剣を持った花

剣を持った花【61話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「剣を持った花」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【剣を持った花】まとめ こんにちは、ピッコです。 「剣を持った花」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっております...

 




 

61話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 星降る谷の野営

列車を降りて馬車に乗り換える際、彼らはあえて別々の馬車に乗った。

馬車の中で眠ることになるはずだったが、ユリエンには、あの狭い空間で彼女と二人きりになる自信がなかったのだ。

一行は夜通し馬車を走らせ、人里離れた静かな村へ到着すると、そのまま裏山へ向かった。

消え去った過去――。

聖女は、この近くの谷で黒焦げの遺体となって発見された。

焼け落ちた小屋の中で身を縮めるように座っていた幼い少女の胸には、一本の銀色に輝く短剣が抱かれていた。

治癒の剣・エルギオサ。

緑色の蔦が絡みつくその小さな短剣は、炎の中でも傷ひとつ負わず、少女の胸を貫いたまま突き刺さっていたという。

火の手が回った際、少女は自ら命を絶とうとしたのだと推測された。その傷は、亡くなった少女がエルギオサの所有者であったことを証明していた。エルギオサで傷を負わせることができるのは、その所有者だけだったからだ。

聖女が暮らしていた小屋は、近隣を行き来する薬草採取者や狩人たちが共同で利用していた避難小屋だった。避難小屋を利用しようと訪れた一人の狩人が遺体を発見し、遺体の胸にあった短剣が焼失していないことに気づいて領主へ報告した。その報告はアジェンカへ伝わり、聖騎士団は主を失ったエルギオサを回収することができた。

聖女殺害事件の犯人は、結局最後まで捕まらなかった。

焼け焦げた遺体から判明したことはごくわずかだった。遺体が発見され、アジェンカへ報告が届くまでに時間がかかったことも、その一因だった。

そのためユリエンは、この時点では聖女がどこにいるのか知らなかった。

残されたわずかな手がかりや痕跡から、この頃のある夜、多くの者たちに連れ去られた少女が、燃え盛る小屋に閉じ込められて命を落としたことだけが分かっていた。

もちろん、聖女の死を防ぐには、それだけの情報でも十分だった。

彼は小屋を見渡せる尾根に陣取った。

ひとまず十日ほど滞在する準備はしてきたが、運が悪ければ一か月ほど留まることになるかもしれない。時期は推測できても、正確な日付までは分からなかったからだ。

エキネシアより早く幕営を終えたユリエンは、すぐに夕食の支度を始めた。

【「ロードの世話をするのはスクワイアの仕事ではないのか? なぜお前がやるんだ?」】

ランギオサが不思議そうに尋ねた。

彼は彼女に聞こえないよう、小さな声で答えた。

「時間があるから。」

「魔剣の主としては複雑だろうが、好きにさせてやれ。お前だってスクワイアだった頃を経験しているんだから、その気持ちは分かるだろう。」

「……分かってる。それでも、してやりたいんだ。」

エキネシアは料理ができなかった。

貴族の娘として育ち、料理人が作った食事を食べてきたのだから、それ自体は不思議ではない。

問題は、記憶を失ってから九年間も各地を放浪していたにもかかわらず、その腕前がほとんど上達していなかったことだった。食べられないほどひどい料理ではないものの、野営に慣れた犬のほうがまだましと思える程度の出来だった。放浪生活では荷物を減らすため、彼女は食材を十分に持ち歩いていなかったことも理由の一つだった。

持ち歩いていた調味料は塩だけ。狩りや解体には慣れていても、調理法は「塩を振って焼く」か、「水で煮て塩で味付けする」の二通りしかなく、そればかり食べ続けていたのだった。

スクワイアの教育課程には簡単な料理も含まれていたため、エキネシアもこの一か月で多少は料理を覚えていた。とはいえ、それはあくまで基礎課程だ。味よりも腹を満たすることを重視した料理――新人スクワイアの作る料理とは、大抵そんなものだった。そして経験を積むにつれ、少しずつまともな料理を作れるようになっていく。

