こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は300話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
300話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 対峙②
「これ以上時間を稼ぐ必要はないだろう。ジェームズ」
フランチェ大公は、これ以上レンのリズムに合わせる必要がないと感じ、第2騎士団長ジェームズを呼んだ。
そうでなくても苦労して抱き込んだ副騎士団長ペリンを殺したレンに悪感情を抱いた彼が前に出て頭を下げる。
「片付けなさい」
「はい、大公殿下!」
命令を受けたジェームズがレンを殺すように睨みつけ、剣を抜いた時だった。
「大公殿下、あそこを見てください!」
後尾を引き受けた騎士の叫びに、レンと対峙中だったフランチェ大公とベロニカが後ろを振り返る。
地面を鳴らす振動と共に聞こえてきた馬のひづめの音が次第に大きくなり、剣を握った一群の集団が飛び出して退路を遮断した。
「なんてやつらなんだ!」
謎の武装集団の登場に、第1騎士団長のフェリンが自ら駆けつけ、後尾を引き締めた。
突然の奇襲で隊列が乱れることを念頭に置いた対応だ。
フェリンの警戒心に満ちた視線が謎の敵をさっと通り過ぎる。
平民が主に着る服装をしていたが、剣を持った姿勢から見て、ただ者ではないという印象を受けた。
また、「帝国最高の武力集団」と呼ばれる大公家の騎士団に対抗しながらも動じなかった。
精神的にも鍛えられているということだ。
その時、武装集団の間から白馬に乗った男が馬を駆り出す。
漆黒の夜まで飲み込めそうな黒髪。
大海原のように深く静かな視線。
しかし、その穏やかさの中に隠された熱気は溶岩より熱かった。
「皇太子!」
シアンがあごを少し上げては、レンと対峙中のフランチェ大公をじっと眺める。
その視線が彼の存在感をフランチェ大公に周知させた。
「散開しろ!」
フィギンの指揮の下、密集していた皇宮近衛隊員たちが一糸乱れず間隔を広げる。
後尾を遮断すると同時に広く広がり、敵を包囲する形となった。
フランチェ大公が呆れたように頬をびくびくさせる。
シアンが連れてきた皇宮近衛隊の数は約50人前後。
レンが率いるバスタージュ家の騎士団と合わせても70人に満たなかった。
大公家の騎士団と比べて3分の2にしかならない戦力で包囲網を構築するということ自体が無謀で情けない選択だ。
フランチェ大公は馬の頭を回してシアンに近づく。
レンとシアンの真ん中で、彼が形式的な挨拶をした。
「殿下にお目にかかります」
「大公」
シアンは相変わらず彼から目を離さなかった。
言葉では言い表せない深い感情の溝が感じられる。
「ただでさえ伺おうと思っていたのですが、このように訪ねてきて手間を省くことができました」
「・・・」
「屋敷の見物はうまくできたかな?大公家が気になったなら、私に言えばよかったのに?いつでも見物させてあげる用意があったのだから」
フランチェ大公の口元にゆったりとした笑みが広がる。
彼にとって大公家はただの滞在場所に過ぎなかった。
本当の大公家は彼がいるところなのだから。
彼がいるところなら、荒れ地でもそこが本当の大公家だ。
「ああ、陛下のご様子、ご心配ではございませんか?」
フランチェ大公は意味深長な笑みを浮かべながら挑発する。
沈黙していたシアンの唇が少しずつ開いた。
「陛下は・・・」
シアンが言葉を濁した。
バスタージュ家に来てエレナに知らせを聞いた。
脱出を拒否したリチャード皇帝が大戦に残ってフランチェ大公を迎えたということを。
それが何を意味するのか、シアンは誰よりもよく知っていた。
リチャード皇帝は、死を通じてシアンが展開しようとする新しい帝国の土台になることを選択したのだ。
シアンは歯を食いしばって涙をのんだ。
決して父親の死を無駄にしないと、崇高な犠牲だけに貴重な結果物で応じると決心した。
「陛下は何ですか?私が代わりに話してあげましょうか?死にました。血まみれになってね」
「ベロニカ」
シアンは故人への侮辱に彼女を睨む。
穏やかな波のように静かな目つきの下に、激流より激しい怒りの渦が吹き荒れた。
ベロニカは爆発直前のシアンには関心がないように頭を耳の後ろに向けながら言った。
「どうしたんですか?とっくに私のそばで息を殺していたら、陛下も険しい顔をすることはなかったでしょう」
「・・・」」
「どうしようもないでしょう。根も葉もない女に取り付かれて、事理の分別もつかないほどだったから。個人的に殿下がとても気に入ったが眼目がそれしかならなかったら・・・死ななければならないでしょう。仕方ないじゃないですか?」
残忍に笑うベロニカの微笑は、シアンに向けた一抹の未練さえ見せなかった。
サロンでエレナの肩を持って彼女を侮辱したことを今でも鮮明に覚えているのだ。
その時のことで、ベロニカはシアンを頭の中で消した。
その前までは、帝国で彼女を最も引き立たせてくれる血統の男だったが、今はそうではなかった。
「Lがいなかったら、あなたの言う通りにしていたかもしれないね」
エレナに会って考えの転換を持てなかったら、約束もない機会をうかがうと虚しく歳月をかけて老いていった可能性が濃厚だった。
「無能で失敗した皇帝」として歴史のページに書かれたのだろう。
「彼女は私を変えた。その結果がこれだ」
「本当に最後まで・・・」
ベロニカの口元がゆがんだ。
こんな状況でもあんな女を擁護するシアンを見ると、彼の骨と肉を取ってしまいたい気持ちだった。
「だから死ぬんです。惨めに」
これ以上の会話は無意味だ。
お互いに立って相手の命を望む以上、どちらか一方が死を迎えるしかなかった。
「風が冷たいね」
フランチェ大公が顔を上げて夜空を見上げる。
33年前のあの日もこうだった。
月明かり一つない夜空は静かで、頬をかすめる風は冷たかった。
皇室を覆すには至極の日だ。
「片付けろ」
再びフランチェ大公の命が落ちると、第1騎士団長のフェリンがシアンを、第2騎士団長のジェームズがレンを殺そうと飛びかかった。
「今日で帝国の歴史を書き直す。その先鋒には私が立つ。従え」
シアンは決意に満ちた目で剣をぎゅっと握りしめ、皇宮近衛隊を率いて敵とぶつかる。
「さあ、私たちも遊んでみようか?」
レンは血の滴る剣を取り直し、にやにやと笑う。
怒った野獣が暴れ出そうとしていた。
ついに大公家と衝突。
シアンも心配ですが、レンの体調は大丈夫なのでしょうか?
増援が来ないと厳しい状況ですね。
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