こんにちは、ピッコです。
「悪党おじさんと暮らしています!」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
54話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 幼き日の記憶
数日が過ぎた。
「叔父さん、今日も来ないの?」
私の問いかけに、ゼンダは眉を下げて優しく私の頬を撫でた。
昨日は短い時間だったけれど、久しぶりに皇宮へ行ってレフスにこの間の出来事を話し、謎を解くための情報を一生懸命集めていた。
すぐにでも手がかりが見つかりそうなのに、あと一歩のところで掴めないでいる。けれど、もうすぐ何かが分かりそうな予感がしていた。
ただ……ここ数日、叔父さんの顔を一度も見かけない。
「ご主人様は本日も少しお忙しいようです。夜中にお戻りになりましたら、お嬢様を必ずお起こしいたします。本日はもうお休みなさいますか?」
お祖父様の屋敷へ行った時は、もっと長く会えないこともあった。
けれど、それは叔父さんが家にいると分かっている時のことだ。今は叔父さんがどこで何をしているのかも分からない。
今日はなんとなく会えそうな気がして、夜までずっと待っていたのに。
乗馬で少し上手くなったことも忘れないうちに話さなきゃいけないし、人形劇を見に行く約束のことも伝えなきゃいけない。
本当は先週の日曜日に行く予定だったけれど、ルスフェーの急な用事で今週の水曜日に延期になったのだ。
――それが、まさに明日のこと。
その間に私も少し成長したんだよって、叔父さんに早く伝えたかった。
「うん……休む」
それなら、あと一日だけ待とう。
明日は叔父さん、来てくれるかな。
少し名残惜しさを感じながら、ゼンダがボタンを綺麗に付け直してくれたぬいぐるみをギュッと抱きしめ、私はベッドに潜り込んだ。
一方――。
「三人のうち一人だけは解放してやる」というカッセルの言葉をすっかり信じ込んだセトたちは、必死に身を乗り出していた。
「で、では……私たちを助けてくださるのですね!?」
「私の一番重要な話が、一番役に立ったはずです!」
「私は直接聞いた話だけを伝えただけです! 私の話が一番正確だ!」
互いに自分だけは助かろうと我先にと叫び、一人が自白を始めれば、隣の者がその内容を補足して手柄を誇張しようとする。あまりの浅ましさに呆れる暇すらなかった。
彼らの自白はすべて、特殊な魔道具である『映像球』に漏れなく記録された。
「まとめろ」
カッセルは椅子から立ち上がり、踵を返した。
「は、はい! お一人だけは助けてくださるとおっしゃいましたよね!?」
遠ざかるベルポイ・ロギスの背中に向かって必死に叫ぶセトへ、カッセルはゆっくりと横顔だけを向けた。
「私が? 覚えてないな」
そっけなく言い捨て、カッセルはそのまま部屋を出て行った。
その場には、絶句したセトだけが取り残された。
倉庫を出たカッセルのもとへ、レトが静かに歩み寄る。
「ロドの件も、今のところ問題ありません。あとは証拠の筆跡鑑定を行えばすべて終わります」
「バロンは?」
「お嬢様と大変有意義な時間を過ごせたと伝えてほしい、とのことです」
「そうか。なら、あちらにはもう少し匂わせておけ」
「かしこまりました、主君」
「馬車を用意しろ」
用意されていた馬車に乗り込んだカッセルは、上着のポケットに手を突っ込んだまま動きを止めた。指先に、カサリと何かが触れたのだ。
僅かに眉をひそめ、手を引き抜く。
手のひらに乗っていたのは、小さなキャンディがひとつ。
(……さっき急いで着替えたばかりだが、こんなものが入っていたとはな)
しばらく手の上のキャンディを見つめていたカッセルは、包み紙を剥いて口に放り込んだ。
いちごの甘酸っぱい味が広がっていく。
張り詰めていた目元が、ほんの少しだけ和らいだ。
ふっと、唇の隙間から吐息が漏れる。
「出発しろ」
カッセルは、疲れたようにそっと目を閉じた。
「お二人とも、決して離れず、必ず私たちの見える場所にいてくださいね」
「「はい!」」
私とルスフェーは、目的の人形劇場へとやってきていた。
手を繋いだまま、ジェラードとカマエの注意事項に何度も深く頷く。何度も「分かりました」と答えているのに、ふたりは「くれぐれも気を付けてください」と繰り返した。
ただでさえ周りには護衛のおじさんたちが大勢いるのに……。
長々と続いた注意をようやく聞き終え、私たちは劇場の中へ入って席に就いた。
「不思議なところだね」
前方には一段高くなった舞台があり、重厚な赤いカーテンが下ろされていた。
最前列の席だったが、薄暗いオレンジ色の照明のせいで、隣に座るルスフェーの顔にも少し影が落ちている。
「ここでかくれんぼをしても楽しそうだよね?」
そう言いながら暗い後方を見回すと、私たちと同じくらいの子どもたちや大人たちで席が埋め尽くされていた。子ども向けの人形劇だからか、圧倒的に子どもの姿が多い。
「……ん?」
「どうしたの、アイカ?」
私は首をかしげた。
薄暗い照明の中、客席に座る何人かの子どもの胸元で、長方形の四角い何かがキラリと光って見えたのだ。
(あれは何だろう……?)