もちろん、どれだけ料理経験を積んでも、最後まで「食べられる程度」の域を出られない者もいた。長年一人で旅を続けてきたにもかかわらず、エキネシアがまさにそのタイプだった。

ユリエンのスクワイア歴は約四年。料理の腕前はかなりのもので、集団任務では炊事担当を任されることもあった。だから彼は、最初から今回の任務中は自分が料理をするつもりでいた。食料を買い込む際も、良い食材を十分に用意してきた。

結局のところ、彼女においしい料理を食べてもらいたかったのだ。

彼は丁寧に食材を下ごしらえし、バターを溶かした鍋で炒め始めた。献立は、ごく無難なシチューだった。

鍋をかき混ぜながら、彼は何気なくつぶやいた。

「好みが分かれば、もっと好みに合わせて作れるんだが。」

「……そんなに料理が好きなのか?」

「嫌いじゃないが、趣味というほどではない。」

「料理じゃなくて……いや、やめておこう。」

剣精霊は長いため息をついた。ユリエンは味付けに集中していて、その言葉は耳に入らなかった。月桂樹の葉と、別に持参していた香辛料も加える。シチューが煮立つと、おいしそうな香りが立ちのぼり始めた。

少し遅れて部屋から出てきたエキネシアは、彼が料理をしている姿を見て驚いたような表情を浮かべた。

「気にするな。ただ時間があっただけだ。」

ユリエンは何でもないことのように答え、小皿にシチューをよそって彼女へ差し出した。

「味見をしてくれないか。」

平静を装っていたが、内心は緊張していた。

口に合うだろうか。料理には自信があったはずなのに、彼女に食べてもらとなると、その自信はあっという間に消えてしまうようだった。

「……ど、ど、どうぞ。」

皿を受け取ったエキネシアは、湯気の立つシチューを一口食べた。

その何気ない仕草さえ、彼には息をのむほど美しく見えた。思わず頬が緩むのを感じたが、抑えることはできなかった。

シチューを飲み込んだ彼女の目がぱっと大きく見開かれる。その様子を見て、ユリエンは、このままでは本当に自分の気持ちを抑えられなくなるのではないかと不安になった。

「ロードがお料理までお上手だなんて、知りませんでした。」

彼女は感心したようにそう言い、彼を見上げた。

本当に、平静を保つのが難しい。ユリエンは思わず視線をそらした。

「大したことはない。普通に食べられるものが作れる程度だ。私もスクワイア出身だからな。」

【あれだけ心を込めて作っておいて、よく平然とそんなことが言えるものだな。】

彼は剣精霊のぶつぶつとした小言を聞こえないふりをした。彼女との会話に夢中で、それどころではなかった。

「雲の上を歩くような気分」というありふれた表現を、身をもって実感する日が来るとは思ってもみなかった。自分を見ても緊張したり避けたりしないエキネシアと向かい合い、自分が作った料理を一緒に食べながら、他愛のない会話を交わす――その時間は、まさにそんな気持ちだった。

「士官学校へ入学した頃は、いろいろ思い悩んでいてな。だからディトリヒにはずいぶん迷惑をかけた。」

「迷惑、ですか? どんなふうにですか?」

浮かれすぎて、自分が何を話しているのかもよく分からなかった。ユリエンは一度口を閉じた。

十八歳の頃のユリエンは、自分で決めたルールから少しでも外れると世界が終わるかのように思い込む少年だった。もう少し年齢を重ねてからは多少柔軟になり、自分の基準を他人に押しつけることもなくなったが、当時は他人にも同じ厳しさを求めていた。まだ、人との接し方に不器用だった頃の話だった。

それに加え、周囲への不信感や警戒心、意図的に人と距離を置こうとする態度、そして一人で過ごすことによって極度に神経質になっていたことも、その原因だったのだろう。最大の被害者は、ルームメイトだったディトリヒだった。

