こんにちは、ピッコです。
「悪党おじさんと暮らしています!」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
51話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 世界一不器用な保護者の贈り物
「――言ってしまった!」
花屋のお姉さんのことも、胸の奥に閉じ込めていたすべての恐怖も。
すべてを打ち明けた瞬間、胸のつかえがすっと取れていくのが分かった。まるで、ものすごく暑い日に氷をたっぷり入れたジュースを一気に飲み干したときのような、目の前がパッと開けるような爽快感だった。
やっぱり、カッセル叔父様に話して本当によかった。
「じゃあ、叔父様、おやすみなさい! あ、そうだ。叔父様が眠れないなら、私が子守唄でも歌ってあげようか?」
小さな胸を張って提案すると、叔父様はどこかあからさまに気まずそうな表情を浮かべた。
「……いや、いい。俺は明日も大事な仕事で耳を使わなければならないからな」
「えっ、そんなひどいこと言うの!?」
私がむっと頬を膨らませると、叔父様は形の良い唇をくすっと歪めて笑った。
「冗談だ。ほら、行って早く寝ろ。今寝ないと、一生チビのままだぞ」
「違うもん! ジェンダがね、私はいつもちゃんと寝てるから、これからぐんぐん背が伸びるって言ってたんだから!」
「ほう。だが、なぜ俺の目には毎日同じサイズに見えるんだ?」
ああ、さっきまであんなにかっこよくて素敵に見えた叔父様なのに、急に嫌いになりそうだった。
「……それは叔父様の目がおかしいんだよ!」
「ただ、お前の足が短いだけだろう」
「違うもん!」
私は抗議の代わりに、思い切り頭を下げて叔父様の逞しい胸に頭突きを食らわせた。けれど、全身が鋼のようにがっしりした叔父様は、びくともせずに「ふっ」と鼻で笑うだけだった。ちぇっ、全然効いてない。
「ほら、早く寝ろ」
「はーい……」
素直に頷いたのは、実は少し眠くなっていたからだった。張り詰めていた緊張が解け、叔父様にすべてを打ち明けた安心感からか、急激な眠気が小さな身体を襲ってきたのだ。
私は叔父様にパタパタと手を振って、「バイバイ」と別れの挨拶をした。
――あ、そうだ。
けれど、二歩も歩かないうちに、私はハッとして振り返った。もう少しで一番大事なことを忘れるところだった。
「叔父様!」
「今度は何だ?」
私はもう一度足早に近寄り、脇に大切な人形をぎゅっと抱えたまま、両手を叔父様の前へと差し出した。
「もちもちの、ちょうだい!」
「何をだ?」
「手紙!」
「何の手紙だ」
「ルスフェーからの手紙! 返事を書かなきゃいけないのに、叔父様、家に帰ったら渡すって言ったのにくれなかったじゃない。さっきルスフェーも気にして聞いてたんだから。早くちょうだい!」
すると、叔父様の表情がまたしても険しく、不機嫌そうなものに変わった。
「今はない。明日にしろ」
「ええーっ、読んでから寝たいのに」
「いいから早く寝ろ」
叔父様が一度こうなると頑固なのは知っている。私はしぶしぶ一歩後ろへ下がった。
「じゃあ、明日の朝には絶対にちょうだいね?」
カッセル叔父様の美しい眉が、ぴくりと吊り上がる。やっぱり、怒ると怖い悪党の顔だ……。
それでも、今日は私にとって特別な日だから。命の恩人でもある叔父様の無愛想さを、少しくらいは大目に見てあげることにした。
私はさらに歩み寄り、今度は叔父様の膝のすぐ近くまで顔を近づけた。
「今度は何だ」
「叔父様、耳を貸して」
「普通に言え。お前の声は十分に大きい」
「いいから、早く!」
急かすと、叔父様はため息をつきながらも、わざわざ長い脚を折って腰をかがめ、私と同じ高さに顔を近づけてくれた。
「ほら、十秒以内にさっさと言ってベッドへ行け。十、八、六、三……」
「ちょっと、数字がめちゃくちゃじゃない!」