もっとよく見ようと、椅子の間から顔を覗かせた瞬間、オレンジ色の明かりが消えて辺りが真っ暗になった。
「アイカ、もう始まるみたいだよ」
「うん!」
私は慌てて体を引いて座り直した。
ルスフェーと小さく囁き合っていると、舞台だけが再び明るく照らし出された。
穏やかな演奏とともに、赤い幕がゆっくりと左右へ開いていく。
ゴトン、ゴトン!
シャーッ!
カタカタ、カタカタ!
「馬車の音だ……!」
驚いてルスフェーに小声で打ち明ける。
「ヒヒーン! ブルルル――」
「馬の鳴き声も聞こえる」
「本当だ、すごい! 馬車まで入ってきたのかな?」
「このカーテンの向こうには、本物そっくりの音を出せる人たちがいるんだって」
深く頷きながら、私は舞台に引き込まれていった。
小さな人形が、カーテンの陰からそっと顔を覗かせる。不思議なことに、人形たちはまるで本当に人間が話し、動いているかのように滑らかだった。口まで動いていて、本当に生きているみたいだ。
場面が変わるたび、幕が閉じてはまた開く。
『誰かが追いかけてくる!』
そう叫ぶと、主人公の人形は慌てて舞台の反対側へ駆け出した。後ろから、仮面をつけたふたりの人形が馬車を追いかけてくる。
『捕まえろ!』
ガタガタと揺れる効果音とともに、舞台は馬車の中の場面へと切り替わった。
『だめだ!』
シャキン――!
仮面の人形が剣を抜く音が劇中に響き渡った、その瞬間。
頭が割れるような激痛が、私の脳裏を襲った。
「……あっ!」
あまりの痛みに、両手で頭を強く抱え込む。
「アイカ!?」
ルスフェーの呼ぶ声が聞こえたけれど、私は唇を噛みしめたままギュッと目を閉じることしかできなかった。
剣がぶつかり合う音を聞いた途端、またあの日の記憶に引きずり込まれるように、目の前に残像が広がったのだ。
――また、あの仮面の男。
目が合った時の光景よりも、ほんの少しあとの場面だ。
『シモア』
誰かを呼ぶ声とともに、馬車から降りてくるふたりの男が見えた。
隣にいた男が、仮面の男へ小さな袋を差し出している。
『ペンディベルの薬がまた必要になったら訪ねて来い、と』
そこでブツリと、映像が途切れた。
頭の痛みは、いつの間にか消え去っていた。
前を見つめたまま、私は何度も瞬きを繰り返す。
(ペンディベル……)
もう、舞台の上で人形たちが何を話し、どんな場面が繰り広げられているのか、まったく頭に入ってこなかった。
似たような音や出来事を経験するたび、その衝撃が頭に伝わってくる。そして、そのたびに失われていた記憶が少しずつ戻ってくるのだ。
(記憶を取り戻すには、これからもこうやって衝撃を受け続けるしかないのかな……?)