ディトリヒは、相手が帝国の皇子だからといって遠慮する性格ではない。口で言い返されても引き下がるような大人しさもなかった。平然と彼を「この野郎」と罵り、腹が立てば殴り合いの喧嘩も辞さなかった。剣の腕では到底ユリエンには敵わなかったが、泥を投げ合うような路地裏の喧嘩なら、なかなかいい勝負だった。

甘やかされて育ったはずの皇子であるユリエンは、生まれて初めて遠慮のない悪態を浴びせられ、泥だらけになるまで転げ回った。そんな日々を過ごすうちに、気がつけば二人は友人になっていた。大人になってからも、ディトリヒは、「お前が少しは人間らしくなったのは、半分は俺のおかげだ」とよくぼやいていた。ユリエンも、その言葉を完全には否定できなかった。

エキネシアに話すには、少し恥ずかしい話だった。ユリエンは話題を変えた。

「まずは食べよう。冷めてしまう。」

彼女は、彼がはぐらかしたことが気ようになったようだった。

食事を終え、二人で食器を片づけているとき、彼女はもう一度尋ねた。彼女と穏やかな雰囲気で話す時間は本当に心地よかったが、その話題だけは避けたかった。少しでも格好いいところを見せたい相手に、あんな頃の話をするのは気恥ずかしかったのだ。

「そんなに気になるのか?」

「先に話を切り出したのはロードじゃないですか。気になりますよ。」

「あなたと話していると、うれしくて、つい……」

また口が滑ってしまった。彼女の前では、どうしても失言ばかりしてしまう。エキネシアは戸惑った表情で彼を見つめていた。ユリエンはもう取り繕うことを諦め、その場から逃げ出した。

その日から始まった野営生活の間、彼はまともではいられなかった。少なくとも、聖剣にはそう見えた。

ユリエンはもともと口数の多い方ではなかったが、エキネシアとは少しでも長く話していたくてたまらなかった。彼女の言葉を一つ残らず聞こうと集中するあまり、ほとんど聞き役になっていた。他の誰にもまともに話したことのない自分のことも、彼女の前では自然と口にしていた。もちろん、皇族の事情のような話したくないことだけは避けていたが。

交代で夜番をしていたため、一緒に過ごす時間は決して多くなかった。それでも、同じ場所に彼女がいるというだけで、ずっと胸が落ち着かなかった。目の前にいなくても、近くにいると分かるだけで心が騒いだ。

高鳴る気持ちを抑えようと、ユリエンは木片を削って気を紛らわせていた。スクワイア時代、イライラした時には木片を削ると、剣の細かな扱いの訓練にもなり、気持ちも落ち着くとロードに教えられたことがあった――バロンに教わった通り、彼はたまに木片を手に取って彫っていた。

しかし、それが趣味になることはなかった。もともとユリエンは剣以外に趣味らしい趣味もなく、欲望に流されることもない人間だった。それなのに、この数日で、これまで生涯に彫った木彫りをすべて合わせたよりも多い木彫りを作ってしまっていた。

「……」

その様子を見ていた剣精霊は言いたいことが山ほどあったが、ぐっと飲み込んだ。人間同士の感情、とりわけ恋愛に関わることに口を出しても、ろくな結果にならない。剣精霊は過去の経験を思い出し、固く口を閉ざした。

そんな日々が一週間ほど続いた。近くに彼女がいると思うだけで緊張してしまい、ユリエンはなかなか寝つけなかった。その日もいつも以上に眠れず、何度も寝返りを打った末、とうとうベッドを抜け出した。どうやら夕食のとき、エキネシアが弟の話をして笑っていたことが原因らしい。その小さな笑い声が、いつまでも耳に残っていた。

その声や、優しく細められた目元が何度も頭に浮かび、眠ることができなかった。

「ロード? どうしてお休みにならないのですか?」

「今日はなぜか眠れなくてね。昼寝をしすぎたせいかもしれない。」

ユリエンはエキネシアの隣に腰を下ろした。彼女は彼が隣にいることをごく自然に受け入れた。それが当たり前になっているようだった。そのことが嬉しすぎて、思わず表情が緩みそうになる。彼は谷の方へ視線を向け、深呼吸をした。

