こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は169話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
169話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 執念
呪い、悪口、誹謗と非難、脅迫と嘲弄。
このすべてを口を痛く浴びせたところで何の役に立つだろうか?
全く効かない人間に怒りをあらわにしても、すでに犯されていることなのだから。
私だけが苦労するだけではないだろうか?
それで私は平静を保つことにした。
だからといって、皮肉を言わないというわけではなかったが。
「大変なことになったんだ。なんとバレンティーノ枢機卿が偶像崇拝をして。正直、本当に驚いたことは認めるよ。私がそんなに恋しかったの?」
「・・・」
「なんで黙ってるの?あなたの望み通りに全部叶ったじゃないか。嬉しくてダンスでもするのが普通じゃないの?エンツォまで手に血一滴もつけずに送ってしまったのだから」
「・・・エンツォ兄さんがそんなに嫌だったの?嫌いだということはいつも知っていたが、殺すほど憎んでいるとは知らなかったわ」
黙ってじっと私を凝視していたチェシアレがゆっくりと口を開いた。
無愛想で非難するような口調で。
「あなたのせいじゃないか」
「え・・・?」
「あなたが意地を張って、あの場所にいついていたせいで、私がそんな手を使うしかなくなったんだよ。誰があいつをあんな風に捨てたかったと思ってる。殺そうとするなら私の手で直接殺した」
そうだね、こうやって出た方がお前らしいよ。
私はいらだたしく手をさっと振る。
心の中では涙をぽつりぽつり流していたが。
「まあ、そうだとしよう。どうせあのチンピラがどうやって死んだとしても、私の知ったことじゃないから。それでもあなたが一体私と何をしようとしているのかはちょっと知りたいんだけど?」
濃い青の瞳が私の目を射ぬく。
見抜くように、見抜こうとするように・・・。
見慣れた視線だった。
首筋にひりひりするような冷たい感覚がするのを必死に抑える刹那。
「ずいぶん高慢になったね」
「・・・」
「まずは正式に離婚を公表することから始めるべきだな」
「離婚ですって?」
「離婚と言うべきか、婚約取り消しと言うべきか、他の時だったらいくら教皇庁でも難しいことだが、他でもない私の弟であり、法王の息子がエレンディルで原因不明の情況で殺害された状況だ。名分は満ち溢れてる」
このようなやり方で戻ると予想はしたが、実際に直接耳で聞いていると、怒りが込み上げることができず、呆れるばかりだ。
「お父様はどこにいるの?」
「なぜ、私があなたを連れてくるために何までしなけれはならなかったのか、全部言いたくなった?」
「お父様が今元気だったら、兄さんがそんなことをしたと思う?」
「反論できないね。君を見たらとても喜ばれるだろう。ついてこい」
多くの記憶が溶け込んでいるロマーニャの家、ボルヒア邸。
ここを離れてからやっと半年余りに過ぎないが、とても久しぶりに帰ってきたようにすべてが不慣れで後ろめたい気持ちだった。
教皇聖下、エウゲニオ6世、フランチスコ・デ・ボルヒア、私たちの父。
彼は自分の寝室にいた。
チェシアレに沿って入ると、大きくて美しいベッドの周りを囲んで座った女性たちが一斉にこちらを振り返る。
お腹が膨れたレディー・ジュリアと新情婦のような見慣れない若い女性、そしてチェシアレとエンツォの母親レディー・アデラまで。
一様に驚いた顔ではあったが、チェシアレがあらかじめ言質しておいたのか何も言わなかった。
法王の身辺に何が起こったと推察しようとしたがこんなことだったとは・・・。
何はともあれ雰囲気を見るとかなり危篤な様子だ。
息子が毒を盛ったのか?
私は弱々しい父をじっと見つめているチェシアレを通り過ぎ、ベッドに近づく。
鋼鉄も噛んで食べそうだった男がいったいどうやって体調を崩しているのか、確認はしてみないといけないんじゃないか。
私が近づくと、アデラが私に席を外してくれた。
厚い布団に埋もれたまま横になっている法王は、あっという間に姿を消したようだった。
最後に見た時よりずっと老けてしまったようだ。
痛いせいかな。
お父様。
私にとって前世も現生も暴君そのものだった存在。
ある面ではチェシアレよりもっと恐ろしくて崩すことができない壁のように感じられたりもした彼が、このようにみすぼらしく軟弱に見える日が来るとは予想できなかった。
私の視線を感じたのか、死んだように目を閉じていた法王が腫れたまぶたを持ち上げる。
息子たちとそっくりな濃い青い瞳がしばらく私の顔をじっと見つめ、徐々に大きく広がった。
この上なく面白いことに、喜びと歓喜に満ちた表情で。
「おお・・・」
「・・・」
「帰ってきたのだな、カルメン・・・」
何だって?
全く予想できなかった名前に魂が抜けてしまったのは私だけではないようだ。
寝所の中に集まったみんなが同時に我を忘れてしまった。
甚だしくはチェシアレさえ無表情だった目つきを少し大きくしている。
レディー・カルメン。
コルチザンであり、法王の無数の情婦の一人だった女性。
私としては顔すら知らない、私を産むやいなや死んだ母。
無数の情婦の中の一つだっただけだろうと思ってきたが、みんなそう思っているようだったが、なんと意外な・・・。
布団の外に抜け出した熱い手が、魂が抜けた私の手を包んで握る。
しわの寄った目じりに涙がにじんだ。
私は身動きもできなかった。
「なぜ今になって帰ってきたのか・・・とても・・・あまりにも長く待った・・・」
「・・・」
「私の愛、あなたがとても懐かしかった・・・とても懐かしくて・・・とても・・・」
みんなどうしたんだろう?
みんなどうしてこんな様子なんだろう?
むしろあなたたちがみんな心臓が氷でできた怪物に見えた時がはるかに良かったような気もする。
私が一体何であなたたちを理解できるの?
チェシアレの執念がしつこい!
法王も危篤状態ですし、チェシアレが全ての実権を握っている様子。
イースケの救出が待ち遠しいです。
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