こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は307話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
307話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 歴史が変わった日
「気をつけろよ?どうして何度も足に引っかかるの?」
「うわぁ!」
自分の性質に勝てなかったベロニカが、喉が裂けるほど大声を上げた。
あんな蔑視にも何の対応もできない境遇に鬱憤が爆発したのだ。
エレナがベロニカに近づく。
ヒュレルバードが危ないように前へ出ていこうとしたが,エレナは笑顔で大丈夫だと言った。
「あなたがそうしたのでしょう?簡単には殺さないと」
「お前なんかが・・・」
「私も同じよ。死が贅沢だと感じられるほと絶望に身もだえさせてあげる」
エレナの声に宿る寒さは真冬の霜よりも冷たかった。
今日のために生きてきた時間。
彼らの破滅を見るためにすべてを捧げてきた。
イアンを奪われて感じた無気力をベロニカも同じように感じさせるつもりだった。
「こ、殺し・・・えっ!」
エレナに飛びかかっていたベロニカの首の後ろに重い衝撃が伝わる。
しばらくよそ見をした間にレンが無防備に等しい彼女の急所を打って気絶させたのだ。
「うるさすぎて」
「よくできました」
エレナもベロニカに会うことはもうなかった。
口を痛めるより行動で見せるから。
「みんな制圧したね」
シアンは皇宮近衛隊を指揮し、大公家の騎士を捕縛する。
たとえ求心点を失ったとしても、大公領が健在だっただけに、残党がどのように急変するか分からず、安心することができなかった。
「私は皇居に行かなければならない」
間もなく夜が明ける。
シアンは日が昇る前に大公家が掃いた皇居を取り戻すつもりだった。
高潔な犠牲を選んだリチャード皇帝の遺体も収拾しなければならない。
貴族会議を開いて大公家の逆謀を知らせ、政局の主導権も取り戻さなければならない。
「殿下、少々お待ちください!」
そのようなシアンをエレナが急いで呼び立てた。
「どうしたんだろう?」
「皇居に行く前に立ち寄る所があります」
「立ち寄る所?あ!」
何かをシアンが浮かんだかのように反応すると、エレナはうなずいた。
「バッキンガム公爵家に行ってください。歴謀の確かな以上、躊躇う必要はありません。数百年間続いた大公家と4大家門のバランスを破り、殿下が望む新しい時代を切り開いてください」
「あなたは本当に・・・」
このような状況でも冷徹で理性的な判断で大局を読むエレナの目にシアンは言葉を失った。
ふとそんな思いがよぎった。
彼女が皇室の一員になって力量を発揮すれば、帝国はかけがえのない太平聖代を享受するのではないか。
(君のためなら私は・・・)
一度も抱いたことのない、誰かの助演として生きたいという気がした。
「失礼する」
シアンは躊躇うことなく皇宮近衛隊を指揮してバッキンガム公爵家に向かった。
後ろ姿を眺めるエレナをめぐってレンがにやにやと笑う。
「子供がこんなにしっかりして」
「取れるものは取らないと」
「それをしっかりしていると言っているんだ」
「言葉遊びをする力がありません。早く後始末してください。私はこれでサロンに戻ります」
一瞬エレナはめまいを感じたようにふらふらした。
驚いたヒュレルバードが支えようとする時、レンが突然割り込んでエレナの腰を抱いた。
その動きがどれほど機敏で速かったのか、ヒュレルバードが手を打つ暇さえないほどだった。
「どうしたの?どこか痛い?」
「ちょっとクラクラしただけです。緊張が解けたようです」
かすかに笑っているが、エレナの顔色は青ざめていた。
復讐のためだけに駆けつけた人生だった。
理性的でこの上なく落ち着いて見えたが、いつも限界値にかけてぎりぎりで生きてきた。
そのため、緊張が解けて精神的枯渇が訪れたのは、ある意味当然のことだろう。
「ごめんなさい、少しだけ寝ます」
エレナにはもう我慢する気力がないかどうか意識を失ってしまった。
まともな人も血と肉が並んで死が横行するこのような戦場で、完全な精神を維持することは容易ではない。
今まで耐えただけでも奇跡だった。
「この子はここがどこだと思って寝てるの?」
言葉とは違って、レンはエレナが起きないか慎重だった。
しかし、ヒュレルバードはその言葉を聞き流さなかった。
「私がサロンにお迎えします」
「あなた、私を信じられないの?」
ヒュレルバードは返事の代わりに警戒の目で手を差し出す。
しかし、レンは渡すつもりはないようにエレナを抱きしめた。
この上なく優しく。
「もういいよ。それに私、この子はどうしようもない」
レンは眠っているエレナを見てニヤリと笑った。
帝国の空がひっくり返った。
フランチェ大公が逆謀を起こして皇居を襲撃し、皇帝を殺害する初の事態が発生したのだ。
リチャード皇帝の死を防ぐことはできなかったが、皇太子のシアンと皇居近衛隊の対応は眩しかった。
逆謀を企てているとの情報を得て、急いで首都に戻ったシアンと皇宮近衛隊は、大公家を占拠し、フランチェ大公を誅殺することに成功する。
それでも足りず、謀反に加担したホイット公爵を殺し、バッキンガム家まで制圧した。
貴族たちは驚愕を禁じえなかった。
帝国の建国から共にした大公家が没落した事実は、貴族たちに示唆したところが大きい。
貴族中心に回っていた帝国の軸が皇権に移る契機になったのだ。
衝撃的なニュースは続いた。
失踪で葬儀まで行ったレン・バスタージュが戻ってきて家門を掌握した。
レンがシアンと同調して大公家を倒すのに一助したという噂が事実であることが明らかになり、次世代新興貴族としての立場も確固たるものになる。
その他のことは順理通りに進んだ。
シアンは皇宮近衛隊を派遣し、大公領とバッキンガム公爵領を差し押さえた。
また、邸宅を隅々まで探し、これまで不正な方法で着服した財産を押収し、貴族から受け取った上納金帳簿を土台に、これまで暗々裏に横行していた「面倒見」の行動も調査に着手していく。
シアンは、謀反に関することを終えリチャード皇帝の葬式を行った。
これまで豊かでない皇室の財政のため、財布の紐を引き締めなければならなかったが、逆謀を犯した家門の財産を国庫に還収したおかげで無理がなかった。
ベロニカは皇居の地下牢に監禁された。
フランチェ大公の謀反に加担して現場に一緒にいた彼女の死は既成事実となっている。
ただ、時期的にリチャード皇帝の葬儀が終わった後、処刑されるのではないかと推測するだけだ。
帝国の歴史が変わった一日。
エレナはこれからどのように行動するのでしょうか?
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