呆れながらも、私はカウントダウンが終わる前に、叔父様の整った頬の真ん中にちゅっと音を立ててキスをした。
その瞬間、カッセル叔父様はまるで魔法で石にされてしまったかのように、その場で完全に固まってしまった。
私はそれを見てにやりと勝ち誇った笑みを浮かべ、素早く後ろへ下がった。
「えへへ。叔父様、明日はロンドおじい様に絶対に会ってね! おやすみなさい、叔父様!」
私はくるりと背を向けると、赤くなっているかもしれない叔父様の顔を確かめることもせず、一目散に自分の部屋へと走っていった。
・
・
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翌朝。
私は今日も、ジェンダが起こしに来るよりも前にパチリと目を覚ました。
「……」
カーテンの隙間から差し込む眩しい朝日を見つめていると、自然と胸の奥から幸せな笑みがこぼれてきた。
「おはよう、アイカ。朝からずいぶん機嫌がいいね?」
気の置けない相棒である精霊のセレが、今日は久しぶりに私の体の中から完全に這い出てきて、嬉しそうに半透明の尻尾を振りながら挨拶をしてくれた。
「うん、とっても!」
昨夜は、予知したような恐ろしいことは何も起こらなかった。
昼間に花屋のお姉さんにさらわれることも、夕方に悪いベルポイ・ロギス先生が不穏な笑みを浮かべて私の部屋へ入ってくることも、その後に続く、屋敷を揺るがすような大事件も――。
何一つ、起こらなかったのだ。
『じゃあ、これから未来はどうなるの?』
昨日、これ以上「証拠の石」を集めなくても、悪い人たちを捕まえるには十分な証拠が揃ったのかな?
お母様がいつか言っていた。証拠というものは、多ければ多いほど、そして正確であればあるほど良いのだと。
けれど、昨日までのあの押しつぶされそうな恐怖や不安は、もう綺麗さっぱり消え失せていた。たとえ私がどんなに恐ろしい未来を見ようとも、今の私には、すべてを解決してくれる頼もしい叔父様がいるのだから。
「あ、そうだ。アイカ、自分の枕の横を見てごらんよ」
「ん? ……あ!」
思わず声を上げた。
そこには、一通の白い封筒――ルスフェーからの手紙が、そっと置かれていたのだ。
叔父様、夜のうちにこっそり置いていってくれたんだ!
私は嬉しくなって、すぐに「叔父様!」と叫びながら部屋を飛び出そうとした。けれど、ベッドから片足を下ろしかけたところで、はっと動きを止める。
「あ……そうだった。叔父様、今日からすごく忙しくなるって言ってたんだっけ」
会いにいくのをぐっと堪え、私はベッドの上に戻ると、手ぐしで簡単に髪を整えてから、待ちきれない気持ちで手紙の封を丁寧に開けた。
昨日ルスフェーに会ったとき、手紙に何が書いてあるのか何度も尋ねたけれど、彼は顔を真っ赤にして最後まで教えてくれなかったのだ。
今日、私はルスフェーと彼の家で遊ぶ約束をしている。
私がルスフェーに乗馬を教えてあげると言ったとき、彼はちょっぴり得意げに『私はもう馬に乗れるし、専用の先生もいるんだよ』と言っていた。
『本当に? じゃあ明日、ルスフェーの家に遊びに行ってもいい?』
『うん。じゃあ明日、私がアイカを迎えに行くよ』
ルスフェーの家には小さな可愛い馬がたくさんいるから、私に見せてあげたいのだと、昨日はわざわざその約束をしに来てくれたのだ。一緒に乗馬を習おう、とも約束した。私が彼の家へ行くと言ったのに、ルスフェーは「僕が迎えに行く」と言って譲らなかった。
だから、彼が迎えに来る前に、早くこの手紙を読んでお返事を書かなくちゃ。
悪い人たちの証拠は、叔父様が戻ってきてから確認すればいい。私がこれ以上「別の悪い未来」を見なかったということは、すべてが問題なく叔父様の手へ渡るという証拠なのだから。
「よいしょ」
私は手紙と人形を抱えて、ベッドから勢いよく飛び降りた。これまで解けなかった謎も、今日ですべて解いてみせる!