それが一番早い方法なのかもしれない。そうすれば、もっと確かな手がかりが得られて、もっと早く犯人を見つけられる。
決して望ましい方法ではなかったけれど、背に腹は代えられない。
(これしかないのかもしれない……)
人形劇が上演されている間中、私の頭はその考えでいっぱいだった。
「今日は楽しかったね!」
「うん、アイカと一緒だったから楽しかった」
物語はハッピーエンドで幕を閉じた。悪者たちは退治され、良い人たちは助けられて全員幸せに暮らしました――という結末だ。幸い、後半は再び劇に集中することができた。
最後に登場人物の人形たちが舞台に勢揃いし、
『みなさん、また会いましょう!』
と挨拶していたのが可愛らしかった。
「バリエルト公女様?」
後ろから声をかけられ、私はハッと振り向いた。そこに立っていた女の子の顔を見て、思わず笑みがこぼれる。
「コービン!」
駆け寄って、私はコービンの両手をぎゅっと握った。
「まぁ! そんなに気安く手を握られたら困りますわ!」
「久しぶり、コービン! コービンも人形劇を見に来てたの?」
「……はい。公女様もでしたの?」
「うん! もっと早く会えたらよかったのに!」
「実は、先ほど劇場の中で公女様をお見かけしましたの」
「声をかけてくれればよかったのに~!」
「ですが、上演中にお声をかけるのは礼儀に反しますから」
「そ、そうなの……?」
相変わらずコービンは礼儀正しいんだな、と感心する。
「でもコービン、気楽に話そうって言ってたじゃない」
指摘すると、コービンは慌てて口を両手で覆った。
「あ、そうでした……!」
思わずプッと吹き出してしまう。
「え?」
その時、ふとコービンの首元に視線が止まった。あまりの違和感に、目を見開いてしまう。
コービンの胸元には、私のアレよりは少し小さいものの、金色のネームプレートが飾られていたのだ。そこには、はっきりと『コービン・ローレル』と刻まれている。
「……コービン」
「あ、あっ、これは……!」
コービンは慌てて胸元を手で隠した。私はそんなコービンを、心底気の毒そうな目で見つめた。
まさか、コービンまで私と同じ苦労をさせられていたなんて。私だけじゃなかったんだ。
「コービンのお父さんも……これをやれって言ったの?」
「え? うん?」
「コービンのお父さんも、『これをやらないと仲間外れにされる』って言ったの?」
「ち、違います……!」
「かわいそうに……私だって本当はこれ付けたくないのに、いつも我慢してるんだよ」
コービンは目を丸くしてパチパチさせた。
「違うんです! 最近はこれが流行ってるんですよ! ……だから、無理にやらされてるんじゃなくて、流行なんです!」
「流行……?」
「いったいどうして急にこんなことが……?」
首をかしげる私に、コービンはある場所を指差した。
その指先を追うと、劇場から出ていく他の子どもたちの首元にも、小さめの名札がキラキラと光っているのが見えた。
つまり、さっき暗闇で光っていたのは……。
「アイカがこれを着けて宴会場に来てから流行ってるんだよ。へ、へへ! 私はもちろん、アイカの友達だから……その、着けたんだ!」
「ううん、違うの。そんなことしなくていいんだよ、コービン。どうしてこんなことを……」
心から切なさそうな表情でコービンを見つめる。
「もしかして……真似するのが嫌だった……?」
「ち、違うの! 違うんだけど、これはちょっと……その、うーん」
本当は『真似するのは恥ずかしい』と言いかけたのだが、コービンが愛おしそうに金色の名札を優しく撫でているのを見てしまった。
「ううん、いいの! すごく素敵だよ。コービンの名札、とっても綺麗……!」
だから、言おうとした言葉をギュッと呑み込んだ。
ちょっと理解はできないけれど、コービンが気に入っているならそれが一番だ。
「アイカの名札が一番綺麗だよ。一番キラキラしてるし、一番大きいしね! でも、まったく同じにはできないから」
「うん、コービンの言う通りだね!」
私は深く頷いた。
街でこれだけ名札が流行っているなら、「みんな付けてるから外しても大丈夫」とおじさんにこっそり聞いてみよう、と心の中で企みながら。
「お嬢様、そろそろお時間です」
ゼンダが歩み寄ってきて、申し訳なさそうに声をかけてきた。コービンの世話係のお姉さんも帰る時間だと促している。
「あ、もう帰らなきゃ。名残惜しいけど……」