その時、彼女が口にした言葉は、彼がまったく予想していなかったものだった。

「今、手合わせをお願いできますか?」

ユリエンは、自分の耳を疑った。

最初は驚き、次の瞬間には様々な考えが一気に頭を駆け巡った。

(どういうことだ? まさか、すべてを打ち明けようとしているのか? ようやく私を信じてくれるようになったのか? こんなに早く? いや、そんなはずはない。何か別の意図があるのか?)

ただの稽古の申し込みなのかもしれない。……いや、彼女が自分にそんな何気ない稽古を申し込むはずがない。そもそも彼は、彼女と剣を交える日など永遠に来ないかもしれないと思っていた。それなのに、今こうして彼女と剣を合わせられるというのか。

ユリエンは呆然とした。

「本当か?」

「はい。ロードさえよろしければ。」

淡々と答えたエキネシアは立ち上がり、身支度を整えた。

ユリエンはすぐには立ち上がることができなかった。

(これは現実なのか?)

眠れなかったせいで幻でも見ているのではなく、夢を見ているだけではないのか。彼は視線だけを動かし、腰にアメシストを帯びた彼女を見つめた。ようやく現実だという実感が湧いてきた。

もし本当に彼女が隠してきたことを自分に打ち明けるつもりなら、自分もまた、ずっと口にできなかった真実を彼女に伝えなければならない。彼女の悲劇が、どこから始まったのか――それを思い返した瞬間、激しい感情が胸の奥から込み上げてきた。

様々な考えが頭の中を駆け巡り、そして白くかき消されていった。

ユリエンはふらつくように彼女の前へ立った。エキネシアはかすれた声を出しかけ、小さく咳払いをしたが、彼はそれに気づかなかった。

「剣を抜いたら始めます。」

「……ああ。」

機械的に返事をし、反射的にランギオサを抜いた。そこまではよかったが、震える手のせいで聖剣を落としてしまった。聖剣は地面に当たって音を立てたものの、何も言わなかった。

真実を知ったら、彼女はどうするのだろう。自分の人生が一瞬で転落した原因が、自分だと知ったら。ユリエンには、彼女がどう反応するのか想像もつかなかった。いずれ手合わせを申し込まれ、その時までには心の準備をしておこうと決めていた。それなのに、その時が実際に来ると、まったく準備などできていなかった。

想いは、さらに深くなってしまった。あまりにも、好きになりすぎてしまった――。

ようやく彼に慣れ、彼の前で少しだけ笑顔を見せるようになった彼女が、今度は彼を避けるようになるかもしれない。彼女の笑顔を知ってしまったからこそ、そのことがなおさら怖かった。

恨まれるだろうか。責められるだろうか。拒絶されるだろうか。それとも去ってしまうだろうか。

彼女がいなくなることだけは、想像したくなかった。去られるくらいなら、いっそ自分を憎んでくれたほうがましだった。もし彼女が彼を殺すこともできず、「もう二度と私の人生に関わらないで」と告げるのなら、彼は従うしかない。彼女の人生を狂わせた原因は自分なのだから、それが当然だった。それが正しいことだった。

だが、すでに変わってしまった自分は、その不在に耐えられるのだろうか。彼女と出会う前の自分に戻ることなどできるのだろうか。記憶を持ったままでは、それは不可能だと分かっていた。これが二度目の人生だと自覚するたびに、必ず彼女のことを思い出してしまうのだから。

だから、もし彼女が「もうあなたには会いたくない」と言うのなら――

(……聖剣を手放さなければ。)