実は昨夜、眠りにつく直前、頭の片隅でふっと思い出したことがあったのだ。
ころん――。
「あれ?」
絨毯の上を、丸くて硬い何かが転がった。見ると、お気に入りの人形の胸元についていた大きなボタンが、ぽろりと取れてしまっていた。
鋭い獣の爪のような模様が刻まれた、どこか古めかしくてかっこいいボタン。
「……あーあ。あとでジェンダに付け直してもらわなきゃ」
昨日まではあんなにしっかり付いていたのに。
「これは絶対にセレのせいだね。最近、隙さえあればこのボタンを口でつついて遊んでたでしょ」
ボタンと言うには少し不思議な形をした、その飾りを見つめながら膨れてみせる。
「そんなことないよ。飾りだっていうのに、それ一つしか付いてないんだもの。僕はあれ、あんまり好きじゃないな。見た目が不気味なんだもん。ただそれだけの理由さ!」
隣でセレが、むしろ取れて清々したとばかりに口を挟んできた。
「違うってば。私がこれが一番好きなの知ってるくせに」
「ふん。ボタンが取れたのは、別のかわいい人形に付け替えろっていう精霊の啓示に違いないよ」
「もう、セレったら……」
呆れる私に、セレはふと真剣な気配を纏って問いかけてきた。
「ねえ、アイカ。カッセルには、例の馬車の事故のことも話すつもりなの?」
「うん……。でも、もう少し記憶がはっきりしたら話そうと思ってるの。お母様が言ってたの。確かじゃない不完全な情報は、何も知らないことより危険になることもあるって。だから、もう少しちゃんと思い出せたら、絶対に叔父様にも話すつもり」
あらかじめ正確に伝えることができれば、私のせいで叔父様を無用な危険に巻き込むこともないはずだから。
「でも、もっと記憶が戻ってきたら、君の頭が痛くなっちゃうかもしれないよ?」
「……大丈夫。大切なみんなを守るためなら、犯人を見つけるためなら、私、何度だって思い出してみせるよ」
私には、守らなければならない大好きな人がたくさんいる。そして同時に、私のことを命がけで守ってくれる頼もしい人たちも、こんなにたくさんいるのだから。
「そうだね。それと、しばらくは無理をしちゃダメだよ。一度にたくさんの未来を見すぎたせいで、その小さな身体には休息が必要なんだから」
それは、私が何度も予知を繰り返したあと、セレが何度も私に言い聞かせてくれた忠告だった。
未来を続けて見るようになってから、最近はその能力が格段に強くなっているのを感じる。けれどその代償として、しばらく未来が見えなくなったり、ひどい知恵熱のように体調を崩したりする副作用があるのだという。
今のところ身体に異変はないけれど、セレの言う通り、しばらくは予知の力を使わないよう大人しくしていようと心に決めた。
「あ、うん。分かってる」
「でもさ、その変なボタン、本当に捨てないの?」
「捨てないって言ってるでしょ! また内緒で触ったら、もうセレとは遊んであげないからね」
「……ひどいなぁ! その間の抜けた人形より、僕のほうが大事だって言ってよ!」
「……」
「なんで黙るのさ! 言ってよ!」
セレとそんな賑やかなやり取りをしながら部屋を出ようと、ドアノブに手をかけた瞬間、向こう側からカチャリと扉が開いた。
「ジェンダ!」
朝食のお盆を持って入ってきたジェンダは、私を見るなり驚いたように目を丸くした。
「まあ、お嬢様。もうお目覚めですか?」
「うん! 今日はルスフェーと馬に乗る約束の日だもん!」
私は嬉しそうにジェンダの後ろをついていき、再び部屋の中へと戻った。
ジェンダがテーブルにお盆を置く間、私はお行儀よく椅子に座って待つ。ジェンダはお盆の上に用意されていた温かいおしぼりを私の手首に優しく当てて緊張をほぐしてくれたあと、汚れてもいない私の顔を、愛おしそうに優しく拭ってくれた。
私は顔を拭かれながら、片目を細めて、先ほど拾ったボタンを差し出した。
「ジェンダ、人形からこれが取れちゃったの」