「……私も」
コービンの声が小さくなる。私はもう一度、コービンの手をギュッと握りしめた。
その時、素敵な思いつきが頭に浮かんだ。
「コービン! それなら今度は、私がコービンをお茶会に招待してもいい?」
コービンの瞳がぱあっと輝いた。
「本当に!?」
「うん! レフィネで遊んだ時みたいに、また一緒に遊ぼう」
「アイカのおうちで?」
「うん! 招待状送るね!」
「嬉しい! 招待状をもらったら、ちゃんと準備して行くね!」
嬉しそうに微笑むコービンと約束を交わし、私たちは別れた。
私はルスフェーのもとへ駆け寄った。
「ルスフェー!」
「うん?」
「コービンとお茶会の約束をしたの。ルスフェーにも招待状を送っていい?」
「みんな一緒に?」
「うん!」
ルスフェーは少し首をひねって考えたあと、にっこりと微笑んだ。
「うん、もちろんだよ」
劇場を出ると、街はすっかり茜色に染まっていた。
「ルスフェー、また遊ぼうね!」
「うん、アイカも気をつけて帰ってね」
「ルスフェーもね!」
大きく手を振ってルスフェーを見送り、馬車へ乗り込む。
「ゼンダ、ジェラード。今日は本当に楽しかった。今度は叔父さんも一緒に見に来るね」
「次はぜひ、ご主人様もご一緒にいらしてください」
「うん! そうする!」
馬車が走り出して三十分ほど経つ頃には、外はすっかり暗くなっていた。
しかし、家に向かっているはずの馬車は、叔父さんの屋敷でも私の自宅でもない方向へ進んでいた。
見覚えのある景色ではあるけれど、我が家への帰り道ではない。
(どこへ行くんだろう……?)
首をかしげる私の様子を、物陰からじっと観察している視線があった。
ジェミエルの手下が、レギアの動向を監視しながら好機を伺っていたのだ。
「公女の外出を確認しました。まだ気づかれておらず、そのまま追跡を続けています」
「バリエルト公女の確保に成功しました。ご主人様、今が好機です!」
報告を受けたジェミエルは、勢いよく立ち上がった。
「そうか、お前もこれで終わりだな。はははは!」
卑しい笑みを浮かべ、暗躍を開始するのだった。
「ねえ、私たちどこへ行くの? 家には帰らないの?」
「……どうしてお分かりになったのですか!?」
ジェラードが目を丸くして驚いた。私は窓の外を指差す。
「だって、おうちへ帰る道じゃないもん」
いつも無口で外を眺めてばかりいたから、ジェラードは私が道を分かっていないと思っていたらしい。
「まぁ、お嬢様は天才ですか!?」
「違うよ」
「もう道まで覚えていらっしゃるとは……。あ、別の場所へ行くわけではなく、公爵様のところへ少しお立ち寄りする予定なんです」
「お祖父様のところ?」
「はい。お嬢様にとても会いたがっていらっしゃいまして。サプライズにしようと思っていたのですが、あっさり破られてしまいましたね!」
心底残念そうに眉を下げるジェラードを見て、私は両手でパッと目を覆った。
「ううん、窓なんて見てないよ! 着くまで知らないふりをするね!」
私の言葉に、ジェラードとゼンダが耐えきれずに吹き出した。
「お嬢様らしいですね」
ゼンダが愛おしそうに私の頬を撫でる。
「……ねえ、叔父さんは明日来るかな?」
ゼンダに身を預けながら尋ねると、彼女は少し困ったように眉をひそめた。
「うーん……」
「僕の予想では――」
ゼンダが言い淀んでいると、ジェラードが口を挟んできた。
「あと数日中には絶対にお迎えが来ると思いますよ!」
「ジェラード。お嬢様にそんな確証のないことを言ってはいけません」
「でも当たると思うよ? ご主人様が作戦を立てて三日以上かかったことなんて一度もないし。それ以上かかるなら、作戦が失敗したってより、癇癪を起こして大騒ぎになるから……ね?」
「ジェラード。お嬢様の前でそういう言葉遣いはやめなさい」
「でも、ジェラードの言う通りだと思う!」
私は手を叩いてジェラードに賛同した。叔父さんが厄介な仕事をいつまでも長引かせるはずがない。
ゼンダが再びジェラードをたしなめる中、私はずっと胸に引っかかっていた疑問をふたりに投げかけた。
「ゼンダ、ジェラード。あのね」
「はい、お嬢様」
「なんでしょうか?」
「『ペンディベル』って何?」
さっき人形劇場を出てから、ずっと考えていたのだ。仮面の男の名前と、聞き慣れない薬の名前。
(この戻りつつある記憶をどう活かせば、あの人たちを大きく罰することができるかな……?)