そうすれば、エキネシアのことも忘れられる。この人生が彼女から与えられた二度目の機会であることも忘れ、何も知らないまま平穏に生きていけるだろう。

そんな自分を想像すると、ひどく嫌悪感が込み上げた。

ユリエンは乾いた唇を舐め、ようやくランギオサを握り直した。

エキネシアはアメジストを抜き、彼へ向けて構えた。短い静寂。月明かりが白い刃を照らしていた。彼は剣越しに、彼女の瞳が揺れるのを見た。剣先が震える。

そして彼女は、突然剣を投げ捨てた。

「エキネシア?」

本能的に嫌な予感が走る。真っ青になり、血の気を失っていく顔。誰かを傷つけるのではなく、自らを引き裂こうとするような苦しみ。悲鳴を上げ、もがき苦しむ彼女の姿を見た瞬間、ユリエンは、自分がほんの少し前まで抱いていた考えが、あまりにも身勝手だったことを悟った――。

残されていた選択は、それしかなかった。

彼が真実を打ち明けたことで、彼女が彼をどう思うかという問題ではない。真実を知った彼女が受ける衝撃が、あまりにも大きすぎる。十五年もの長い年月を苦しみ続けることになった原因が、ただ彼が彼女に想いを寄せていたという、それだけのことだったと知ってしまうのだから。

ユリエンは固く目を閉じ、ゆっくりと彼女を見つめた。涙で潤み、かすんだ視界の中で、彼女は口元を押さえていた。顔色は真っ青だった。

彼は無意識のうちに、懇願するような声で彼女の名を呼んだ。

「エキネシア……」

あなたは何も悪くないのに、どうして傷まで自分一人で背負おうとするのですか。どうして自分を責め続けるのですか。あなたは十分すぎるほど苦しみ、何の罪もないのに罰を受け続けてきた。だから、どうか――。

ユリエンが一歩近づくと、エキネシアは反射的に首を横へ振り、後ずさった。恐怖に震えるその仕草を見て、彼はそれ以上近づくことができず、その場で足を止めた。

胸が締めつけられた。肺いっぱいに水が流れ込んでくるような息苦しさだった。

(お願いだ。どうか私を憎んでくれ。)

(あなたをこんな運命にしたのは私だ。だから、あなた自身ではなく私を責めてくれ。)

(その憎しみを、私へ向けてくれ。)

彼はその言葉を口にしようとした。その瞬間、谷の下から炎の明かりと叫び声が上がった。

「魔女だ! 魔女を連れて来い!」

見過ごすことのできない騒ぎだった。ユリエンは言いかけた言葉を飲み込み、谷の方へ視線を向けた。ずっと待ち構えていた出来事だったため、状況の把握は早かった。

ほどなくしてエキネシアも彼のもとへやって来た。苦しみに崩れ落ちていた彼女の呼吸は、いつの間にか落ち着きを取り戻していた。

(そうだ。)

(あなたは強い人だから。)

(すべてを投げ出しても誰も責めはしないはずなのに、それでも最後まで踏みとどまり、奇跡を成し遂げる人だ。)

(その強さは眩しいほど美しい。だが、その強さこそがあなたを危険にさらしてしまう。)

だからこそ、彼は彼女を支えたかった。彼女にとって、支えとなれる存在になりたかった。その願いのために努力し、少しずつでも前へ進めていると思っていた。

だが彼女は再び、彼の前で、彼が原因となって過去を思い出し苦しんでいる。まだ真実を何一つ話していないというのに。

 



  • 野営地での穏やかな時間と手料理

    目的地近くの村で幕営したユリエンは、料理が苦手なエキネシアのために自らシチューを振る舞い、他愛のない会話を通じて穏やかな時間を過ごす。

  • 突然の手合わせと募る苦悩

    眠れない夜にエキネシアから突然手合わせを申し込まれたユリエンは、彼女の過去のトラウマや自身の罪悪感、失うことへの恐怖に苛まれる。

  • 事件の予兆と崩壊する精神

    剣を抜いたエキネシアが過去の記憶による激しい苦痛でその場に崩れ落ちる姿を見て、ユリエンは自身の存在や真実を伝えることの重さに絶望しかけるが、その直後に谷から魔女狩りの騒ぎが起こる。

 

 

 

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