「おや、まあ。糸でしっかりと縫い付けておきますね。あとで直しておきますから、心配いりませんよ」
「ありがとう! ――あ、おじ様は?」
「旦那様は、朝早くにお仕事があるそうで、すでにお出かけになりましたよ。今日は帰りが少し遅くなるそうです。それから、お出かけ前にお嬢様へ伝言を……」
その先に続く言葉は、言われなくても分かっていた。
「どうせまた、叔父様が『問題を起こすな、大人しくしていろ』って言ってたんでしょ?」
私が肩をすくめると、ジェンダはいたずらっぽく、にっこりと微笑んだ。
「いいえ。今日は『ケガをしないように、思い切り楽しんできなさい』とおっしゃっていましたよ」
「本当に!?」
「はい、本当ですとも」
「……今朝の叔父様、どこか具合が悪そうにしていなかった?」
「いつもと変わりなく、お元気そうでしたよ?」
おかしいな、昨夜あんなに「死んでしまう」なんて深刻な顔をしておいて、今朝はそんなに引きずっていないなんて。信じきれない気持ちはあったけれど、それでも叔父様が無事で、私を気遣ってくれたと聞いて、胸の奥がじんわりと温かくなった。
・
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顔を洗い終え、ジェンダが手際よくお出かけの身支度を整えてくれている間に、私はようやくルスフェーの手紙を広げた。
今日も【アイカへ。こんにちは】という、ルスフェーらしい丁寧な挨拶から手紙は始まっていた。
ルスフェーは一度も言葉を書き間違えたことがなく、最近は以前よりもずっと字が綺麗になっていた。今日も、まるで貴族の手本のような整った美しいフォントが並んでいる。
【アイカへ。今日はどんな一日を過ごしているかな?
僕は今、手紙を書きながら、午後の授業が始まるのを待っているよ。
帝王学の講義では、今日が軍事学基礎の最後の授業なんだ。これが終わったら、初級課程へ進む前に一週間のお休みになるらしい。
ほかの座学はあるけれど、明日あと一日だけ頑張れば、週末までは授業がないんだ。
それでね……。
アイカ、今度一緒に人形劇を見に行かない?
実は僕、一度も見たことがないんだけど、糸で操る人形たちがお芝居をするんだって。不思議な宝物を探すために旅に出る、動物たちの冒険物語らしいよ。
毎週水曜日と日曜日に上演されているんだって。
博物館に行くのと同じくらい、きっと面白いと思うんだ。
今週の水曜日はどうかな?
ぜひ、アイカと一緒に見に行きたい。アイカと初めての人形劇を一緒に体験できたら嬉しいな】
私は手紙を半分ほど読んだところで、ふと動きを止め、顔を上げた。
「あ……」
手紙の一番下に書かれた日付を、二度見する。
ルスフェーがこの手紙を書いたのは、今週の月曜日。
ということは、彼が誘ってくれていた「水曜日の人形劇」は――まさに、大変なことがたくさんあった『昨日』のことだったのだ。
昨日の昼間、ルスフェーがこの屋敷に遊びに来てくれたとき、彼は人形劇のことについて何も言わなかった。だから私はまったく気づかなかったのだ。
「……違うわ!」
「お嬢様、どうかなさいましたか?」
「ううん、なんでもないの!」
昨日、彼が言っていた言葉が脳裏に蘇る。
『数日前、アイカに手紙を送ったんだけど……届いた?』
『別に……大したことじゃないよ。手紙を読めば分かるから』
水曜日に行こうって誘ってくれていたのに、私から一向に返事が届かないから、ルスフェーは「断られたのかな」ってずっと気にしていたのだ。それなのに、昨日の私は久しぶりの再会が嬉しくて、枕投げをして思い切り遊んで、手紙のことなんてすっかり忘れてしまっていた。
もしかしてルスフェーは、私が手紙を読んでいないと知って、私が気まずい思いをしないようにあえて何も言わずにいてくれたのだろうか。彼のどこまでも優しい気遣いに気づき、胸がキュッと締め付けられる。
でも、今日これからまた会う約束をしているんだから!
