒絶に激しく動揺します。