今日思い出したことは役に立つだろうか。やっぱり、もっと早く、もっとたくさんの記憶を取り戻さなきゃ。
でもその前に、まずはこれだ。これが確かな証拠になる気がする。見つけられれば、すぐに叔父さんに伝えられるはずだ。
「ペンディベルですか?」
「ペンディベル……どこかで聞いたことがあるような……」
ゼンダとジェラードは、私が口にした言葉を反芻しながら首をかしげた。
「ペンディベル……それがどうかしたのですか? どこでお聞きになったのですか?」
「うん、さっきの人形劇で『ペンディベルの薬』って言ってたから気になって」
「人形劇ですか? そんなセリフがありましたっけ……」
「うん!」
「劇の中の話なら、きっと作り話ですよ。この世界には存在しない架空の薬ってことです!」
ジェラードが自信満々に親指を立てて説明する。
(えっ、聞いたことのない薬……? 違うよ、そっちじゃないのに……!)
「はい、きっと物語の中だけの薬ですよ。架空の……あっ!!」
突然、ゼンダの脚がしなやかに動き、ジェラードのスネを思いきり蹴り飛ばした。稲妻のような素早さだったけれど、私にはバッチリ見えていた。
「どこかで聞いた記憶がございます、お嬢様。お屋敷へ戻りましたら、必ず調べてご報告いたしますね。変わった名前ですから、珍しいお薬なのかもしれません」
「うん! 私も調べてみるね。名前が綺麗だから、きっといいお薬なんだよね」
「そ、そうですね……痛っ……。ゼンダの言う通りかもしれません、お嬢様。僕も調べてみます……ふぅ」
ジェラードのスネが少し心配だったけれど、これ以上追求されずに済んでホッとした。
「あ、この先を過ぎれば、お祖父様のお屋敷だよね? 合ってる!」
再び窓の外へ目をやると、見慣れた豪華な邸宅の景色が見えてきた。
(叔父さん、もう少しだけ待ってて!)
私が絶対に真相を突き止めて、叔父さんに教えてあげるから。
私は小さな両手を、ギュッと強く握りしめた。
要点を3つにまとめました。
-
記憶のフラッシュバックと「ペンディベル」の手がかり
人形劇の劇中、剣がぶつかり合う音を聞いた衝撃でアイカは過去の記憶を思い出します。仮面の男と「シモア」という人物、そして「ペンディベルの薬」という重要なキーワードを掴み、真相解明への強い決意を固めます。
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名札の流行とお茶会の約束
会場で再会した友人コービンも金色の名札を着用しており、アイカがきっかけで子供たちの間で名札が流行していることが判明します。アイカはコービンやルスフェーを自宅のお茶会に招待する約束を交わしました。
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新たな危険の影とお祖父様の屋敷へ
なかなか戻らない叔父のカッセルを待ちわびる中、アイカを狙う敵(ジェミエル側)が動く気配を見せます。しかしアイカ自身は危険に気づかないまま、カッセルへの報告と手がかりの調査を胸に抱き、お祖父様の屋敷へと向かっています。