手紙をちゃんと読んだことを伝えて、新しくお返事を書けば、ルスフェーの沈んでいた気持ちもきっとパッと晴れるはずだ。
水曜日と日曜日に公演があるって書いてあったのだから、「今度の日曜日に行こう」って誘えばいいんだわ。
私はもう一度、手紙を愛おしそうに最後まで読み終えた。
返事は遅れちゃったけれど、それでも私たちは昨日、遅くまであんなに楽しく一緒に遊べたのだから、きっと大丈夫。
私は手紙を折り目に沿って丁寧にたたみ直し、しわにならないように大切に扱った。そして椅子からぴょんと降りると、ベッドの上の封筒にそっと戻し、机の引き出しの特等席へと仕舞い込んだ。あとで、お気に入りの絵本に綺麗に挟んでおこう。
「ジェンダ、私、今度の日曜日もルスフェーと遊んでもいい?」
私の気の早いおねだりに、ジェンダはくすくすと楽しそうに笑った。
「お嬢様、今日のデートもまだ始まっていないというのに、もう日曜日の約束までしてしまうのですか?」
「だって! ルスフェーが人形劇に誘ってくれたのに、叔父様が手紙を渡すのを忘れてたせいで、水曜日に行けなかったんだもん! でもね、日曜日にも同じ劇をやるんだって」
「ああ、なるほど。それで昨日、ケルポディア伯爵様(カマエ様)がお嬢様のご予定を気になさっていたのですね。必要な準備は、私の方で前もってすべて済ませておきますから安心してくださいね。――さあ、お嬢様。お話の途中ですが、そろそろ朝食にいたしましょうか? 今日は初めて『乗馬服』をお召しになりますし」
「じょうばふく……?」
きょとんとして首を傾げる。いつの間に、そんなものまで用意されていたんだろう?
昨日、叔父様から乗馬の許可をもらったときも、「ルスフェーと一緒に馬に乗る」とだけ言って、そのまま慌ただしく会話が終わってしまったはずなのに。
「昨日、ご主人様――カッセル様が手配してくださったようですよ。朝早くに仕立て屋から届いておりました。お嬢様にとてもお似合いになると思いますわ。朝食のあと、すぐにお見せしますね」
叔父様が……?
あんなに口では意地悪ばかり言うのに、裏では私のためにそんな素敵な贈り物を用意してくれていたなんて。一体、どういう風の吹き回しなのだろう。やっぱり、叔父様は世界一不器用で、世界一優しい保護者だ。
「じゃあ、早く行こう!」
私は嬉しさを隠しきれず、ジェンダの手をぎゅっと引っ張って、弾むような足取りで部屋を飛び出したのだった。
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叔父と姪のお茶目なやり取りと不意打ちのキス
すべてを打ち明けてスッキリしたアイカは、カッセルと軽口を叩き合いながら頭突きを食らわせる。部屋に戻る直前、ルスフェーの手紙をねだるも翌朝に焦らされたアイカは、おねだりの代わりにカッセルの頬に不意打ちのキスをして部屋へ逃げ帰る。
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翌朝の目覚めと、カッセルが残した優しさ
翌朝、予知された悲劇が何も起きなかった平和な朝を迎える。枕元にはカッセルが夜のうちに置いてくれたルスフェーからの手紙があり、さらにカッセルが「怪我をしないよう楽しんでおいで」とジェンダに伝言を残してくれていたことを知り、アイカは叔父の優しさに安心する。
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ルスフェーの手紙と、日曜日への新たな約束
ルスフェーからの手紙を読んだアイカは、彼が昨日(水曜日)の人形劇に自分を誘おうとしていた意図に気づく。返事が遅れたことを申し訳なく思ったアイカは、次の日曜日に人形劇へ行く約束をしようと決める。さらに、カッセルが裏で新しい乗馬服を手配してくれていたことを知り、大喜びで朝食へ向かう。